Qt Widgetsにおけるウィジェットのサイズと配置に関するヒント

Qt Widgetsにおける QWidget::setSizePolicy() の詳細解説

サイズポリシーは、ウィジェットのサイズに関するヒントをレイアウトマネージャーに提供するものです。ウィジェットは、水平方向と垂直方向それぞれに、以下の5つのポリシーを設定できます。

• QSizePolicy::Fixed: ウィジェットは固定されたサイズで表示されます。
• QSizePolicy::Minimum: ウィジェットは最小サイズ以下には縮小されません。
• QSizePolicy::Preferred: ウィジェットは、推奨サイズで表示されます。
• QSizePolicy::Expanding: ウィジェットは、可能な限り伸縮します。

setSizePolicy() 関数は、2つの引数を受け取ります。

• 水平方向のポリシー: 上記の5つのポリシーのいずれか。

例：

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットを固定サイズで表示
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);

// ウィジェットを水平方向に伸縮可能にする
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Preferred);

setSizePolicy() 関数は、以下の要素に影響を与えます。

• ウィジェットの最小サイズと最大サイズ: ウィジェットのサイズポリシーによって、ウィジェットが縮小または拡大できる最小サイズと最大サイズが決まります。
• レイアウトマネージャーによるウィジェットの配置: レイアウトマネージャーは、ウィジェットのサイズポリシーを考慮して、ウィジェットをレイアウト内に配置します。
• ウィジェットの伸縮: ウィジェットがユーザーによってリサイズされた場合、ウィジェットのサイズポリシーによって、ウィジェットがどのように伸縮するかが決まります。

例

以下は、setSizePolicy() 関数の使い方を説明する例です。

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットを作成
  QWidget *widget1 = new QWidget();
  QWidget *widget2 = new QWidget();
  QWidget *widget3 = new QWidget();

  // ウィジェット1を固定サイズで表示
  widget1->setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
  widget1->setFixedSize(100, 100);

  // ウィジェット2を水平方向に伸縮可能にする
  widget2->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Preferred);

  // ウィジェット3を垂直方向に伸縮可能にする
  widget3->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Expanding);

  // QVBoxLayoutを作成
  QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout();

  // ウィジェットをレイアウトに追加
  layout->addWidget(widget1);
  layout->addWidget(widget2);
  layout->addWidget(widget3);

  // ウィジェットを表示
  QWidget *window = new QWidget();
  window->setLayout(layout);
  window->show();

  return app.exec();
}

この例では、3つのウィジェットを作成し、それぞれ異なるサイズポリシーを設定しています。

• ウィジェット1は固定サイズで表示されます。
• ウィジェット2は、ウィンドウの幅に合わせて水平方向に伸縮します。

QWidget::setSizePolicy() は、Qt Widgets における重要な関数です。この関数を理解することで、ウィジェットのサイズと配置を細かく制御することができます。

QWidget::setSizePolicy() のサンプルコード

ウィジェットを固定サイズで表示する

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットを固定サイズで表示
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
widget->setFixedSize(100, 100);

ウィジェットを水平方向に伸縮可能にする

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットを水平方向に伸縮可能にする
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Preferred);

ウィジェットを垂直方向に伸縮可能にする

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットを垂直方向に伸縮可能にする
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Expanding);

ウィジェットを最小サイズと最大サイズで制限する

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットの最小サイズを設定
widget->setMinimumSize(100, 100);

// ウィジェットの最大サイズを設定
widget->setMaximumSize(200, 200);

// ウィジェットを推奨サイズで表示
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Preferred);

ウィジェットをレイアウト内に配置する

#include <QtWidgets>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // ウィジェットを作成
  QWidget *widget1 = new QWidget();
  QWidget *widget2 = new QWidget();
  QWidget *widget3 = new QWidget();

  // ウィジェット1を固定サイズで表示
  widget1->setSizePolicy(QSizePolicy::Fixed, QSizePolicy::Fixed);
  widget1->setFixedSize(100, 100);

  // ウィジェット2を水平方向に伸縮可能にする
  widget2->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Preferred);

  // ウィジェット3を垂直方向に伸縮可能にする
  widget3->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Expanding);

  // QVBoxLayoutを作成
  QVBoxLayout *layout = new QVBoxLayout();

  // ウィジェットをレイアウトに追加
  layout->addWidget(widget1);
  layout->addWidget(widget2);
  layout->addWidget(widget3);

  // ウィジェットを表示
  QWidget *window = new QWidget();
  window->setLayout(layout);
  window->show();

  return app.exec();
}

ウィジェットのストレッチを設定する

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットを水平方向に伸縮可能にし、ストレッチ係数を2に設定
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Expanding, QSizePolicy::Preferred);
widget->setHorizontalStretch(2);

ウィジェットのサイズヒントを設定する

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットのサイズヒントを設定
widget->setSizeHint(QSize(100, 100));

// ウィジェットを推奨サイズで表示
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Preferred, QSizePolicy::Preferred);

ウィジェットのサイズポリシーを無視する

QWidget *widget = new QWidget();

// ウィジェットのサイズポリシーを無視
widget->setSizePolicy(QSizePolicy::Ignored, QSizePolicy::Ignored);

// ウィジェットを固定サイズで表示
widget->setFixedSize(100, 100);

QWidget::setSizePolicy() 以外のウィジェットのサイズと配置を調整する方法

レイアウトマネージャーを使用する

Qt には、ウィジェットを自動的に配置するレイアウトマネージャーが用意されています。代表的なレイアウトマネージャーは以下の通りです。

• QHBoxLayout: ウィジェットを水平方向に並べるレイアウトマネージャー
• QGridLayout: ウィジェットをグリッド状に並べるレイアウトマネージャー
• QFormLayout: ウィジェットをフォームのように並べるレイアウトマネージャー

これらのレイアウトマネージャーを使用することで、ウィジェットのサイズと配置をコードで記述することなく、簡単に調整することができます。

ウィジェットのsetGeometry() 関数を使用する

setGeometry() 関数は、ウィジェットの位置とサイズを直接設定することができます。この関数は、ウィジェットのサイズポリシーを無視して、ウィジェットを自由に配置したい場合に便利です。

widget->setGeometry(x, y, width, height);

• x: ウィジェットの左上のX座標
• width: ウィジェットの幅
• height: ウィジェットの高さ

ウィジェットのminimumSize()、maximumSize()、sizeHint() 関数を使用する

これらの関数は、ウィジェットの最小サイズ、最大サイズ、推奨サイズを設定することができます。

• minimumSize(): ウィジェットが縮小できる最小サイズを設定
• sizeHint(): ウィジェットの推奨サイズを設定

これらの関数は、setSizePolicy() 関数と組み合わせて使用することで、ウィジェットのサイズと配置をより細かく制御することができます。

QSpacer アイテムは、レイアウト内に空白スペースを挿入するために使用されます。QSpacer アイテムを使用することで、ウィジェット間の余白を調整したり、ウィジェットをレイアウト内に中央揃えしたりすることができます。

カスタムレイアウトを作成する

上記のいずれの方法でも満足できない場合は、カスタムレイアウトを作成することができます。カスタムレイアウトを作成することで、ウィジェットを自由に配置することができます。

これらの方法を組み合わせることで、さまざまなレイアウトを作成することができます。

QWidget::setSizePolicy() 以外にも、ウィジェットのサイズと配置を調整する方法はいくつかあります。これらの方法を理解することで、自分のアプリケーションに合わせてウィジェットを自由に配置することができます。