画像の色空間変換をマスターしよう!Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() の詳細解説

2024-04-02

Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() の詳細解説

QImage::applyColorTransform() は、Qt GUI フレームワークで画像の色空間変換を行うための重要な関数です。この関数は、ピクセルレベルで画像の色を変換し、さまざまな効果や視覚化を実現することができます。

機能

QImage::applyColorTransform() は、以下の機能を提供します。

  • カラーモデル変換:RGB、HSV、YCbCrなど、さまざまなカラーモデル間の変換
  • ガンマ補正:画像の明るさやコントラストを調整
  • ルックアップテーブルによる変換:画像の色調をカスタマイズ
  • カラーフィルター:特定の色域を強調または除去

使い方が分かるように、具体的な例をいくつか挙げて説明します。

例1:画像のグレースケール変換

QImage image("image.png");

// グレースケール変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0,      0,      0,      1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

例2:画像の明るさ調整

QImage image("image.png");

// 明るさ調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, brightness,
    0, 1, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, 1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

例3:画像の彩度調整

QImage image("image.png");

// 彩度調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, 0,
    0, 1, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, saturation, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

QImage::applyColorTransform() 関数の詳細については、Qt 公式ドキュメントの QImage::applyColorTransform(): [無効な URL を削除しました] を参照してください。

補足

  • QImage::applyColorTransform() 関数は、画像のコピーを作成して変換処理を行うため、元の画像データは変更されません。
  • カラー変換処理は、CPU 処理負荷が高くなる場合があります。パフォーマンスが気になる場合は、Qt::FastColorMatrix フラグを使用して高速化処理を行うことができます。


Qt GUIにおける QImage::applyColorTransform() のサンプルコード集

QImage image("image.png");

// グレースケール変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0.2989, 0.5870, 0.1140, 0, 0,
    0,      0,      0,      1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

画像の明るさ調整

QImage image("image.png");

// 明るさ調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, brightness,
    0, 1, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, 1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

画像の彩度調整

QImage image("image.png");

// 彩度調整用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, 0,
    0, 1, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, saturation, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

画像の色反転

QImage image("image.png");

// 色反転用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    -1, 0, 0, 0, 255,
    0, -1, 0, 0, 255,
    0, 0, -1, 0, 255,
    0, 0, 0, 1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

画像のセピア変換

QImage image("image.png");

// セピア変換用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    0.393, 0.769, 0.189, 0, 0,
    0.349, 0.686, 0.168, 0, 0,
    0.272, 0.534, 0.131, 0, 0,
    0,      0,      0,      1, 0
);

image.applyColorTransform(colorMatrix);

// 変換後の画像を表示
ui->label->setPixmap(QPixmap::fromImage(image));

画像の特定の色域強調

QImage image("image.png");

// 特定の色域強調用のカラー変換行列
QMatrix colorMatrix;
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, 0,
    0, 1, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, 1.5, -0.5
);

// 赤色強調の場合
colorMatrix.setMatrix(
    1, 0, 0, 0, 0,
    0, 0.7, 0, 0, 0,
    0, 0, 1, 0, 0,
    0, 0, 0, 1,


QImage::applyColorTransform() 以外の画像の色空間変換方法

QColor::toHsv()/QColor::fromHsv()` を使用した HSV 変換

  • 利点:
    • シンプルで使いやすい
    • 色相、彩度、明度を個別に調整できる
  • 欠点:
    • 他のカラーモデルへの変換には不向き
    • 数学的な計算が必要

QColor::toRgb()/QColor::fromRgb()` を使用した RGB 変換

  • 利点:
    • RGB カラーモデルは最も一般的なカラーモデル
    • 他のカラーモデルへの変換が容易
  • 欠点:

QImage::setPixel()/QImage::pixel()` を使用したピクセル単位での変換

  • 利点:
    • 高度なカスタマイズが可能
    • 複雑な画像処理に適している
  • 欠点:
    • 処理速度が遅い
    • 複雑なコードが必要

Qt 提供のカラー変換クラス (例: QImageConverter) の使用

  • 利点:
    • 使いやすい
    • さまざまなカラーモデルに対応
  • 欠点:
    • 細かい制御が難しい

第三者ライブラリの使用

  • 利点:
  • 欠点:
    • Qt との互換性確認が必要
    • ライブラリの学習コストが発生

最適な方法の選択

上記の方法の中で、最適な方法は、目的や要件によって異なります。以下の点を考慮して選択してください。

  • 変換したいカラーモデル
  • 求める処理速度
  • 必要なカスタマイズレベル
  • 開発者のスキルレベル



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