Qt GUIでOpenGLを使う: QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()によるバッファオブジェクトデータの効率的な更新

2024-04-02

QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()は、Qt GUIでOpenGLを利用する際に、バッファオブジェクトの範囲をメモリにマッピングするための関数です。この関数は、OpenGLのglMapBufferRange()関数をラップしており、より使いやすく、安全な方法でバッファオブジェクトを操作することができます。

QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()の詳細

機能

  • バッファオブジェクトの範囲をメモリにマッピングする
  • マッピングされたメモリへの読み書きを行う
  • マッピングを解除する

引数

  • target: バッファオブジェクトの種類
  • offset: マッピングするバッファオフセット
  • length: マッピングするバッファの長さ
  • access: マッピングアクセス権
  • ptr: マッピングされたメモリへのポインタ

戻り値

成功した場合: マッピングされたメモリへのポインタ

失敗した場合: nullptr

// バッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer buffer;
buffer.create();

// バッファオブジェクトをメモリにマッピング
void *ptr = QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange(
    GL_ARRAY_BUFFER,
    0,
    buffer.size(),
    GL_READ_WRITE
);

// マッピングされたメモリへの読み書きを行う
// ...

// マッピングを解除
QOpenGLExtraFunctions::glUnmapBuffer(GL_ARRAY_BUFFER);

注意事項

  • マッピングされたメモリは、glUnmapBuffer()が呼び出されるまで有効です。
  • マッピングされたメモリへのアクセスは、access引数で指定されたアクセス権に従う必要があります。
  • マッピングされたメモリは、複数のスレッドから同時にアクセスすることはできません。

Qt GUIとQOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()の関連性

Qt GUIは、OpenGLとの統合機能を提供しており、QOpenGLWidgetクラスなどのOpenGLウィジェットを用いて、OpenGLアプリケーションを開発することができます。QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()は、Qt GUIでOpenGLを利用する際に、バッファオブジェクトデータを効率的に処理するための重要な関数の一つです。



Qt GUIとQOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()のサンプルコード

頂点バッファオブジェクトの更新

// 頂点データ
static const float vertices[] = {
    // ...
};

// 頂点バッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer vertexBuffer;
vertexBuffer.create();

// 頂点バッファオブジェクトをメモリにマッピング
void *ptr = QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange(
    GL_ARRAY_BUFFER,
    0,
    sizeof(vertices),
    GL_READ_WRITE
);

// マッピングされたメモリに頂点データをコピー
memcpy(ptr, vertices, sizeof(vertices));

// マッピングを解除
QOpenGLExtraFunctions::glUnmapBuffer(GL_ARRAY_BUFFER);

// ...

// 頂点バッファオブジェクトをバインド
vertexBuffer.bind();

// 頂点データをレンダリング
// ...

テクスチャバッファオブジェクトの更新

// テクスチャデータ
static const unsigned char textureData[] = {
    // ...
};

// テクスチャバッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer textureBuffer;
textureBuffer.create();

// テクスチャバッファオブジェクトをメモリにマッピング
void *ptr = QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange(
    GL_TEXTURE_BUFFER,
    0,
    sizeof(textureData),
    GL_READ_WRITE
);

// マッピングされたメモリにテクスチャデータをコピー
memcpy(ptr, textureData, sizeof(textureData));

// マッピングを解除
QOpenGLExtraFunctions::glUnmapBuffer(GL_TEXTURE_BUFFER);

// ...

// テクスチャバッファオブジェクトをバインド
textureBuffer.bind();

// テクスチャデータをレンダリング
// ...

ユニフォームバッファオブジェクトの更新

// ユニフォームデータ
struct Uniforms {
    float mvpMatrix[16];
    float lightColor[3];
};

// ユニフォームバッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer uniformBuffer;
uniformBuffer.create();

// ユニフォームバッファオブジェクトをメモリにマッピング
void *ptr = QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange(
    GL_UNIFORM_BUFFER,
    0,
    sizeof(Uniforms),
    GL_READ_WRITE
);

// マッピングされたメモリにユニフォームデータを更新
Uniforms *uniforms = reinterpret_cast<Uniforms*>(ptr);
// ...

// マッピングを解除
QOpenGLExtraFunctions::glUnmapBuffer(GL_UNIFORM_BUFFER);

// ...

// ユニフォームバッファオブジェクトをバインド
uniformBuffer.bind();

// ユニフォームデータをシェーダーに送る
// ...

補足

  • QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()は、バッファオブジェクトデータを効率的に処理するための強力なツールです。
  • マッピングされたメモリへのアクセスは、スレッドセーフではありません。
  • 詳細については、Qt GUI OpenGL チュートリアルとOpenGL glMapBufferRange()リファレンスを参照してください。


Qt GUIでバッファオブジェクトデータを更新する他の方法

QOpenGLBuffer::updateData()

// 頂点データ
static const float vertices[] = {
    // ...
};

// 頂点バッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer vertexBuffer;
vertexBuffer.create();

// 頂点データをバッファオブジェクトに更新
vertexBuffer.updateData(0, vertices, sizeof(vertices));

// ...

// 頂点バッファオブジェクトをバインド
vertexBuffer.bind();

// 頂点データをレンダリング
// ...

QOpenGLBuffer::write()

// 頂点データ
static const float vertices[] = {
    // ...
};

// 頂点バッファオブジェクトを作成
QOpenGLBuffer vertexBuffer;
vertexBuffer.create();

// 頂点データをバッファオブジェクトに書き込む
vertexBuffer.write(0, vertices, sizeof(vertices));

// ...

// 頂点バッファオブジェクトをバインド
vertexBuffer.bind();

// 頂点データをレンダリング
// ...

glBufferData()

// 頂点データ
static const float vertices[] = {
    // ...
};

// 頂点バッファオブジェクトをバインド
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, vertexBuffer);

// 頂点データをバッファオブジェクトに更新
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof(vertices), vertices, GL_STATIC_DRAW);

// ...

// 頂点データをレンダリング
// ...

方法の比較

方法メリットデメリット
QOpenGLExtraFunctions::glMapBufferRange()効率的なデータ転送スレッドセーフではない
QOpenGLBuffer::updateData()使いやすいデータ転送が遅くなる場合がある
QOpenGLBuffer::write()データ転送が速い使いにくい
glBufferData()最も低レベルな方法複雑なコード

どの方法を選択するかは、パフォーマンス、使いやすさ、スレッド安全性などの要件によって異なります。

補足

  • 上記の方法以外にも、Qt GUIでバッファオブジェクトデータを更新する方法はいくつかあります。



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