Qt WidgetsにおけるQAccessibleWidget::parentObject()の解説

Qt WidgetsにおけるQAccessibleWidget::parentObject()の解説

QAccessibleWidget::parentObject()は、Qt Widgetsモジュールにおける重要な関数の一つです。この関数は、アクセシビリティ情報を提供するオブジェクトの親オブジェクトを取得するために使用されます。

アクセシビリティとは、視覚障碍者や聴覚障碍者など、身体障碍を持つユーザーがコンピュータシステムを利用できるようにするための技術です。Qt Widgetsモジュールは、アクセシビリティ情報を提供するための様々な機能を提供しており、QAccessibleWidget::parentObject()はこれらの機能の一つです。

QAccessibleWidget::parentObject()は、アクセシビリティ情報を提供するオブジェクトの親オブジェクトを取得します。この親オブジェクトは、ウィジェット階層における次のレベルのアクセシビリティ情報を提供するオブジェクトです。

例えば、QPushButtonオブジェクトがある場合、QAccessibleWidget::parentObject()を使用して、その親オブジェクトであるQWidgetオブジェクトを取得することができます。

QPushButton* button = new QPushButton("OK");
QWidget* parent = button->parentWidget();

// 親オブジェクトはQWidget型
QAccessibleWidget* accessibleParent = QAccessible::queryAccessibleInterface(parent);

戻り値

QAccessibleWidget::parentObject()は、親オブジェクトを指すQObject型のポインタを返します。親オブジェクトが存在しない場合は、nullptrを返します。

注意事項

QAccessibleWidget::parentObject()は、アクセシビリティ情報を提供するオブジェクトの親オブジェクトを取得するためにのみ使用してください。その他の目的で使用することはできません。

QAccessibleWidget::parentObject()の詳細については、QtドキュメントのQAccessibleWidget::parentObject(): [無効な URL を削除しました]。

補足

• 上記の例は、Qt 5.15に基づいています。
• Qt Widgetsモジュールは、Qt 6でも引き続き使用できます。

Qt WidgetsにおけるQAccessibleWidget::parentObject()のサンプルコード

サンプル1: 親オブジェクトの取得

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  QPushButton* button = new QPushButton("OK");
  QWidget* parent = button->parentWidget();

  // 親オブジェクトはQWidget型
  QAccessibleWidget* accessibleParent = QAccessible::queryAccessibleInterface(parent);

  if (accessibleParent) {
    // 親オブジェクトのアクセシビリティ情報を取得
    QString accessibleName = accessibleParent->accessibleName();
    QAccessible::Role role = accessibleParent->role();

    // アクセシビリティ情報を出力
    qDebug() << "親オブジェクトの名前:" << accessibleName;
    qDebug() << "親オブジェクトの役割:" << role;
  } else {
    qDebug() << "親オブジェクトが存在しない";
  }

  return app.exec();
}

サンプル2: ウィジェット階層のすべてのオブジェクトの親オブジェクトを取得

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char** argv) {
  QApplication app(argc, argv);

  QWidget window;
  QVBoxLayout* layout = new QVBoxLayout(&window);

  for (int i = 0; i < 5; ++i) {
    QPushButton* button = new QPushButton(QString("Button %1").arg(i));
    layout->addWidget(button);
  }

  window.show();

  // ウィジェット階層のすべてのオブジェクトを走査
  QAccessible::queryAccessibleInterfaces(&window, [](const QAccessibleInterface* accessible) {
    // オブジェクトの親オブジェクトを取得
    QAccessibleWidget* accessibleWidget = qobject_cast<const QAccessibleWidget*>(accessible);
    if (accessibleWidget) {
      QWidget* parent = accessibleWidget->parentWidget();
      if (parent) {
        // 親オブジェクトの名前を出力
        qDebug() << "親オブジェクトの名前:" << parent->accessibleName();
      } else {
        qDebug() << "親オブジェクトが存在しない";
      }
    }
  });

  return app.exec();
}

• 上記のサンプルコードは、Qt 5.15に基づいています。

QAccessibleWidget::parentObject()の代替方法

代替方法

QAccessibleWidget::parentObject()の代替方法として、以下の方法が考えられます。

• QWidget::parentWidget()

QWidget::parentWidget()は、QWidgetオブジェクトの親オブジェクトを取得するために使用されます。この方法は、QAccessibleWidget::parentObject()よりも汎用性が高いですが、アクセシビリティ情報を提供するオブジェクトの親オブジェクトのみを取得したい場合は、QAccessibleWidget::parentObject()を使用することをお勧めします。

• QAccessible::queryAccessibleInterface()

QAccessible::queryAccessibleInterface()は、オブジェクトのアクセシビリティ情報を提供するインターフェースを取得するために使用されます。この方法を使用して、オブジェクトの親オブジェクトのアクセシビリティ情報を取得することもできます。

例

// QWidget::parentWidget()を使用する例
QPushButton* button = new QPushButton("OK");
QWidget* parent = button->parentWidget();

// QAccessible::queryAccessibleInterface()を使用する例
QAccessibleInterface* accessibleInterface = QAccessible::queryAccessibleInterface(button);
QAccessibleWidget* accessibleParent = qobject_cast<QAccessibleWidget*>(accessibleInterface->parent());

注意事項

• QWidget::parentWidget()は、QWidgetオブジェクトの親オブジェクトのみを取得できます。
• QAccessible::queryAccessibleInterface()は、オブジェクトのアクセシビリティ情報を提供するインターフェースのみを取得できます。

QAccessibleWidget::parentObject()は、アクセシビリティ情報を提供するオブジェクトの親オブジェクトを取得するために最も適切な方法です。ただし、汎用性の高い方法が必要な場合は、QWidget::parentWidget()またはQAccessible::queryAccessibleInterface()を使用することもできます。