Qt GUI で HTML コードを表示する: QWebView、QTextBrowser、QRichTextEditor の比較
Qt GUI の QTextDocumentFragment::fromHtml() 関数について
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、HTML コードを解析し、フォーマットされたテキストを生成する Qt の関数です。この関数は、Qt GUI アプリケーションで HTML コンテンツを表示する際に使用されます。
使い方
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、以下の引数を受け取ります。
html
: HTML コードを含む QString オブジェクトdocument
: リソースプロバイダとして使用される QTextDocument オブジェクト(省略可能)
この関数は、HTML コードを解析し、フォーマットされたテキストを含む QTextDocumentFragment オブジェクトを返します。
例
QString html = "<p>これは太字のテキストです</p>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、太字のテキストを含むフォーマットされたテキストが含まれます
詳細
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、HTML 4.01 標準をサポートしています。この関数は、HTML コードを解析し、以下の要素をレンダリングします。
- テキスト
- 太字
- 斜体
- 下線
- 箇条書き
- 番号付きリスト
- 画像
- リンク
- テーブル
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、スタイルシートを使用して、テキストのスタイルをさらに制御することもできます。
補足
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、HTML コードを解析する際に、セキュリティ上のリスクがあります。悪意のある HTML コードを実行されないように、信頼できるソースからの HTML コードのみを使用する必要があります。- Qt 6 以降では、
QTextDocumentFragment::fromHtml()
関数は、QtWebKit に依存しなくなりました。
QTextDocumentFragment::fromHtml() 関数のサンプルコード
基本的な例
QString html = "<p>これは太字のテキストです</p>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、太字のテキストを含むフォーマットされたテキストが含まれます
スタイルシートの使用
QString html = "<p style=\"color: red; font-size: 16px\">これは赤いテキストです</p>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、赤色で 16px のフォントサイズで表示されるテキストが含まれます
画像の表示
QString html = "<img src=\"image.png\">";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、image.png 画像が表示されます
リンクの作成
QString html = "<a href=\"https://www.qt.io\">Qt のウェブサイト</a>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、「Qt のウェブサイト」というリンクが含まれます
テーブルの作成
QString html = "<table><tr><td>名前</td><td>年齢</td></tr><tr><td>山田太郎</td><td>30</td></tr></table>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、名前と年齢のテーブルが含まれます
複雑な HTML コード
QString html = "<h1>これはタイトルです</h1>"
"<p>これは段落です。<strong>これは太字のテキストです</strong>。"
"<em>これは斜体のテキストです</em></p>"
"<ul><li>これは箇条書きの項目です</li>"
"<li>これはもう 1 つの箇条書きの項目です</li></ul>"
"<img src=\"image.png\">"
"<a href=\"https://www.qt.io\">Qt のウェブサイト</a>"
"<table><tr><td>名前</td><td>年齢</td></tr>"
"<tr><td>山田太郎</td><td>30</td></tr></table>";
QTextDocumentFragment fragment = QTextDocumentFragment::fromHtml(html);
// fragment には、複雑なフォーマットを含むテキストが含まれます
Qt GUI で HTML コードを表示する他の方法
QWebView
クラスは、Qt GUI アプリケーションで Web ページを表示するためのクラスです。QWebView
クラスを使用するには、以下の手順が必要です。
QWebView
オブジェクトを作成します。- HTML コードを含む URL を設定します。
QWebView webView;
webView.load(QUrl("https://www.qt.io"));
webView.show();
QTextBrowser
クラスは、Qt GUI アプリケーションでフォーマットされたテキストを表示するためのクラスです。QTextBrowser
クラスを使用するには、以下の手順が必要です。
QTextBrowser
オブジェクトを作成します。- HTML コードを含む QString オブジェクトを設定します。
QTextBrowser textBrowser;
textBrowser.setHtml("<p>これは段落です。<strong>これは太字のテキストです</strong></p>");
textBrowser.show();
QRichTextEditor
クラスは、Qt GUI アプリケーションでリッチテキストを編集するためのクラスです。QRichTextEditor
クラスを使用するには、以下の手順が必要です。
QRichTextEditor
オブジェクトを作成します。
QRichTextEditor editor;
editor.setHtml("<p>これは段落です。<strong>これは太字のテキストです</strong></p>");
editor.show();
- 表示する HTML コードの複雑さ
- 編集機能が必要かどうか
- その他の機能
複雑な HTML コードを表示する場合は
QWebView
クラスを使用するのが最適です。QTextBrowser
クラスは、シンプルな HTML コードのみをサポートしています。QRichTextEditor
クラスは、編集機能が必要な場合にのみ使用します。
編集機能が必要な場合は
QRichTextEditor
クラスを使用する必要があります。QWebView
クラスとQTextBrowser
クラスは、編集機能をサポートしていません。
その他の機能
QWebView
クラスは、JavaScript を実行したり、Web ページとやり取りしたりするなどの追加機能を提供します。QTextBrowser
クラスは、検索機能や印刷機能などの追加機能を提供します。QRichTextEditor
クラスは、書式設定ツールバーやスペルチェックなどの追加機能を提供します。
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