Qt WidgetsにおけるQGridLayout::setColumnStretch()の詳細解説

2024-04-06

Qt WidgetsにおけるQGridLayout::setColumnStretch()の詳細解説

setColumnStretch()は、以下の2つの引数を受け取ります。

  • column: 伸縮性を設定したい列のインデックス
  • stretch: 伸縮係数

stretchは、その列が他の列と比べてどの程度伸縮するかを決定します。値が大きければ大きいほど、その列が優先的に伸縮します。デフォルト値は0で、伸縮しないことを意味します。

setColumnStretch()の例

以下の例は、QGridLayoutに3つの列を作成し、2番目の列を他の列よりも優先的に伸縮させるコードです。

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 2番目の列の伸縮性を設定
gridLayout->setColumnStretch(1, 10);

// ウィジェットを追加
QWidget *widget1 = new QWidget;
QWidget *widget2 = new QWidget;
QWidget *widget3 = new QWidget;

gridLayout->addWidget(widget1, 0, 0);
gridLayout->addWidget(widget2, 0, 1);
gridLayout->addWidget(widget3, 0, 2);

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードを実行すると、ウィンドウが表示され、3つの列が作成されます。2番目の列は、他の列よりも優先的に伸縮するため、ウィンドウのサイズを変更すると、2番目の列が他の列よりも大きく伸縮します。

  • setColumnStretch()は、QGridLayoutの他の設定と相互作用する可能性があります。例えば、行の伸縮性を設定している場合、列の伸縮性とのバランスを考慮する必要があります。
  • setColumnStretch()は、ウィジェットのサイズポリシーにも影響されます。ウィジェットのサイズポリシーが固定されている場合、そのウィジェットは伸縮しません。

setColumnStretch()は、QGridLayoutの列の伸縮性を設定するための便利な関数です。この関数を理解することで、より柔軟なレイアウトを作成することができます。



setColumnStretch()のサンプルコード

列の伸縮性のみでレイアウトを調整する

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 各列の伸縮性を設定
gridLayout->setColumnStretch(0, 1);
gridLayout->setColumnStretch(1, 2);
gridLayout->setColumnStretch(2, 3);

// ウィジェットを追加
for (int i = 0; i < 3; ++i) {
  for (int j = 0; j < 3; ++j) {
    QWidget *widget = new QWidget;
    widget->setStyleSheet("background-color: rgb(" + QString::number(i * 255 / 2) + "," + QString::number(j * 255 / 2) + ",0);");
    gridLayout->addWidget(widget, i, j);
  }
}

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

行の伸縮性と組み合わせる

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列と2つの行を作成
gridLayout->setColumnCount(3);
gridLayout->setRowCount(2);

// 各列の伸縮性を設定
gridLayout->setColumnStretch(0, 1);
gridLayout->setColumnStretch(1, 2);
gridLayout->setColumnStretch(2, 3);

// 行の伸縮性を設定
gridLayout->setRowStretch(0, 1);
gridLayout->setRowStretch(1, 2);

// ウィジェットを追加
for (int i = 0; i < 2; ++i) {
  for (int j = 0; j < 3; ++j) {
    QWidget *widget = new QWidget;
    widget->setStyleSheet("background-color: rgb(" + QString::number(i * 255 / 2) + "," + QString::number(j * 255 / 2) + ",0);");
    gridLayout->addWidget(widget, i, j);
  }
}

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードは、行と列の両方に伸縮性を設定することで、より複雑なレイアウトを作成します。

ウィジェットのサイズポリシーと組み合わせる

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 各列の伸縮性を設定
gridLayout->setColumnStretch(0, 1);
gridLayout->setColumnStretch(1, 2);
gridLayout->setColumnStretch(2, 3);

// ウィジェットを追加
QWidget *widget1 = new QWidget;
widget1->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Fixed);
widget1->setStyleSheet("background-color: red;");

QWidget *widget2 = new QWidget;
widget2->setSizePolicy(QSizePolicy::Minimum, QSizePolicy::Expanding);
widget2->setStyleSheet("background-color: green;");

QWidget *widget3 = new QWidget;
widget3->setStyleSheet("background-color: blue;");

gridLayout->addWidget(widget1, 0, 0);
gridLayout->addWidget(widget2, 0, 1);
gridLayout->addWidget(widget3, 0, 2);

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードは、ウィジェットのサイズポリシーとsetColumnStretch()を組み合わせることで、異なるサイズのウィジェットを柔軟に配置します。

  • setColumnMinimumWidth() and setColumnMaximumWidth() を使って、列の最小幅と最大幅を設定することができます。
  • setRowMinimumHeight() and setRowMaximumHeight() を使って、行の最小


QGridLayoutで列を伸縮させるその他の方法

QSpacerItemを使用する

QSpacerItemは、レイアウト内に空白スペースを挿入するためのアイテムです。QGridLayoutにQSpacerItemを追加することで、列を伸縮させることができます。

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 2番目の列に伸縮スペースを追加
QSpacerItem *spacer = new QSpacerItem(40, 20, QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);
gridLayout->addItem(spacer, 0, 1);

// ウィジェットを追加
QWidget *widget1 = new QWidget;
QWidget *widget2 = new QWidget;
QWidget *widget3 = new QWidget;

gridLayout->addWidget(widget1, 0, 0);
gridLayout->addWidget(widget2, 0, 2);

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードでは、2番目の列にQSpacerItemを追加することで、その列を優先的に伸縮させています。

QWidget::setSizePolicy()を使って、ウィジェットのサイズポリシーを設定することができます。サイズポリシーには、Expanding, Minimum, Fixedなどの値があります。

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 2番目の列のウィジェットのサイズポリシーを設定
QWidget *widget2 = new QWidget;
widget2->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Minimum);

// ウィジェットを追加
QWidget *widget1 = new QWidget;
QWidget *widget3 = new QWidget;

gridLayout->addWidget(widget1, 0, 0);
gridLayout->addWidget(widget2, 0, 1);
gridLayout->addWidget(widget3, 0, 2);

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードでは、2番目の列のウィジェットのサイズポリシーをExpandingに設定することで、その列を優先的に伸縮させています。

QBoxLayoutを使用する

QBoxLayoutは、ウィジェットを水平方向または垂直方向に並べるためのレイアウトマネージャーです。QBoxLayoutを使用する場合は、QHBoxLayoutまたはQVBoxLayoutをQGridLayout内にネストすることができます。

QGridLayout *gridLayout = new QGridLayout;

// 3つの列を作成
gridLayout->setColumnCount(3);

// 2番目の列にQHBoxLayoutを追加
QHBoxLayout *hBoxLayout = new QHBoxLayout;
hBoxLayout->addWidget(new QWidget);
hBoxLayout->addWidget(new QWidget);

gridLayout->addLayout(hBoxLayout, 0, 1);

// ウィジェットを追加
QWidget *widget1 = new QWidget;
QWidget *widget3 = new QWidget;

gridLayout->addWidget(widget1, 0, 0);
gridLayout->addWidget(widget3, 0, 2);

// レイアウトをウィジェットに設定
QWidget *window = new QWidget;
window->setLayout(gridLayout);

window->show();

このコードでは、2番目の列にQHBoxLayoutを追加することで、その列内に2つのウィジェットを並べています。

これらの方法を組み合わせることで、より複雑なレイアウトを作成することができます。




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