CMake: "CMAKE_SYSROOT_COMPILE"でクロスコンパイルにおけるシステムルート設定をマスター
CMake 変数 CMAKE_SYSROOT_COMPILE
は、クロスコンパイル時にコンパイラに渡す --sysroot
フラグのパスを指定します。このフラグは、コンパイラがヘッダーファイルやライブラリを検索する場所を指示するために使用されます。
詳細
CMAKE_SYSROOT_COMPILE
は、CMake のtoolchain file
内でのみ設定できます。toolchain file
は、クロスコンパイラ環境を定義するために使用されるファイルです。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
の値は、クロスコンパイル対象となるターゲットシステムのルートディレクトリを指す必要があります。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
は、コンパイルのみで使用され、リンキングには使用されません。リンキングには、CMAKE_SYSROOT_LINK
変数を使用する必要があります。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
は、CMake 3.9 以降でのみ使用可能です。
例
# toolchain file
set(CMAKE_SYSTEM_NAME Linux)
set(CMAKE_SYSTEM_VERSION 1)
set(CMAKE_C_COMPILER arm-linux-gnueabihf-gcc)
set(CMAKE_CXX_COMPILER arm-linux-gnueabihf-g++)
set(CMAKE_FIND_ROOT_PATH /opt/arm-linux-gnueabihf/lib /opt/arm-linux-gnueabihf/usr/lib)
set(CMAKE_SYSROOT /opt/arm-linux-gnueabihf)
set(CMAKE_SYSROOT_COMPILE "${CMAKE_SYSROOT}")
# CMakeLists.txt
cmake_minimum_required(VERSION 3.9)
project(myproject)
find_package(Threads)
add_executable(myprogram myprogram.c)
target_link_libraries(myprogram Threads)
上記の例では、toolchain file
で CMAKE_SYSROOT_COMPILE
を /opt/arm-linux-gnueabihf
に設定しています。これは、コンパイラがヘッダーファイルやライブラリを /opt/arm-linux-gnueabihf
ディレクトリツリー内で検索することを意味します。
補足
CMAKE_SYSROOT_COMPILE
を使用する場合は、CMAKE_SYSROOT
変数も設定する必要があります。CMAKE_SYSROOT
は、コンパイラ、リンカー、およびその他のツールに渡される--sysroot
フラグのパスを指定します。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
とCMAKE_SYSROOT_LINK
の違いは、コンパイルとリンキングで使用されるかどうかです。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
はコンパイルのみで使用され、CMAKE_SYSROOT_LINK
はリンキングのみで使用されます。CMAKE_SYSROOT_COMPILE
は、クロスコンパイル以外にも使用できます。たとえば、システムのヘッダーファイルやライブラリを別の場所にインストールしたい場合に使用できます。
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