Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem::setEnabled() 関数とは?
Qt Widgets の QGraphicsItem::setEnabled() 関数解説
QGraphicsItem::setEnabled()
関数は、Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem
クラスに属する関数で、グラフィックスアイテムの有効・無効状態を設定するために使用します。
機能
- アイテムの有効・無効状態を設定します。
- 有効なアイテムは、マウスイベントやキーボードイベントを受け取り、描画されます。
- 無効なアイテムは、イベントを受け取らず、描画されません。
プロトタイプ
virtual void setEnabled(bool enabled)
引数
enabled
: アイテムの有効・無効状態を指定する bool 型の値。true
: アイテムを有効にします。false
: アイテムを無効にします。
戻り値
なし
使用例
// アイテムを有効にする
myItem->setEnabled(true);
// アイテムを無効にする
myItem->setEnabled(false);
注意事項
- 無効なアイテムの子アイテムもすべて無効になります。
- アイテムの有効・無効状態は、
QGraphicsItem::isEnabled()
関数で取得できます。
補足
QGraphicsItem::setEnabled()
関数は、Qt Widgets モジュールのみに存在します。- Qt Quick では、
Item::enabled
プロパティを使用して、アイテムの有効・無効状態を設定できます。
関連関数
QGraphicsItem::isEnabled()
QGraphicsItem::setEnabledRecursive()
応用例
- アイテムの選択状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする。
この解説が、Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem::setEnabled() 関数の理解に役立つことを願っています。
QGraphicsItem::setEnabled() 関数のサンプルコード
アイテムの選択状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする
class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
MyItem() {
// アイテムを無効にする
setEnabled(false);
}
protected:
void mousePressEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event) override {
// アイテムが選択されたら、有効にする
if (event->button() == Qt::LeftButton) {
setEnabled(true);
}
}
};
アイテムの編集状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする
class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
MyItem() {
// アイテムを有効にする
setEnabled(true);
}
protected:
void itemChange(GraphicsItemChange change, const QVariant &value) override {
// アイテムが編集開始されたら、無効にする
if (change == ItemIsSelected && value.toBool()) {
setEnabled(false);
}
// アイテムの編集が終了したら、有効にする
if (change == ItemIsSelected && !value.toBool()) {
setEnabled(true);
}
}
};
アイテムの表示状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする
class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
MyItem() {
// アイテムを有効にする
setEnabled(true);
}
protected:
voidsetVisible(bool visible) override {
// アイテムが表示されたら、有効にする
if (visible) {
setEnabled(true);
}
// アイテムが非表示になったら、無効にする
else {
setEnabled(false);
}
}
};
QGraphicsItem の有効・無効状態を設定する他の方法
QGraphicsItem::setVisible()
関数は、アイテムの表示状態を設定します。アイテムが表示されていない場合、イベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムを非表示にすることで、間接的に無効化することができます。
// アイテムを有効にする
myItem->setVisible(true);
// アイテムを無効にする
myItem->setVisible(false);
QGraphicsItem::setOpacity()
関数は、アイテムの透明度を設定します。透明度の値が 0 の場合、アイテムは完全に透明になり、イベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムを透明にすることで、間接的に無効化することができます。
// アイテムを有効にする
myItem->setOpacity(1.0);
// アイテムを無効にする
myItem->setOpacity(0.0);
アイテムをシーンから削除すると、アイテムはイベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムをシーンから削除することで、無効化することができます。
// アイテムを有効にする
scene->addItem(myItem);
// アイテムを無効にする
scene->removeItem(myItem);
どの方法を使用するべきかは、アプリケーションのニーズによって異なります。
- アイテムを完全に無効化したい場合は、
QGraphicsItem::setEnabled()
関数を使用するのが最善の方法です。 - アイテムを一時的に無効化したい場合は、
QGraphicsItem::setVisible()
関数またはQGraphicsItem::setOpacity()
関数を使用するのが良いでしょう。 - アイテムを削除しても問題ない場合は、アイテムをシーンから削除するのが最も簡単な方法です。
QGraphicsItem::setEnabled()
関数以外にも、QGraphicsItem の有効・無効状態を設定する方法はいくつかあります。これらの方法を参考に、アプリケーションのニーズに合わせて、アイテムの有効・無効状態を設定してください。
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