Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem::setEnabled() 関数とは?

2024-04-06

Qt Widgets の QGraphicsItem::setEnabled() 関数解説

QGraphicsItem::setEnabled() 関数は、Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem クラスに属する関数で、グラフィックスアイテムの有効・無効状態を設定するために使用します。

機能

  • アイテムの有効・無効状態を設定します。
  • 有効なアイテムは、マウスイベントやキーボードイベントを受け取り、描画されます。
  • 無効なアイテムは、イベントを受け取らず、描画されません。

プロトタイプ

virtual void setEnabled(bool enabled)

引数

  • enabled: アイテムの有効・無効状態を指定する bool 型の値。
    • true: アイテムを有効にします。
    • false: アイテムを無効にします。

戻り値

なし

使用例

// アイテムを有効にする
myItem->setEnabled(true);

// アイテムを無効にする
myItem->setEnabled(false);

注意事項

  • 無効なアイテムの子アイテムもすべて無効になります。
  • アイテムの有効・無効状態は、QGraphicsItem::isEnabled() 関数で取得できます。

補足

  • QGraphicsItem::setEnabled() 関数は、Qt Widgets モジュールのみに存在します。
  • Qt Quick では、Item::enabled プロパティを使用して、アイテムの有効・無効状態を設定できます。

関連関数

  • QGraphicsItem::isEnabled()
  • QGraphicsItem::setEnabledRecursive()

応用例

  • アイテムの選択状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする。

この解説が、Qt Widgets モジュールの QGraphicsItem::setEnabled() 関数の理解に役立つことを願っています。



QGraphicsItem::setEnabled() 関数のサンプルコード

アイテムの選択状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする

class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
  MyItem() {
    // アイテムを無効にする
    setEnabled(false);
  }

protected:
  void mousePressEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event) override {
    // アイテムが選択されたら、有効にする
    if (event->button() == Qt::LeftButton) {
      setEnabled(true);
    }
  }
};

アイテムの編集状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする

class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
  MyItem() {
    // アイテムを有効にする
    setEnabled(true);
  }

protected:
  void itemChange(GraphicsItemChange change, const QVariant &value) override {
    // アイテムが編集開始されたら、無効にする
    if (change == ItemIsSelected && value.toBool()) {
      setEnabled(false);
    }

    // アイテムの編集が終了したら、有効にする
    if (change == ItemIsSelected && !value.toBool()) {
      setEnabled(true);
    }
  }
};

アイテムの表示状態に基づいて、アイテムを有効・無効にする

class MyItem : public QGraphicsItem {
public:
  MyItem() {
    // アイテムを有効にする
    setEnabled(true);
  }

protected:
  voidsetVisible(bool visible) override {
    // アイテムが表示されたら、有効にする
    if (visible) {
      setEnabled(true);
    }

    // アイテムが非表示になったら、無効にする
    else {
      setEnabled(false);
    }
  }
};


QGraphicsItem の有効・無効状態を設定する他の方法

QGraphicsItem::setVisible() 関数は、アイテムの表示状態を設定します。アイテムが表示されていない場合、イベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムを非表示にすることで、間接的に無効化することができます。

// アイテムを有効にする
myItem->setVisible(true);

// アイテムを無効にする
myItem->setVisible(false);

QGraphicsItem::setOpacity() 関数は、アイテムの透明度を設定します。透明度の値が 0 の場合、アイテムは完全に透明になり、イベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムを透明にすることで、間接的に無効化することができます。

// アイテムを有効にする
myItem->setOpacity(1.0);

// アイテムを無効にする
myItem->setOpacity(0.0);

アイテムをシーンから削除すると、アイテムはイベントを受け取らず、描画されません。つまり、アイテムをシーンから削除することで、無効化することができます。

// アイテムを有効にする
scene->addItem(myItem);

// アイテムを無効にする
scene->removeItem(myItem);

どの方法を使用するべきかは、アプリケーションのニーズによって異なります。

  • アイテムを完全に無効化したい場合は、QGraphicsItem::setEnabled() 関数を使用するのが最善の方法です。
  • アイテムを一時的に無効化したい場合は、QGraphicsItem::setVisible() 関数または QGraphicsItem::setOpacity() 関数を使用するのが良いでしょう。
  • アイテムを削除しても問題ない場合は、アイテムをシーンから削除するのが最も簡単な方法です。

QGraphicsItem::setEnabled() 関数以外にも、QGraphicsItem の有効・無効状態を設定する方法はいくつかあります。これらの方法を参考に、アプリケーションのニーズに合わせて、アイテムの有効・無効状態を設定してください。




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