QCursor::mask() 関数でカーソルのマスクを設定する方法
Qt GUI の QCursor::mask() 関数について
QCursor::mask() 関数は、カーソル画像の透明部分を定義するマスクビットマップを取得します。このマスク情報は、カーソル画像のどの部分が実際に表示され、どの部分が透過されるかを決定します。
使い方
この関数は、以下のコードのように使用できます。
QCursor cursor;
QBitmap mask = cursor.mask();
このコードは、現在のカーソルのマスクビットマップを取得し、mask
変数に格納します。
引数
この関数は、引数を受け取りません。
戻り値
この関数は、QBitmap 型のオブジェクトを返します。このオブジェクトは、カーソル画像の透明部分を表すビットマップです。
例
以下のコードは、カスタムカーソルを作成し、そのマスクを設定する方法を示しています。
QPixmap pixmap("cursor.png");
QBitmap mask("mask.png");
QCursor cursor(pixmap, mask);
cursor.setShape(Qt::CursorShape::PointingHandCursor);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
このコードは、"cursor.png" 画像と "mask.png" 画像を使用して、カスタムカーソルを作成します。その後、カーソル形状を "PointingHandCursor" に設定し、アプリケーション全体のカーソルとして設定します。
補足
- マスクビットマップは、1ピクセルが1ビットで表されるモノクロ画像です。
- 白色ピクセルは透明部分、黒色ピクセルは非透明部分を表します。
- マスクビットマップのサイズは、カーソル画像のサイズと同じである必要があります。
- QCursor::setMask() 関数を使用して、カーソルのマスクを設定することもできます。
Qt GUI の QCursor::mask() 関数を使ったサンプルコード
QCursor cursor;
cursor.setShape(Qt::CursorShape::PointingHandCursor);
// 円形マスクを作成
QBitmap mask(16, 16);
QPainter painter(&mask);
painter.setBrush(Qt::black);
painter.drawEllipse(QPoint(8, 8), 8, 8);
cursor.setMask(mask);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
画像カーソル
QPixmap pixmap("cursor.png");
QBitmap mask("mask.png");
QCursor cursor(pixmap, mask);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
アニメーションカーソル
QCursor cursor;
// アニメーション画像を読み込み
QList<QPixmap> frames;
for (int i = 0; i < 10; i++) {
frames.append(QPixmap(QString("frame%1.png").arg(i)));
}
// アニメーションカーソルを設定
cursor.setFrames(frames);
cursor.setAnimationDelay(100);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
ホットスポット
QCursor cursor;
cursor.setShape(Qt::CursorShape::PointingHandCursor);
// ホットスポットを設定
cursor.setHotSpot(QPoint(8, 8));
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
マスクの描画
QCursor cursor;
// マスクビットマップを作成
QBitmap mask(16, 16);
QPainter painter(&mask);
painter.setBrush(Qt::black);
painter.drawEllipse(QPoint(8, 8), 8, 8);
// マスクを描画
cursor.setMask(mask);
// カーソルを表示
cursor.setPos(QPoint(100, 100));
cursor.show();
QCursor::mask() 関数以外の方法
QImage::alphaChannel() 関数
QImage::alphaChannel() 関数は、QImage 型のオブジェクトからアルファチャネルを取得します。アルファチャネルは、各ピクセルの透明度を表す情報です。
QImage image("cursor.png");
QBitmap mask = image.alphaChannel();
QCursor cursor(image, mask);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
QPixmap::mask() 関数
QPixmap::mask() 関数は、QPixmap 型のオブジェクトからマスクビットマップを取得します。
QPixmap pixmap("cursor.png");
QBitmap mask = pixmap.mask();
QCursor cursor(pixmap, mask);
QApplication::setOverrideCursor(cursor);
Qt Designer を使用して、カーソル画像とマスクを視覚的に編集することができます。
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