Qt Widgets でユーザーから整数値を取得する: QInputDialog::getInt() 関数徹底解説

Qt Widgets の QInputDialog::getInt() 関数

この関数の使い方は以下の通りです。

int QInputDialog::getInt(
    QWidget *parent,
    const QString &title,
    const QString &label,
    int value = 0,
    int min = -2147483647,
    int max = 2147483647,
    int step = 1,
    bool *ok = 0,
    Qt::WindowFlags flags = 0
)

引数

• parent: 親ウィジェット。通常は、この関数を呼び出すウィジェットを指定します。
• title: ダイアログのタイトル。
• label: ユーザーに表示するラベル。
• value: 初期値としてスピンボックスに設定される値。
• min: 入力可能な最小値。
• max: 入力可能な最大値。
• step: スピンボックスの値が変化するステップ数。
• ok: ユーザーが OK ボタンをクリックしたかどうかを示すブール値ポインタ。
• flags: ウィジェットのフラグ。

戻り値

• ユーザーが入力した整数値。ユーザーがキャンセルボタンをクリックした場合は、value が返されます。

例

// ユーザーから年齢を入力させる例

QWidget *window = new QWidget;

int age = QInputDialog::getInt(
    window,
    "年齢入力",
    "あなたの年齢を入力してください:",
    20,
    1,
    120,
    1
);

if (age > 0) {
    // 入力された年齢を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

補足

• QInputDialog::getInt() 関数は、静的関数です。そのため、オブジェクトを作成せずに直接呼び出すことができます。
• QInputDialog クラスには、getText() や getItem() などの他の関数も用意されています。これらの関数は、それぞれテキストやリスト項目を取得するためのダイアログを表示します。

Qt Widgets の QInputDialog::getInt() 関数を使ったサンプルコード

ユーザーから年齢と性別を入力させる

QWidget *window = new QWidget;

int age = QInputDialog::getInt(
    window,
    "年齢入力",
    "あなたの年齢を入力してください:",
    20,
    1,
    120,
    1
);

if (age > 0) {
    // 入力された年齢を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

QString gender = QInputDialog::getText(
    window,
    "性別入力",
    "あなたの性別を入力してください:",
    "男性"
);

if (!gender.isEmpty()) {
    // 入力された性別を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

ユーザーから好きな色を選ばせる

QWidget *window = new QWidget;

QStringList colors = {"赤", "青", "緑", "黄色", "紫"};

QString color = QInputDialog::getItem(
    window,
    "好きな色を選んでください",
    "好きな色を選んでください:",
    colors,
    0,
    false
);

if (!color.isEmpty()) {
    // 選ばれた色を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

ユーザーから数値範囲を入力させる

QWidget *window = new QWidget;

int min, max;

bool ok = QInputDialog::getInt(
    window,
    "数値範囲入力",
    "最小値と最大値を入力してください:",
    &min,
    -100,
    100,
    1
);

if (ok) {
    // 入力された数値範囲を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

詳細な設定

QWidget *window = new QWidget;

QInputDialog dialog(window);
dialog.setWindowTitle("詳細設定");
dialog.setLabelText("設定項目を選択してください:");
dialog.setComboBoxEditable(true);

QLineEdit *lineEdit = dialog.getLineEdit();
lineEdit->setPlaceholderText("ここに値を入力");

QComboBox *comboBox = dialog.getComboBox();
comboBox->addItem("項目1");
comboBox->addItem("項目2");
comboBox->addItem("項目3");

int result = dialog.exec();

if (result == QDialog::Accepted) {
    // 設定内容を処理
} else {
    // ユーザーがキャンセルボタンをクリックした
}

Qt Widgets でユーザー入力を受け取る他の方法

以下にいくつかの例を示します。

• QLineEdit: 一行のテキスト入力を受け取るためのウィジェットです。
• QSpinBox: 数値入力を受け取るためのウィジェットです。
• QComboBox: リストから項目を選択するためのウィジェットです。
• QCheckBox: チェックボックスをオン/オフして値を入力するためのウィジェットです。
• QRadioButton: ラジオボタンを選択して値を入力するためのウィジェットです。

これらのウィジェットを組み合わせて、より複雑なユーザー入力を受け付けることができます。

例:

QWidget *window = new QWidget;

QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout;
layout->addWidget(new QLabel("名前:"));
layout->addWidget(new QLineEdit);
layout->addWidget(new QLabel("年齢:"));
layout->addWidget(new QSpinBox);
layout->addWidget(new QCheckBox("男性"));
layout->addWidget(new QRadioButton("女性"));

QPushButton *button = new QPushButton("OK");
layout->addWidget(button);

window->setLayout(layout);

QObject::connect(
    button,
    &QPushButton::clicked,
    [window]() {
        // ユーザー入力を受け取る処理
    }
);

window->show();

上記のコードは、ユーザーの名前、年齢、性別を入力するためのウィジェットを作成します。ユーザーが OK ボタンをクリックすると、QObject::connect() で設定されたスロットが呼び出され、ユーザー入力を受け取る処理を実行できます。

その他の方法

• QInputDialog::getText() や QInputDialog::getItem() などの関数を使う
• QDialog をサブクラス化して独自のダイアログを作成する
• Qt Designer を使ってユーザーインターフェースをデザインする