Qt GUI プログラミング:フォントに特定の文字が含まれているかどうかを確認する

2024-04-02

Qt GUI プログラミング:QFontMetrics::inFontUcs4() 関数解説

この解説では、以下の内容を分かりやすく説明します:

  • QFontMetrics::inFontUcs4() 関数の概要
  • 関数の引数と戻り値
  • 具体的な使用例
  • 関連する関数と情報

QFontMetrics::inFontUcs4() 関数の概要

QFontMetrics::inFontUcs4() 関数は、UCS-4 文字コード を指定して、その文字がフォントに含まれているかどうかを調べます。UCS-4 は、Unicode における全ての文字を表現するために使用される文字コード体系です。

関数の引数と戻り値

  • 引数:
  • 戻り値:
    • true: 文字がフォントに含まれている場合
    • false: 文字がフォントに含まれていない場合

具体的な使用例

// 特定の文字がフォントに含まれているかどうかを確認する例
QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

// '€' (ユーロ記号) の UCS-4 コードポイント
uint32_t ucs4 = 0x20AC;

if (fm.inFontUcs4(ucs4)) {
  // '€' はフォントに含まれている
  qDebug() << "The font contains the Euro symbol.";
} else {
  // '€' はフォントに含まれていない
  qDebug() << "The font does not contain the Euro symbol.";
}

関連する関数と情報

  • QFontMetrics::inFont(): 特定の QChar 文字がフォントに含まれているかどうかを確認する関数
  • QFont::supportedCharacters(): フォントに含まれる全ての文字のリストを取得する関数
  • Qt::TextElideMode: テキストが収まらない場合の省略方法を指定する列挙型

補足:

  • QFontMetrics::inFontUcs4() 関数は、Qt 5.0 以降で使用可能です。
  • Qt GUI アプリケーション開発において、フォントに含まれる文字を確認することは、テキスト処理を行う上で重要な役割を果たします。

この解説が、Qt GUI プログラミングにおける QFontMetrics::inFontUcs4() 関数の理解に役立つことを願っています。



QFontMetrics::inFontUcs4() 関数を使用したサンプルコード

特定の文字がフォントに含まれているかどうかを確認する

// 特定の文字がフォントに含まれているかどうかを確認する例
QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

// '€' (ユーロ記号) の UCS-4 コードポイント
uint32_t ucs4 = 0x20AC;

if (fm.inFontUcs4(ucs4)) {
  // '€' はフォントに含まれている
  qDebug() << "The font contains the Euro symbol.";
} else {
  // '€' はフォントに含まれていない
  qDebug() << "The font does not contain the Euro symbol.";
}

文字列内のすべての文字がフォントに含まれているかどうかを確認する

// 文字列内のすべての文字がフォントに含まれているかどうかを確認する例
QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

QString str = "This is a test string with €.";

bool allCharactersInFont = true;
for (int i = 0; i < str.length(); i++) {
  uint32_t ucs4 = str.at(i).unicode();
  if (!fm.inFontUcs4(ucs4)) {
    allCharactersInFont = false;
    break;
  }
}

if (allCharactersInFont) {
  // 文字列内のすべての文字はフォントに含まれている
  qDebug() << "All characters in the string are contained in the font.";
} else {
  // 文字列内のすべての文字はフォントに含まれていない
  qDebug() << "Not all characters in the string are contained in the font.";
}

文字列をフォントに収まるように省略する

// 文字列をフォントに収まるように省略する例
QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

QString str = "This is a very long string that needs to be ellipsized.";

// テキストが収まらない場合の省略方法を指定
Qt::TextElideMode elideMode = Qt::ElideMiddle;

// 文字列を省略
QString elidedStr = fm.elidedText(str, elideMode, 100);

qDebug() << "Original string: " << str;
qDebug() << "Elided string: " << elidedStr;

QFontMetrics::inFontUcs4() 関数を使用してカスタムフォントレンダリングを行う

// QFontMetrics::inFontUcs4() 関数を使用してカスタムフォントレンダリングを行う例
QFont font("Arial", 12);
QFontMetrics fm(font);

// QPainter を使用して文字を描画
QPainter painter(this);

// 文字列を描画する前に、フォントメトリクスを使用して文字の幅を取得
QString str = "This is a test string.";
int width = fm.width(str);

// 文字列を描画
painter.drawText(0, 0, str);

// 各文字の幅を個別に取得し、それに応じて文字を描画
for (int i = 0; i < str.length(); i++) {
  uint32_t ucs4 = str.at(i).unicode();
  int charWidth = fm.width(ucs4);

  // 各文字を描画
  painter.drawText(width, 0, str.at(i));

  // 次の文字を描画するための位置を更新
  width += charWidth;
}

これらのサンプルコードは、QFontMetrics::inFontUcs4() 関数の使用方法を理解するための出発点となります。ご自身のニーズに合わせてコードを自由に変更してください。



QFontMetrics::inFontUcs4() 以外の方法

QFont::supportedCharacters() 関数は、フォントに含まれる全ての文字のリストを取得します。このリストを使用して、特定の文字が含まれているかどうかを確認できます。

// QFont::supportedCharacters() 関数を使用する例
QFont font("Arial", 12);

// フォントに含まれる文字のリストを取得
QSet<QChar> supportedCharacters = font.supportedCharacters();

// '€' (ユーロ記号) が含まれているかどうかを確認
bool containsEuroSymbol = supportedCharacters.contains('€');

if (containsEuroSymbol) {
  // '€' はフォントに含まれている
  qDebug() << "The font contains the Euro symbol.";
} else {
  // '€' はフォントに含まれていない
  qDebug() << "The font does not contain the Euro symbol.";
}

QChar::isUpper() や QChar::isLower() などの関数は、特定の文字が特定の文字種であるかどうかを確認するために使用できます。

// QChar::isUpper() や QChar::isLower() などの関数を使用する例
QChar c = '€';

if (c.isUpper()) {
  // '€' は大文字である
  qDebug() << "The character is an uppercase letter.";
} else if (c.isLower()) {
  // '€' は小文字である
  qDebug() << "The character is a lowercase letter.";
} else {
  // '€' は大文字でも小文字でもない
  qDebug() << "The character is neither an uppercase nor a lowercase letter.";
}

QTextLayout::glyphIndexesForText() 関数は、指定された文字列の各文字に対応するグリフインデックスのリストを取得します。このリストを使用して、特定の文字がフォントに含まれているかどうかを確認できます。

// QTextLayout::glyphIndexesForText() 関数を使用する例
QTextLayout layout;
layout.setFont(QFont("Arial", 12));

// '€' (ユーロ記号) を含む文字列
QString str = "This is a test string with €.";

// 文字列の各文字に対応するグリフインデックスを取得
QVector<int> glyphIndexes = layout.glyphIndexesForText(str);

// '€' のグリフインデックスを取得
int euroSymbolGlyphIndex = glyphIndexes.at(str.indexOf('€'));

// '€' のグリフインデックスが -1 ではない場合は、フォントに含まれている
if (euroSymbolGlyphIndex != -1) {
  // '€' はフォントに含まれている
  qDebug() << "The font contains the Euro symbol.";
} else {
  // '€' はフォントに含まれていない
  qDebug() << "The font does not contain the Euro symbol.";
}

これらの方法は、QFontMetrics::inFontUcs4() 関数よりも効率的な場合がありますが、より複雑な場合もあります。ご自身のニーズに合わせて最適な方法を選択してください。




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