QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold で素早いテキスト選択を調整
Qt GUIにおける QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold の解説
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
は、Qt GUI アプリケーションにおけるテキスト選択の挙動を制御するスタイルヒントです。このヒントは、マウスボタンをドラッグしてテキストを選択する際の、素早い選択を開始するまでの最小移動距離 をピクセル単位で設定します。
デフォルト値
デフォルト値はプラットフォームによって異なりますが、一般的には 4 ピクセル です。
設定方法
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
は、以下の方法で設定できます。
- アプリケーション全体に設定する場合は、
QApplication::setStyleHint()
関数を使用します。 - 特定のウィジェットに設定する場合は、
QWidget::setStyleHint()
関数を使用します。 - スタイルシートを使用する場合は、
mouse-quick-selection-threshold
プロパティを使用します。
例
// アプリケーション全体に設定
QApplication::setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 10);
// 特定のウィジェットに設定
QWidget widget;
widget.setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 10);
// スタイルシートを使用
QWidget {
mouse-quick-selection-threshold: 10px;
}
影響
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
の値を変更すると、以下の挙動が変わります。
- マウスボタンをドラッグした際に、素早い選択 が開始されるまでの移動距離。
- テキストを選択する際に、最初の選択範囲 が決定されるまでの移動距離。
注意事項
- このヒントは、マウスボタンをドラッグしてテキストを選択する場合にのみ 適用されます。キーボードを使用してテキストを選択する場合は、このヒントの影響を受けません。
- このヒントは、Qt 5.15 以降 でのみ使用できます。
補足
- 素早い選択 とは、マウスボタンをドラッグした際に、最初の選択範囲が自動的に決定される機能です。
- 最初の選択範囲 とは、マウスボタンをドラッグした際に、最初に選択されるテキスト範囲です。
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
は、Qt GUI アプリケーションにおけるテキスト選択の挙動を制御するスタイルヒントです。このヒントを理解することで、ユーザーインターフェースをより使いやすくすることができます。
Qt GUIにおける QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold のサンプルコード
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// アプリケーション全体に mouseQuickSelectionThreshold を設定
app.setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 10);
QMainWindow window;
window.show();
return app.exec();
}
特定のウィジェットに設定
#include <QApplication>
#include <QWidget>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
QWidget widget;
// 特定のウィジェットに mouseQuickSelectionThreshold を設定
widget.setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 10);
widget.show();
return app.exec();
}
スタイルシートを使用
QWidget {
mouse-quick-selection-threshold: 10px;
}
さまざまな閾値を設定
#include <QApplication>
#include <QMainWindow>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// アプリケーション全体に mouseQuickSelectionThreshold を設定
app.setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 10);
// 特定のウィジェットに異なる mouseQuickSelectionThreshold を設定
QWidget widget;
widget.setStyleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold, 20);
QMainWindow window;
window.show();
return app.exec();
}
デフォルト値を確認
#include <QApplication>
#include <QDebug>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// デフォルトの mouseQuickSelectionThreshold を取得
int threshold = app.styleHint(QStyle::SH_MouseQuickSelectionThreshold);
qDebug() << "デフォルトの mouseQuickSelectionThreshold: " << threshold;
return app.exec();
}
これらのサンプルコードは、QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
の使用方法を理解するのに役立ちます。
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold 以外の方法
QTextCursor::setDragSelectionMode()
関数は、テキスト選択の開始方法を指定します。以下のモードを選択できます。
QTextCursor::SelectText
: ドラッグ開始時にテキスト選択を開始します。QTextCursor::SelectWordUnderCursor
: ドラッグ開始時にカーソル下の単語を選択してから、ドラッグに合わせて選択範囲を拡張します。
例
QTextCursor cursor;
cursor.setDragSelectionMode(QTextCursor::SelectWordUnderCursor);
QTextCursor::movePosition()
関数は、カーソルを移動させることができます。Qt::Keyboard
フラグを指定することで、マウス操作ではなくキーボード操作でカーソルを移動させることができます。
例
QTextCursor cursor;
cursor.movePosition(QTextCursor::Right, QTextCursor::Keyboard);
QTextEdit::setAcceptRichText()
QTextEdit::setAcceptRichText()
関数は、リッチテキスト入力を許可するかどうかを指定します。リッチテキスト入力を許可すると、マウスボタンをドラッグしてテキストを選択する際に、異なる書式を選択することができます。
例
QTextEdittextEdit;
textEdit.setAcceptRichText(true);
QAbstractTextDocumentLayout::setIndentWidth()
QAbstractTextDocumentLayout::setIndentWidth()
関数は、インデント幅を設定します。インデント幅を変更することで、テキスト選択時の最初の選択範囲 を調整することができます。
例
QAbstractTextDocumentLayout layout;
layout.setIndentWidth(10);
これらの方法は、QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
と組み合わせて使用することで、より柔軟にテキスト選択の挙動を制御することができます。
QStyleHints::mouseQuickSelectionThreshold
は、Qt GUI アプリケーションにおけるテキスト選択の挙動を制御する便利なスタイルヒントです。しかし、他の方法と組み合わせることで、より柔軟にテキスト選択の挙動を制御することができます。
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