Qt Widgetsのアイコンとピクトグラム:QStyle::StandardPixmapとその他の方法
Qt WidgetsにおけるQStyle::StandardPixmap
概要
- QStyle クラスは、ウィジェットの見た目と操作感を抽象化した基底クラスです。
- StandardPixmap は、QStyle::standardIcon() や QStyle::standardPixmap() などの関数で、ウィジェットの状態や種類を表すピクトグラムを取得するために使用されます。
- 利用可能なピクトグラムは、SP_ArrowDown や SP_DialogCloseButton などのように、名前で定義されています。
使用例
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QPushButton>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QMainWindow mainWindow;
QPushButton button("閉じる");
// ボタンに閉じるボタンのピクトグラムを設定
button.setIcon(QStyle::standardIcon(QStyle::SP_DialogCloseButton));
// ウィジェットを表示
mainWindow.setCentralWidget(&button);
mainWindow.show();
return app.exec();
}
この例では、QPushButton
に SP_DialogCloseButton
というピクトグラムを設定しています。
- QStyle::standardIcon() はピクトグラムを QIcon 型で、QStyle::standardPixmap() はピクトグラムを QPixmap 型で取得します。
- ウィジェットスタイルによって、ピクトグラムの見た目やサイズは異なる場合があります。
QStyle::StandardPixmap は、Qt Widgets で標準的に使用されるピクトグラムを簡単に利用できる便利な機能です。ウィジェットのデザインを統一したり、分かりやすい操作性を実現したりするのに役立ちます。
補足
- Qt のバージョンによって、利用可能なピクトグラムの種類が異なる場合があります。
- 独自のピクトグラムを作成することも可能です。
Qt WidgetsにおけるQStyle::StandardPixmapのサンプルコード
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QPushButton>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QMainWindow mainWindow;
QPushButton button("閉じる");
// ボタンに閉じるボタンのピクトグラムを設定
button.setIcon(QStyle::standardIcon(QStyle::SP_DialogCloseButton));
// ウィジェットを表示
mainWindow.setCentralWidget(&button);
mainWindow.show();
return app.exec();
}
ツールバーにアイコンを追加
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMainWindow>
#include <QtWidgets/QToolBar>
#include <QtWidgets/QAction>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// ウィジェット作成
QMainWindow mainWindow;
QToolBar *toolBar = mainWindow.addToolBar("標準");
// 新規作成アクションの作成
QAction *newAction = new QAction(QIcon(QStyle::standardPixmap(QStyle::SP_FileNew)), "新規作成");
// ツールバーに追加
toolBar->addAction(newAction);
// ウィジェットを表示
mainWindow.show();
return app.exec();
}
メッセージボックスにアイコンを表示
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QMessageBox>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// メッセージボックスの作成
QMessageBox msgBox;
// アイコンの設定
msgBox.setIcon(QMessageBox::Information);
// メッセージの設定
msgBox.setText("これは情報メッセージです。");
msgBox.exec();
return app.exec();
}
QStyle::StandardPixmap は、Qt Widgets で標準的に使用されるピクトグラムを簡単に利用できる便利な機能です。ウィジェットのデザインを統一したり、分かりやすい操作性を実現したりするのに役立ちます。
QStyle::StandardPixmap 以外の方法
QPixmap::load()
- 画像ファイルを読み込んで、QPixmap オブジェクトを作成します。
- QPixmap オブジェクトを、ウィジェットのアイコンやラベルなどに設定できます。
QPixmap pixmap("close_button.png");
button.setIcon(pixmap);
QIcon::fromTheme()
- Qt のテーマに含まれるアイコンを使用できます。
- アイコンの名前は、テーマによって異なる場合があります。
QIcon icon = QIcon::fromTheme("dialog-close-button");
button.setIcon(icon);
QSvgRenderer
- SVG 形式の画像を読み込んで、レンダリングできます。
- SVG 画像は、ベクター形式なので、サイズを変更しても画質が劣化しません。
QSvgRenderer renderer("close_button.svg");
renderer.render(&button);
独自のピクトグラムを作成する
- Qt の描画機能を使用して、独自のピクトグラムを作成できます。
- 複雑なピクトグラムを作成する場合や、独自のスタイルを実現したい場合に有効です。
QPainter painter(&button);
painter.drawPath(QPainterPath().addEllipse(0, 0, 10, 10));
- 使用したいピクトグラムの種類
- デザインの要件
- 開発者のスキル
などを考慮して、最適な方法を選択する必要があります。
QStyle::StandardPixmap は、Qt Widgets でピクトグラムを表示する最も簡単な方法です。しかし、他の方法も存在し、それぞれメリットとデメリットがあります。
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