ベベル結合とマイター結合の違いを徹底解説!QPainterPathStroker::setJoinStyle()で角の形状を変更しよう
Qt GUIにおけるQPainterPathStroker::setMiterLimit()の詳細解説
マイター制限とは?
マイター制限は、マイター結合と呼ばれる角の結合方法で使用される制限値です。マイター結合は、2つの線の交点から鋭い角を生成する結合方法です。しかし、角が鋭すぎると、見た目が悪くなったり、ピクセル化が目立ったりする可能性があります。
マイター制限を設定することで、角が鋭くなりすぎないようにすることができます。マイター制限は、線の幅の単位で設定されます。例えば、マイター制限を10に設定すると、角の鋭さは線の幅の10倍までになります。
setMiterLimit()関数の詳細
QPainterPathStroker::setMiterLimit()
関数は、以下の引数を受け取ります。
miterLimit
: マイター制限の値
この関数は、void
型を返します。
使用例
// パスストローカーを作成
QPainterPathStroker stroker;
// マイター制限を設定
stroker.setMiterLimit(10.0);
// パスを描画
QPainter painter(this);
painter.setPen(stroker.createStroke(path));
painter.drawPath(path);
このコードは、path
というパスを、マイター制限10.0で描画します。
- マイター制限は、
QPainterPathStroker::miterLimit()
関数を使用して取得することもできます。 - マイター制限は、
Qt::MiterJoin
結合スタイルのみ使用されます。 - マイター制限の値を低くすると、角が鋭くなります。
QPainterPathStroker::setMiterLimit() 関数のサンプルコード
例1:さまざまなマイター制限による角の形状の違い
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィンドウを作成
QWidget window;
window.resize(600, 400);
// パスを作成
QPainterPath path;
path.moveTo(100, 100);
path.lineTo(200, 200);
path.lineTo(300, 100);
// ペインターを作成
QPainter painter(&window);
// さまざまなマイター制限を設定してパスを描画
for (int i = 1; i <= 10; ++i) {
QPainterPathStroker stroker;
stroker.setMiterLimit(i);
painter.setPen(stroker.createStroke(path));
painter.translate(50, 0);
painter.drawPath(path);
}
window.show();
return app.exec();
}
このコードは、マイター制限1から10までの角を描画します。マイター制限が大きくなるほど、角が丸くなります。
例2:マイター制限とベベル結合の比較
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィンドウを作成
QWidget window;
window.resize(600, 400);
// パスを作成
QPainterPath path;
path.moveTo(100, 100);
path.lineTo(200, 200);
path.lineTo(300, 100);
// ペインターを作成
QPainter painter(&window);
// マイター制限を設定してパスを描画
{
QPainterPathStroker stroker;
stroker.setMiterLimit(2.0);
painter.setPen(stroker.createStroke(path));
painter.drawPath(path);
}
// ベベル結合を設定してパスを描画
{
QPainterPathStroker stroker;
stroker.setJoinStyle(Qt::BevelJoin);
painter.translate(150, 0);
painter.setPen(stroker.createStroke(path));
painter.drawPath(path);
}
window.show();
return app.exec();
}
このコードは、マイター制限2.0で角を描画し、ベベル結合で角を描画します。ベベル結合は、マイター結合よりも角が丸くなります。
例3:マイター制限と角線の長さの関係
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィンドウを作成
QWidget window;
window.resize(600, 400);
// パスを作成
QPainterPath path;
path.moveTo(100, 100);
path.lineTo(200, 200);
path.lineTo(300, 100);
// ペインターを作成
QPainter painter(&window);
// さまざまな角線の長さでパスを描画
for (int i = 1; i <= 10; ++i) {
QPainterPathStroker stroker;
stroker.setMiterLimit(10.0);
stroker.setDashPattern({i * 10, i * 10});
painter.setPen(stroker.createStroke(path));
painter.translate(50, 0);
painter.drawPath(path);
}
window.show();
return app.exec();
}
このコードは、角線の長さ10から100までの
QPainterPathStroker::setMiterLimit() 関数の代替方法
QPainterPathStroker::setJoinStyle()
関数を使用して、角の結合スタイルを設定することができます。
Qt::MiterJoin
: マイター結合Qt::BevelJoin
: ベベル結合Qt::RoundJoin
: 丸結合
// ベベル結合を設定
stroker.setJoinStyle(Qt::BevelJoin);
// 丸結合を設定
stroker.setJoinStyle(Qt::RoundJoin);
QPainterPath::lineTo()
関数の2番目の引数に、角の形状を指定することができます。
Qt::SharpBevel
: 鋭いベベル結合Qt::RoundBevel
: 丸いベベル結合
// 鋭いベベル結合で角を描画
path.lineTo(200, 200, Qt::SharpBevel);
// 丸いベベル結合で角を描画
path.lineTo(300, 100, Qt::RoundBevel);
カスタムのパス描画関数
独自のパス描画関数を作成して、角の形状を自由に制御することができます。
void drawPath(QPainter &painter, const QPainterPath &path) {
// 独自の角の形状を描画するコード
painter.drawPath(path);
}
- シンプルな場合は、
QPainterPathStroker::setJoinStyle()
関数を使用するのが最も簡単です。 - より細かい制御が必要な場合は、
QPainterPath::lineTo()
関数の引数を使用するか、カスタムのパス描画関数を作成する必要があります。
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