Qt GUIにおけるQInputMethodQueryEvent::setValue()とは？

Qt GUIにおけるQInputMethodQueryEvent::setValue()の解説

QInputMethodQueryEvent::setValue()は、Qt GUIフレームワークにおいて、入力メソッドとの通信に用いられるイベントクラスQInputMethodQueryEventのメンバー関数です。この関数は、入力メソッドに対して、ウィジェットの状態やユーザー入力に関する情報を提供するために使用されます。

詳細

QInputMethodQueryEvent::setValue()は以下の引数を受け取ります。

• query: 入力メソッドからの質問を表すQt::InputMethodQuery型の列挙値
• value: 質問に対する回答を表すQVariant型のオブジェクト

queryパラメータには、以下の質問が指定可能です。

• Qt::ImQueryInput: ウィジェットに入力されたテキストを取得します。
• Qt::ImQueryCursorPosition: テキストカーソル位置を取得します。
• Qt::ImQuerySurroundingText: テキストカーソル周辺のテキストを取得します。
• Qt::ImQueryKeySequence: 押されたキーシーケンスを取得します。
• Qt::ImQueryFocusIn: ウィジェットがフォーカスを獲得したかどうかを取得します。

valueパラメータには、質問に対する回答を設定する必要があります。回答の内容は、queryパラメータで指定された質問によって異なります。

例

以下は、QInputMethodQueryEvent::setValue()を使用して、入力メソッドにウィジェットに入力されたテキストを提供する例です。

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryInput) {
        event->setValue(text());
    } else {
        event->ignore();
    }
}

この例では、event->query()がQt::ImQueryInputであるかどうかをチェックしています。もしQt::ImQueryInputであれば、event->setValue()を使用して、ウィジェットのテキスト内容をvalueパラメータに設定しています。

補足

• QInputMethodQueryEvent::setValue()は、入力メソッドとの通信にのみ使用されます。他の目的で使用することはできません。
• QInputMethodQueryEvent::setValue()は、イベントハンドラ内で呼び出す必要があります。

Qt GUIにおけるQInputMethodQueryEvent::setValue()のサンプルコード

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryInput) {
        QString text = event->value().toString();
        // ここに、入力されたテキストを処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

テキストカーソル位置を取得する

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryCursorPosition) {
        QPoint cursorPosition = event->value().toPoint();
        // ここに、テキストカーソル位置を処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

テキストカーソル周辺のテキストを取得する

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQuerySurroundingText) {
        QString surroundingText = event->value().toString();
        // ここに、テキストカーソル周辺のテキストを処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

押されたキーシーケンスを取得する

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryKeySequence) {
        QKeySequence keySequence = event->value().toKeySequence();
        // ここに、押されたキーシーケンスを処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

ウィジェットがフォーカスを獲得したかどうかを取得する

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryFocusIn) {
        bool hasFocus = event->value().toBool();
        // ここに、ウィジェットがフォーカスを獲得したかどうかを処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

ウィジェットがフォーカスを失ったかどうかを取得する

void MyWidget::inputMethodQueryEvent(QInputMethodQueryEvent *event)
{
    if (event->query() == Qt::ImQueryFocusOut) {
        bool hasFocus = event->value().toBool();
        // ここに、ウィジェットがフォーカスを失ったかどうかを処理するコードを記述します。
    } else {
        event->ignore();
    }
}

これらのサンプルコードは、QInputMethodQueryEvent::setValue()を使用して、入力メソッドと通信する方法を示しています。これらのコードを参考に、アプリケーションに合った処理を実装してください。

Qt GUIにおけるQInputMethodQueryEvent::setValue()の代替方法

QInputMethod::setInputContext()を使用して、ウィジェットに関連する入力コンテキストを設定することができます。入力コンテキストは、入力メソッドとウィジェット間の通信を管理するオブジェクトです。

QInputMethod inputMethod;
inputMethod.setInputContext(myWidget, new MyInputContext);

QInputContext::setValue()を使用して、入力コンテキストに値を設定することができます。この方法は、QInputMethodQueryEvent::setValue()よりも柔軟性がありますが、より複雑でもあります。

MyInputContext *inputContext = qobject_cast<MyInputContext *>(myWidget->inputContext());
if (inputContext) {
    inputContext->setValue(Qt::ImQueryInput, text);
}

QInputMethodEvent::accept()を使用して、入力メソッドからのイベントを受け入れることができます。この方法は、イベントを処理する最も簡単な方法ですが、QInputMethodQueryEvent::setValue()を使用して提供できる情報量は限られます。

void MyWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event)
{
    if (event->type() == QInputMethodEvent::Input) {
        event->accept();
    }
}

QInputMethodEvent::ignore()を使用して、入力メソッドからのイベントを無視することができます。

void MyWidget::inputMethodEvent(QInputMethodEvent *event)
{
    event->ignore();
}

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。アプリケーションの要件に応じて、最適な方法を選択する必要があります。