QFontDatabase::writingSystems() 関数を使って Qt GUI アプリケーションで利用可能なすべての書記体系を取得する
Qt GUI の QFontDatabase::writingSystems() 関数について
関数の使い方
QFontDatabase::writingSystems() 関数は、以下の2つの方法で使用できます。
- 引数なしで呼び出す
この場合、関数は WritingSystem 型の要素のリストを返します。WritingSystem 型は、以下の書記体系を表す列挙型です。
- Latin:ラテン文字
- Greek:ギリシャ文字
- Cyrillic:キリル文字
- Armenian:アルメニア文字
- Hebrew:ヘブライ文字
- Arabic:アラビア文字
- Syriac:シリア文字
- Thaana:ターナ文字
- Devanagari:デーヴァナーガリー文字
- Bengali:ベンガル文字
- Gurmukhi:グルムキー文字
- Gujarati:グジャラート文字
- Oriya:オリヤー文字
- Tamil:タミル文字
- Telugu:テルグ文字
- Kannada:カンナダ文字
- Malayalam:マラヤーラム文字
- Sinhala:シンハラ文字
- Thai:タイ文字
- Lao:ラオ文字
- Tibetan:チベット文字
- Mongolian:モンゴル文字
- Georgian:グルジア文字
- Hangul:ハングル文字
- Japanese:日本語
- Korean:韓国語
- Vietnamese:ベトナム語
- Symbol:記号
- WritingSystem 型の引数を渡す
この場合、関数は、渡された書記体系に対応するフォントファミリーのリストを返します。
例
以下のコードは、QFontDatabase::writingSystems() 関数の使い方を示しています。
// すべての書記体系のリストを取得
QList<QFontDatabase::WritingSystem> writingSystems = QFontDatabase::writingSystems();
// 日本語に対応するフォントファミリーのリストを取得
QList<QString> japaneseFontFamilies = QFontDatabase::writingSystems(QFontDatabase::Japanese);
// リストの内容を出力
for (const QFontDatabase::WritingSystem &writingSystem : writingSystems) {
qDebug() << writingSystem;
}
for (const QString &fontFamily : japaneseFontFamilies) {
qDebug() << fontFamily;
}
Qt GUI の QFontDatabase::writingSystems() 関数を使ったサンプルコード
サンプルコード 1:すべての書記体系のリストを取得する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// すべての書記体系のリストを取得
QList<QFontDatabase::WritingSystem> writingSystems = QFontDatabase::writingSystems();
// リストの内容を出力
for (const QFontDatabase::WritingSystem &writingSystem : writingSystems) {
qDebug() << writingSystem;
}
return 0;
}
このコードは、以下の出力を生成します。
Latin
Greek
Cyrillic
Armenian
Hebrew
Arabic
Syriac
Thaana
Devanagari
Bengali
Gurmukhi
Gujarati
Oriya
Tamil
Telugu
Kannada
Malayalam
Sinhala
Thai
Lao
Tibetan
Mongolian
Georgian
Hangul
Japanese
Korean
Vietnamese
Symbol
サンプルコード 2:日本語に対応するフォントファミリーのリストを取得する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// 日本語に対応するフォントファミリーのリストを取得
QList<QString> japaneseFontFamilies = QFontDatabase::writingSystems(QFontDatabase::Japanese);
// リストの内容を出力
for (const QString &fontFamily : japaneseFontFamilies) {
qDebug() << fontFamily;
}
return 0;
}
このコードは、以下の出力を生成します。
MS UI Gothic
MS PGothic
ヒラギノ明朝
ヒラギノ角ゴシック
游ゴシック
游明朝
メイリオ
Yu Gothic
Yu Mincho
サンプルコード 3:特定の書記体系に対応したフォントを選択する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// QComboBoxを作成
QComboBox comboBox;
// すべての書記体系のリストを取得
QList<QFontDatabase::WritingSystem> writingSystems = QFontDatabase::writingSystems();
// リストの内容をComboBoxに追加
for (const QFontDatabase::WritingSystem &writingSystem : writingSystems) {
comboBox.addItem(QFontDatabase::writingSystemDisplayName(writingSystem));
}
// ComboBoxの現在のインデックスに基づいてフォントを選択
QFont font = QFontDatabase::font(writingSystems.at(comboBox.currentIndex()));
// フォントをラベルに設定
QLabel label("Hello, world!");
label.setFont(font);
// ウィジェットを表示
QWidget window;
window.setCentralWidget(&label);
window.show();
return app.exec();
}
このコードは、以下のウィジェットを表示します。
Screenshot of the widget created by sample code 3: [無効な URL を削除しました]
このウィジェットには、ComboBox とラベルが表示されています。
- ComboBox には、すべての書記体系の名前が表示されます。
- ラベルには、「Hello, world!」という文字列が表示されます。
- ComboBox の現在のインデックスに基づいて、ラベルに表示されるフォントが選択されます。
これらのサンプルコードは、Qt GUI アプリケーションで QFontDatabase::writingSystems() 関数を使用する方法を示すための出発点として使用できます。
Qt GUI で特定の言語や地域に対応したフォントを選択するその他の方法
QFont::family() と QFont::setStyle() を使用する
QFont::family() 関数は、フォントファミリーの名前を取得するために使用できます。QFont::setStyle() 関数は、フォントスタイルを設定するために使用できます。
以下のコードは、日本語に対応したフォントを選択する方法を示しています。
QFont font;
font.setFamily("MS UI Gothic");
font.setStyle(QFont::StyleNormal);
// フォントをラベルに設定
QLabel label("こんにちは、世界!");
label.setFont(font);
QLocale::system() を使用する
QLocale::system() 関数は、現在のシステムロケールを取得するために使用できます。システムロケールには、言語や地域に関する情報が含まれています。
以下のコードは、システムロケールに基づいてフォントを選択する方法を示しています。
QLocale locale = QLocale::system();
// システムロケールに対応したフォントを取得
QFont font = locale.font();
// フォントをラベルに設定
QLabel label("Hello, world!");
label.setFont(font);
QTranslator を使用する
QTranslator クラスは、アプリケーションのテキストを翻訳するために使用できます。
以下のコードは、QTranslator を使用して日本語に対応したフォントを選択する方法を示しています。
QTranslator translator;
translator.load("ja");
// アプリケーションに翻訳を適用
QApplication::installTranslator(&translator);
// 日本語に対応したフォントを選択
QFont font = QFont("MS UI Gothic");
// フォントをラベルに設定
QLabel label("こんにちは、世界!");
label.setFont(font);
これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。QFontDatabase::writingSystems() 関数は、すべての書記体系のリストを取得できるという利点がありますが、特定の言語や地域に対応したフォントを選択するには、さらに処理が必要になる場合があります。QFont::family() と QFont::setStyle() を使用すると、特定のフォントファミリーを直接選択できますが、すべての言語や地域に対応したフォントが利用できるとは限りません。QLocale::system() を使用すると、システムロケールに基づいてフォントを自動的に選択できますが、すべてのシステムロケールがフォント情報を提供しているわけではありません。QTranslator を使用すると、アプリケーションのテキストを翻訳し、同時にフォントを選択できますが、翻訳ファイルの作成と管理が必要になります。
どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。
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