Qt Widgetsチュートリアル:QGraphicsScale::xScaleを使ってアイテムをX方向に拡大・縮小

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQGraphicsScale::xScaleプログラミング解説

用途

  • グラフィックスアイテムの横幅を拡大・縮小したい場合
  • アイテム間の水平方向の間隔を調整したい場合
  • 特定の領域にフィットするようにアイテムを拡大・縮小したい場合

コード例

#include <QtWidgets>
#include <QtGraphics>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // シーンとビューを作成
  QGraphicsScene scene;
  QGraphicsView view(&scene);
  view.show();

  // 四角形アイテムを作成
  QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 50);
  scene.addItem(item);

  // X方向のスケールを2倍に設定
  item->setScale(2.0, 1.0);

  // アイテムの表示を更新
  scene.update();

  return app.exec();
}

このコードでは、四角形アイテムをX方向に2倍に拡大しています。

QGraphicsScale::xScale 関数は、以下の引数を受け取ります。

  • scale : 設定したいスケール係数

QGraphicsScale::xScale 関数は、以下の値を返します。

  • 現在のX方向のスケール係数

補足

  • QGraphicsScale クラスには、yScale 関数も存在します。この関数は、Y方向のスケール係数を取得・設定するために使用されます。
  • QGraphicsItem::scale 関数を使用して、X方向とY方向のスケールを同時に設定することもできます。
  • QGraphicsView::fitInView 関数を使用して、アイテムをビュー内に収まるように自動的に拡大・縮小することもできます。

QGraphicsScale::xScale 関数は、Qt Widgetsフレームワークでグラフィックスアイテムの水平方向の拡大・縮小を制御する際に役立ちます。この関数の使い方を理解することで、より複雑なグラフィックスアプリケーションを開発することができます。



QGraphicsScale::xScaleを使用したサンプルコード

アイテムをX方向に2倍に拡大する

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();
item->setScale(2.0, 1.0);

アイテムをX方向に3倍に拡大し、Y方向に2倍に拡大する

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();
item->setScale(3.0, 2.0);

アイテムをX方向に-1倍に拡大し、反転する

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();
item->setScale(-1.0, 1.0);

マウスホイールを使ってアイテムをX方向に拡大・縮小する

void MyGraphicsView::wheelEvent(QWheelEvent *event) {
  if (event->modifiers() & Qt::ControlModifier) {
    // マウスホイールの回転量に応じてX方向のスケールを調整
    qreal scaleFactor = 1.0 + event->delta() / 240.0;
    item->setScale(item->xScale() * scaleFactor, 1.0);
  } else {
    // デフォルトの処理を実行
    QGraphicsView::wheelEvent(event);
  }
}

アイテムをX方向にアニメーションで拡大・縮小する

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

// アニメーションを作成
QPropertyAnimation *animation = new QPropertyAnimation(item, "xScale");
animation->setDuration(1000);
animation->setStartValue(1.0);
animation->setEndValue(2.0);

// アニメーションを開始
animation->start();

アイテムをX方向にドラッグして拡大・縮小する

void MyGraphicsItem::mouseMoveEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event) {
  if (event->buttons() & Qt::LeftButton) {
    // マウスの移動量に応じてX方向のスケールを調整
    qreal scaleFactor = 1.0 + event->pos().x() / 100.0;
    setScale(scaleFactor, 1.0);
  } else {
    // デフォルトの処理を実行
    QGraphicsItem::mouseMoveEvent(event);
  }
}


QGraphicsScale::xScale 以外の方法

QGraphicsItem::transform() 関数

QGraphicsItem::transform 関数は、アイテムの変換行列を設定するために使用できます。変換行列を使用して、アイテムを回転、拡大、縮小、移動することができます。

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

// X方向に2倍に拡大する変換行列を作成
QTransform transform;
transform.scale(2.0, 1.0);

// アイテムの変換行列を設定
item->setTransform(transform);

QGraphicsItem::scale() 関数

QGraphicsItem::scale 関数は、アイテムのX方向とY方向のスケールを同時に設定するために使用できます。

QGraphicsItem *item = new QGraphicsItem();

// X方向とY方向を2倍に拡大
item->scale(2.0, 2.0);

QGraphicsView::fitInView() 関数

QGraphicsView::fitInView 関数は、アイテムをビュー内に収まるように自動的に拡大・縮小するために使用できます。

QGraphicsView view;
view.fitInView(item, Qt::KeepAspectRatio);

カスタムウィジェット

独自のウィジェットを作成して、アイテムの水平方向の拡大・縮小を制御することもできます。

class MyWidget : public QWidget {
  Q_OBJECT

public:
  MyWidget() {
    // ...
  }

protected:
  void paintEvent(QPaintEvent *event) override {
    // ...

    // アイテムをX方向に2倍に拡大
    QTransform transform;
    transform.scale(2.0, 1.0);

    // アイテムを描画
    painter->setTransform(transform);
    painter->drawItem(item);
  }

private:
  QGraphicsItem *item;
};

これらの方法はそれぞれ、異なる利点と欠点があります。どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。

QGraphicsScale::xScale 関数は、Qt Widgetsフレームワークでグラフィックスアイテムの水平方向の拡大・縮小を制御する最も簡単な方法です。しかし、より複雑な要件の場合は、他の方法を使用する必要がある場合があります。




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