Qt GUI で QQuaternion::slerp() 関数を使って球面線形補間を行う

2024-04-02

Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数解説

QQuaternion::slerp() 関数は、2つの四元数 q1q2 の間の球面線形補間(Slerp)を行い、その中間点となる四元数を生成します。これは、3D アニメーションやカメラ回転などの処理において、滑らかな動きを実現するために使用されます。

詳細

QQuaternion::slerp() 関数は以下の式に基づいて計算されます。

QQuaternion slerp(const QQuaternion &q1, const QQuaternion &q2, float t) {
  // 境界条件:t <= 0.0f の場合は q1 を、t >= 1.0f の場合は q2 を返す
  if (t <= 0.0f) return q1;
  if (t >= 1.0f) return q2;

  // q1 と q2 の間の角度を計算
  float dot = q1.x() * q2.x() + q1.y() * q2.y() + q1.z() * q2.z() + q1.w() * q2.w();

  // θ = acos(dot)
  float theta = acosf(dot);

  // 補間パラメータを計算
  float sinTheta = sinf(theta);
  float t1 = sinf((1.0f - t) * theta) / sinTheta;
  float t2 = sinf(t * theta) / sinTheta;

  // 球面線形補間を実行
  return QQuaternion(t1 * q1.x() + t2 * q2.x(),
                     t1 * q1.y() + t2 * q2.y(),
                     t1 * q1.z() + t2 * q2.z(),
                     t1 * q1.w() + t2 * q2.w());
}

パラメータ

  • q1: 補間の始点となる四元数
  • t: 補間パラメータ。0.0f から 1.0f までの範囲で指定し、0.0f は q1 を、1.0f は q2 を意味します。

戻り値

q1q2 の間の球面線形補間によって生成された四元数

コード例

// 2つの四元数 q1 と q2 を定義
QQuaternion q1(1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f);
QQuaternion q2(0.0f, 1.0f, 0.0f, 0.0f);

// 補間パラメータ t を設定
float t = 0.5f;

// slerp() 関数を使用して中間点となる四元数を生成
QQuaternion q = QQuaternion::slerp(q1, q2, t);

// 生成された四元数を出力
qDebug() << q.x() << q.y() << q.z() << q.w();

このコード例では、q1q2 の間の補間パラメータ t を 0.5f に設定することで、2つの四元数のちょうど中間点となる四元数を生成しています。

補足

  • QQuaternion::slerp() 関数は、四元数のノルムが 1 であることを保証しません。ノルムが 1 である必要がある場合は、normalized() 関数を使用して結果を正規化해야します。
  • QQuaternion::slerp() 関数は、四元数の回転軸を考慮しません。回転軸を考慮した球面線形補間を行う場合は、QSlerp() 関数を使用する必要があります。


Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数を使ったサンプルコード

3D オブジェクトの回転アニメーション

#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>
#include <Qt3DRender/qmesh.h>
#include <Qt3DRender/qmaterial.h>
#include <Qt3DRender/qtechnique.h>
#include <Qt3DRender/qeffect.h>
#include <Qt3DRender/qrenderpass.h>
#include <Qt3DInput/qmouseevent.h>

class MainWindow : public QMainWindow
{
  Q_OBJECT

public:
  MainWindow()
  {
    // シーンを作成
    m_scene = new Qt3DScene();

    // カメラを作成
    m_camera = new Qt3DCamera(m_scene);
    m_camera->setPosition(QVector3D(0, 0, 5));
    m_camera->setViewDirection(QVector3D(0, 0, -1));

    // オブジェクトを作成
    m_object = new Qt3DObject(m_scene);

    // メッシュを作成
    m_mesh = new Qt3DMesh(m_object);
    m_mesh->setSource(QUrl(":/model.obj"));

    // マテリアルを作成
    m_material = new Qt3DMaterial(m_object);
    m_material->setDiffuse(QColor(128, 128, 128));

    // テクニックを作成
    m_technique = new Qt3DTechnique(m_material);

    // エフェクトを作成
    m_effect = new Qt3DEffect(m_technique);
    m_effect->setVertexShaderCode(":/shader.vert");
    m_effect->setFragmentShaderCode(":/shader.frag");

    // レンダパスを作成
    m_renderPass = new Qt3DRenderPass(m_technique);
    m_renderPass->setClearColor(QColor(0, 0, 0));

    // シーンにオブジェクトを追加
    m_scene->addItem(m_camera);
    m_scene->addItem(m_object);

    // ウィジェットを作成
    m_widget = new Qt3DWidget(this);
    m_widget->setAcceptDrops(false);
    m_widget->setCamera(m_camera);
    m_widget->setScene(m_scene);

    // タイマーを設定
    m_timer = new QTimer(this);
    m_timer->setInterval(16);
    connect(m_timer, &QTimer::timeout, this, &MainWindow::update);

    // ウィジェットを表示
    m_widget->show();

    // タイマーを開始
    m_timer->start();
  }

  void update()
  {
    // 回転角度を計算
    float angle = m_timer->elapsed() * 0.001f;

    // 四元数を生成
    QQuaternion rotation = QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), angle);

    // オブジェクトの回転を更新
    m_object->setRotation(rotation);
  }

private:
  Qt3DScene *m_scene;
  Qt3DCamera *m_camera;
  Qt3DObject *m_object;
  Qt3DMesh *m_mesh;
  Qt3DMaterial *m_material;
  Qt3DTechnique *m_technique;
  Qt3DEffect *m_effect;
  Qt3DRenderPass *m_renderPass;
  Qt3DWidget *m_widget;
  QTimer *m_timer;
};

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  MainWindow window;
  window.show();

  return app.exec();
}

カメラの回転アニメーション

#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>


Qt GUI の QQuaternion::slerp() 関数以外で滑らかな動きを実現する方法

QAnimation を使用

#include <Qt3DCore/qscene3d.h>
#include <Qt3DExtras/qobject3d.h>
#include <Qt3DRender/qcamera.h>
#include <Qt3DAnimation/qpropertyanimation.h>

class MainWindow : public QMainWindow
{
  Q_OBJECT

public:
  MainWindow()
  {
    // シーンを作成
    m_scene = new Qt3DScene();

    // カメラを作成
    m_camera = new Qt3DCamera(m_scene);
    m_camera->setPosition(QVector3D(0, 0, 5));
    m_camera->setViewDirection(QVector3D(0, 0, -1));

    // アニメーションを作成
    m_animation = new QPropertyAnimation(m_camera, "rotation");
    m_animation->setDuration(1000);
    m_animation->setStartValue(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), 0));
    m_animation->setEndValue(QQuaternion::fromAxisAndAngle(QVector3D(0, 1, 0), 360));

    // アニメーションを開始
    m_animation->start();

    // ウィジェットを作成
    m_widget = new Qt3DWidget(this);
    m_widget->setAcceptDrops(false);
    m_widget->setCamera(m_camera);
    m_widget->setScene(m_scene);

    // ウィジェットを表示
    m_widget->show();
  }

private:
  Qt3DScene *m_scene;
  Qt3DCamera *m_camera;
  Qt3DAnimation::QPropertyAnimation *m_animation;
  Qt3DWidget *m_widget;
};

int main(int argc, char *argv[])
{
  QApplication app(argc, argv);

  MainWindow window;
  window.show();

  return app.exec();
}

このコードは、カメラを 360 度回転させるアニメーションを実装します。QPropertyAnimation クラスを使用して、rotation プロパティを時間をかけて変化させています。

Qt3D 애니메이션 フレームワークを使用

Qt3D には、アニメーションを作成するためのフレームワークが用意されています。このフレームワークを使用すると、より複雑なアニメーションを作成することができます。

詳細は以下のドキュメントを参照してください。

独自のコードを使用

上記の方法以外にも、独自のコードを使用して滑らかな動きを実現することができます。例えば、ベジェ曲線やスプライン曲線を使用して、オブジェクトの移動パスを定義することができます。

この方法は、より自由度の高いアニメーションを作成することができますが、より複雑なコードを書く必要もあります。

どの方法を選択するべきかは、アニメーションの複雑さや要件によって異なります。

  • シンプルなアニメーションの場合は、QAnimation クラスを使用するのが最も簡単です。
  • より複雑なアニメーションの場合は、Qt3D 애니메이션 フレームワークを使用することを検討してください。
  • 非常に自由度の高いアニメーションを作成したい場合は、独自のコードを使用することができます。



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