Qt WidgetsでQPlainTextEdit::focusInEvent()を使いこなす

Qt WidgetsにおけるQPlainTextEdit::focusInEvent()解説

QPlainTextEdit::focusInEvent()は、Qt Widgetsフレームワークで提供されるQPlainTextEditクラスの仮想関数です。この関数は、テキストエディットウィジェットがフォーカスを受け取ったときに呼び出され、ユーザー入力を処理するための準備を行うことができます。

イベント処理の流れ

1. ユーザーがテキストエディットウィジェットをクリックするか、Tabキーでフォーカスを移動します。
2. QPlainTextEdit::focusInEvent()が呼び出されます。
3. フォーカスインイベント処理を記述します。
4. イベント処理が完了します。

フォーカスインイベント処理

QPlainTextEdit::focusInEvent()は以下の処理を行います。

• カーソルをテキストエディットウィジェットの末尾に移動します。
• テキスト選択を解除します。
• 必要に応じて、他のウィジェットへのフォーカス移動を阻止します。

これらの処理に加えて、以下の処理を行うこともできます。

• テキストエディットウィジェットの背景色を変更します。
• ツールバーやステータスバーを更新します。
• ユーザー入力を処理するための準備を行います。

例

以下のコードは、QPlainTextEdit::focusInEvent()を使用して、テキストエディットウィジェットがフォーカスを受け取ったときに背景色を変更する例です。

void QPlainTextEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  QPlainTextEdit::focusInEvent(event);

  // テキストエディットウィジェットの背景色を変更
  QPalette palette = this->palette();
  palette.setColor(QPalette::Base, Qt::lightBlue);
  this->setPalette(palette);
}

補足

• QPlainTextEdit::focusInEvent()は、フォーカスアウトイベントが発生する前に必ず呼び出されます。
• フォーカスアウトイベント処理を行う場合は、QPlainTextEdit::focusOutEvent()をオーバーライドする必要があります。
• イベント処理の詳細については、Qt Widgetsのドキュメントを参照してください。

QPlainTextEdit::focusInEvent() のサンプルコード

テキストエディットウィジェットの背景色を変更する

void QPlainTextEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  QPlainTextEdit::focusInEvent(event);

  // テキストエディットウィジェットの背景色を変更
  QPalette palette = this->palette();
  palette.setColor(QPalette::Base, Qt::lightBlue);
  this->setPalette(palette);
}

ツールバーを更新する

void QPlainTextEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  QPlainTextEdit::focusInEvent(event);

  // ツールバーを更新
  QToolBar *toolBar = this->findChild<QToolBar *>();
  if (toolBar) {
    toolBar->setEnabled(true);
  }
}

ユーザー入力を処理するための準備を行う

void QPlainTextEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  QPlainTextEdit::focusInEvent(event);

  // ユーザー入力を処理するための準備を行う
  this->selectAll();
  this->setFocus();
}

複数の処理を組み合わせる

void QPlainTextEdit::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  QPlainTextEdit::focusInEvent(event);

  // テキストエディットウィジェットの背景色を変更
  QPalette palette = this->palette();
  palette.setColor(QPalette::Base, Qt::lightBlue);
  this->setPalette(palette);

  // ツールバーを更新
  QToolBar *toolBar = this->findChild<QToolBar *>();
  if (toolBar) {
    toolBar->setEnabled(true);
  }

  // ユーザー入力を処理するための準備を行う
  this->selectAll();
  this->setFocus();
}

QPlainTextEdit::focusInEvent() 以外の方法

QFocusEvent::FocusIn を使用する

void MyWidget::focusInEvent(QFocusEvent *event)
{
  // デフォルトの処理を実行
  MyWidget::focusInEvent(event);

  // テキストエディットウィジェットがフォーカスを受け取ったかどうかを確認
  if (event->widget() == this->plainTextEdit) {
    // フォーカスイン処理を行う
  }
}

QPlainTextEdit::cursorPositionChanged() を使用する

void QPlainTextEdit::cursorPositionChanged()
{
  // テキストエディットウィジェットがフォーカスを持っているかどうかを確認
  if (this->hasFocus()) {
    // フォーカスイン処理を行う
  }
}

QTimer を使用する

QTimer *timer = new QTimer(this);
timer->setInterval(100);
timer->start();

void QTimer::timeout()
{
  // テキストエディットウィジェットがフォーカスを持っているかどうかを確認
  if (this->plainTextEdit->hasFocus()) {
    // フォーカスイン処理を行う
  }
}

これらの方法はそれぞれ異なる利点と欠点があります。どの方法を使用するかは、アプリケーションのニーズによって異なります。

補足

• QFocusEvent::FocusIn は、すべてのウィジェットに対して発生するイベントです。
• QPlainTextEdit::cursorPositionChanged()は、カーソル位置が変更されたときに発生するイベントです。
• QTimer は、定期的にイベントを発生させるタイマーです。