画像の色空間変換をマスターしよう!Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() の詳細解説
Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() の詳細解説
QImage::applyColorTransform()
は、Qt GUI フレームワークで画像の色空間変換を行うための重要な関数です。この関数は、ピクセルレベルで画像の色を変換し、さまざまな効果や視覚化を実現することができます。
機能
QImage::applyColorTransform()
は、以下の機能を提供します。
- カラーモデル変換:RGB、HSV、YCbCrなど、さまざまなカラーモデル間の変換
- ガンマ補正:画像の明るさやコントラストを調整
- ルックアップテーブルによる変換:画像の色調をカスタマイズ
- カラーフィルター:特定の色域を強調または除去
使い方が分かるように、具体的な例をいくつか挙げて説明します。
例1:画像のグレースケール変換
QImage image("image.png");
// グレースケール変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
例2:画像の明るさ調整
QImage image("image.png");
// 明るさ調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, brightness,
0, 1, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
例3:画像の彩度調整
QImage image("image.png");
// 彩度調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, 0,
0, 1, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, saturation, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
QImage::applyColorTransform()
関数の詳細については、Qt 公式ドキュメントの QImage::applyColorTransform(): [無効な URL を削除しました] を参照してください。
補足
QImage::applyColorTransform()
関数は、画像のコピーを作成して変換処理を行うため、元の画像データは変更されません。- カラー変換処理は、CPU 処理負荷が高くなる場合があります。パフォーマンスが気になる場合は、
Qt::FastColorMatrix
フラグを使用して高速化処理を行うことができます。
Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() のサンプルコード集
QImage image("image.png");
// グレースケール変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
画像の明るさ調整
QImage image("image.png");
// 明るさ調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, brightness,
0, 1, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
画像の彩度調整
QImage image("image.png");
// 彩度調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, 0,
0, 1, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, saturation, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
画像の色反転
QImage image("image.png");
// 色反転用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
-1, 0, 0, 0, 255,
0, -1, 0, 0, 255,
0, 0, -1, 0, 255,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
画像のセピア変換
QImage image("image.png");
// セピア変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
0.393, 0.769, 0.189, 0, 0,
0.349, 0.686, 0.168, 0, 0,
0.272, 0.534, 0.131, 0, 0,
0, 0, 0, 1, 0
);
image.applyColorTransform(colorMatrix);
// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));
画像の特定の色域強調
QImage image("image.png");
// 特定の色域強調用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, 0,
0, 1, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, 1.5, -0.5
);
// 赤色強調の場合
colorMatrix.setMatrix(
1, 0, 0, 0, 0,
0, 0.7, 0, 0, 0,
0, 0, 1, 0, 0,
0, 0, 0, 1,
QImage::applyColorTransform() 以外の画像の色空間変換方法
QColor::toHsv()/QColor::fromHsv()` を使用した HSV 変換
- 利点:
- シンプルで使いやすい
- 色相、彩度、明度を個別に調整できる
- 欠点:
- 他のカラーモデルへの変換には不向き
- 数学的な計算が必要
QColor::toRgb()/QColor::fromRgb()` を使用した RGB 変換
- 利点:
- RGB カラーモデルは最も一般的なカラーモデル
- 他のカラーモデルへの変換が容易
- 欠点:
QImage::setPixel()/QImage::pixel()` を使用したピクセル単位での変換
- 利点:
- 高度なカスタマイズが可能
- 複雑な画像処理に適している
- 欠点:
- 処理速度が遅い
- 複雑なコードが必要
Qt 提供のカラー変換クラス (例: QImageConverter) の使用
- 利点:
- 使いやすい
- さまざまなカラーモデルに対応
- 欠点:
- 細かい制御が難しい
第三者ライブラリの使用
- 利点:
- 欠点:
- Qt との互換性確認が必要
- ライブラリの学習コストが発生
最適な方法の選択
上記の方法の中で、最適な方法は、目的や要件によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。
- 変換したいカラーモデル
- 求める処理速度
- 必要なカスタマイズレベル
- 開発者のスキルレベル
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