QResizeEvent::QResizeEvent() を使ってウィジェットのサイズ変更を処理する方法

Qt GUI の QResizeEvent::QResizeEvent() プログラミング解説

QResizeEvent::QResizeEvent() は、QResizeEvent クラスのコンストラクタです。このコンストラクタは、ウィジェットの新しいサイズと古いサイズを引数として受け取ります。

このイベントを受け取るには

1. ウィジェットクラスで resizeEvent() という名前の仮想関数をオーバーライドする必要があります。
2. resizeEvent() 関数内で、QResizeEvent オブジェクトを引数として受け取ります。
3. オブジェクトから size() メソッドと oldSize() メソッドを使用して、ウィジェットの新しいサイズと古いサイズを取得できます。
4. ウィジェットのコンテンツを新しいサイズに合わせて調整します。

例

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
    }

  protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override {
      // ウィジェットの新しいサイズを取得
      QSize newSize = event->size();

      // ウィジェットのコンテンツを新しいサイズに合わせて調整
      // ...

      // イベントを受け取ったことを示す
      event->accept();
    }
};

QResizeEvent::QResizeEvent() の主な用途

• ウィジェットのレイアウトを更新する
• スクロールバーの表示/非表示を切り替える

補足

• 上記の例は、Qt C++ のコードです。他の Qt 言語バインディングでも同様の機能が提供されています。
• event->accept() を呼び出すことは必須ではありませんが、呼び出すことでイベントを受け取ったことを示すことができます。
• ウィジェットのサイズ変更は、ユーザーによる操作以外にも、コードによって発生することもあります。

QResizeEvent::QResizeEvent() に関する質問があれば、遠慮なく聞いてください。

QResizeEvent::QResizeEvent() のサンプルコード

ウィジェットのコンテンツを新しいサイズに合わせて調整する

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      label = new QLabel("Hello, world!");
      layout = new QVBoxLayout(this);
      layout->addWidget(label);
    }

  protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override {
      // ウィジェットの新しいサイズを取得
      QSize newSize = event->size();

      // ラベルのサイズをウィジェットの新しいサイズに合わせて調整
      label->setMinimumSize(newSize);

      // イベントを受け取ったことを示す
      event->accept();
    }

  private:
    QLabel *label;
    QVBoxLayout *layout;
};

ウィジェットのレイアウトを更新する

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      button1 = new QPushButton("Button 1");
      button2 = new QPushButton("Button 2");
      layout = new QHBoxLayout(this);
      layout->addWidget(button1);
      layout->addWidget(button2);
    }

  protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override {
      // ウィジェットの新しいサイズを取得
      QSize newSize = event->size();

      // レイアウトを更新
      layout->setSpacing((newSize.width() - button1->width() - button2->width()) / 2);

      // イベントを受け取ったことを示す
      event->accept();
    }

  private:
    QPushButton *button1;
    QPushButton *button2;
    QHBoxLayout *layout;
};

この例では、ウィジェットの新しいサイズに合わせてレイアウトの間隔を更新しています。

スクロールバーの表示/非表示を切り替える

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      text = new QTextEdit();
      scrollArea = new QScrollArea;
      scrollArea->setWidget(text);

      QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout(this);
      layout->addWidget(scrollArea);
    }

  protected:
    void resizeEvent(QResizeEvent *event) override {
      // ウィジェットの新しいサイズを取得
      QSize newSize = event->size();

      // テキストエディタのサイズをウィジェットの新しいサイズに合わせて調整
      text->setMinimumSize(newSize);

      // スクロールバーの表示/非表示を切り替え
      if (newSize.width() < text->width()) {
        scrollArea->setHorizontalScrollBarPolicy(Qt::ScrollBarAlwaysOn);
      } else {
        scrollArea->setHorizontalScrollBarPolicy(Qt::ScrollBarAsNeeded);
      }

      if (newSize.height() < text->height()) {
        scrollArea->setVerticalScrollBarPolicy(Qt::ScrollBarAlwaysOn);
      } else {
        scrollArea->setVerticalScrollBarPolicy(Qt::ScrollBarAsNeeded);
      }

      // イベントを受け取ったことを示す
      event->accept();
    }

  private:
    QTextEdit *text;
    QScrollArea *scrollArea;
};

この例では、テキストエディタのサイズに合わせてスクロールバーの表示/非表示を切り替えています。

上記のサンプルコードはあくまでも例です。実際の使用例に合わせてコードを修正する必要があります。

QResizeEvent::QResizeEvent() 以外の方法

QSizePolicy を使用する

QSizePolicy は、ウィジェットのサイズ変更時の動作を制御するクラスです。QSizePolicy オブジェクトを作成して、ウィジェットの最小サイズ、最大サイズ、サイズヒントを設定することができます。

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      label = new QLabel("Hello, world!");
      label->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Expanding);
    }
};

この例では、ラベルのサイズポリシーを Expanding に設定しています。これにより、ウィジェットがサイズ変更されると、ラベルもそれに合わせてサイズ変更されます。

QWidget::setMinimumSize() と QWidget::setMaximumSize() を使用する

QWidget::setMinimumSize() と QWidget::setMaximumSize() を使用して、ウィジェットの最小サイズと最大サイズを設定することができます。

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      label = new QLabel("Hello, world!");
      label->setMinimumSize(QSize(100, 100));
      label->setMaximumSize(QSize(200, 200));
    }
};

この例では、ラベルの最小サイズを 100 x 100 ピクセル、最大サイズを 200 x 200 ピクセルに設定しています。

QLayout::setSpacing() を使用する

QLayout::setSpacing() を使用して、レイアウト内のウィジェット間のスペースを設定することができます。

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      button1 = new QPushButton("Button 1");
      button2 = new QPushButton("Button 2");
      layout = new QHBoxLayout(this);
      layout->addWidget(button1);
      layout->addWidget(button2);
      layout->setSpacing(10);
    }
};

この例では、ボタン間のスペースを 10 ピクセルに設定しています。

QGridLayout::addWidget() の引数を使用する

QGridLayout::addWidget() の引数を使用して、ウィジェットのサイズと位置を設定することができます。

class MyWidget : public QWidget {
  public:
    MyWidget() {
      // ...
      button1 = new QPushButton("Button 1");
      button2 = new QPushButton("Button 2");
      layout = new QGridLayout(this);
      layout->addWidget(button1, 0, 0);
      layout->addWidget(button2, 0, 1);
    }
};

この例では、ボタン1 をグリッドレイアウトの 0 行 0 列に、ボタン2 を 0 行 1 列に追加しています。

上記の方法以外にも、ウィジェットのサイズ変更を処理する方法はいくつかあります。詳細は Qt ドキュメントを参照してください。