Qt GUI アプリ開発における QTextBlock クラスの役割と機能
Qt GUI の QTextBlock クラス
QTextBlock の主な役割:
- テキストブロック(段落)の構造と内容を表す
- テキストレイアウトの生成と管理
- 書式設定情報の取得と設定
- ユーザーデータの保存と取得
QTextBlock の主要な機能:
- テキストへのアクセス:
text()
:ブロック内のテキストを取得length()
:ブロック内の文字数lineCount()
:ブロック内の行数iterator begin(), end()
: ブロック内のテキストフラグメントを反復処理
- 書式設定へのアクセス:
blockFormat()
:ブロック全体の書式設定を取得charFormat()
:特定の位置における文字書式設定を取得setUserData(), userData()
:ユーザーデータの保存と取得
- レイアウトへのアクセス:
layout()
:ブロックのテキストレイアウトを取得clearLayout()
:ブロックのレイアウトをクリア
- その他の機能:
isValid()
:ブロックが有効かどうかを確認isVisible()
:ブロックが表示されているかどうかを確認position()
:文書内におけるブロックの位置blockNumber()
:文書内におけるブロック番号firstLineNumber()
:ブロックの最初の行番号revision()
:ブロックの改訂履歴番号
QTextBlock の使い方:
QTextBlock は、主に以下の目的で使用されます。
- テキストレイアウトの生成:
QTextBlock
のlayout()
メソッドを使用して、ブロックのテキストレイアウトを取得できます。- レイアウト情報は、テキストを描画したり、その寸法を取得したりするために使用できます。
- 書式設定の変更:
- ユーザーデータの保存:
QTextBlock
のsetUserData()
メソッドを使用して、ブロックに任意のデータを保存できます。- 保存されたデータは、
userData()
メソッドを使用して後から取得できます。
QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();
// ブロック内のテキストを取得
QString text = block.text();
// ブロック全体の書式設定を変更
block.blockFormat().setAlignment(Qt::AlignCenter);
// 特定の位置における文字書式設定を取得
QTextCharFormat charFormat = block.charFormat(position);
// ユーザーデータの保存
block.setUserData(new MyData());
// ユーザーデータの取得
MyData *data = block.userData();
QTextBlock クラスは、Qt GUI におけるテキスト処理の基本的なクラスです。テキストレイアウトや書式設定、ユーザーデータなどへのアクセスを提供し、様々なテキスト処理機能を実現することができます。
QTextBlock クラスのサンプルコード
テキストへのアクセス
QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();
// ブロック内のテキストを取得
QString text = block.text();
// ブロック内の文字数
int length = block.length();
// ブロック内の行数
int lineCount = block.lineCount();
// ブロック内のテキストフラグメントを反復処理
for (QTextBlock::iterator it = block.begin(); it != block.end(); ++it) {
QTextFragment fragment = *it;
// フラグメント内のテキストを取得
QString fragmentText = fragment.text();
// フラグメントの位置を取得
int position = fragment.position();
}
書式設定へのアクセス
QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();
// ブロック全体の書式設定を取得
QTextBlockFormat blockFormat = block.blockFormat();
// フォントを変更
blockFormat.setFontFamily("Arial");
// 文字サイズを変更
blockFormat.setFontPointSize(12);
// ブロック全体の書式設定を適用
block.setFormat(blockFormat);
// 特定の位置における文字書式設定を取得
QTextCharFormat charFormat = block.charFormat(position);
// 文字の色を変更
charFormat.setForeground(Qt::red);
// 太字を設定
charFormat.setFontWeight(QFont::Bold);
// 特定の位置における文字書式設定を適用
block.setCharFormat(position, charFormat);
// ユーザーデータの保存
block.setUserData(new MyData());
// ユーザーデータの取得
MyData *data = block.userData();
レイアウトへのアクセス
QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();
// ブロックのテキストレイアウトを取得
QTextLayout *layout = block.layout();
// テキストを描画
QPainter painter(widget);
layout->draw(&painter, QPoint(0, 0));
// テキストの寸法を取得
QRectF rect = layout->boundingRect();
その他の機能
QTextDocument document;
QTextBlock block = document.firstBlock();
// ブロックが有効かどうかを確認
bool isValid = block.isValid();
// ブロックが表示されているかどうかを確認
bool isVisible = block.isVisible();
// 文書内におけるブロックの位置
int position = block.position();
// 文書内におけるブロック番号
int blockNumber = block.blockNumber();
// ブロックの最初の行番号
int firstLineNumber = block.firstLineNumber();
// ブロックの改訂履歴番号
int revision = block.revision();
QTextBlock クラスを使用するその他の方法
テキスト装飾
- QTextBlockFormat クラスを使用して、ブロック全体の装飾を設定できます。
- QTextCharFormat クラスを使用して、特定の位置における文字の装飾を設定できます。
- テキストの色、フォント、サイズ、太字、斜体、下線などの装飾を設定できます。
テキスト配置
- 左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃えを設定できます。
リスト
- QTextList クラスを使用して、箇条書きリストや番号付きリストを作成できます。
- リストのスタイル、マーカー、インデントを設定できます。
表
- QTextTable クラスを使用して、表を作成できます。
- 行、列、セルの追加、削除、結合ができます。
- セルの書式設定、罫線、背景色などを設定できます。
画像
- QTextImageFormat クラスを使用して、テキスト内に画像を挿入できます。
- 画像のサイズ、位置、配置を設定できます。
リンク
- QTextLink クラスを使用して、テキスト内にリンクを作成できます。
- URL、アンカー、ツールチップを設定できます。
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