円形、楕円形、波形... で表現できる形状のすべて
CSS Miscellaneous の <basic-shape>
は、円形や楕円形などの基本的な形状を生成するプロパティです。従来の画像や SVG を用いる方法と比べて軽量で柔軟なデザインを実現できます。この解説では、<basic-shape>
の基本的な使い方から、応用的な表現まで、分かりやすくご紹介します。
<basic-shape>
は、以下の 2 つのプロパティで構成されています。
shape-outside
: 要素の外側の形状を指定します。shape-image-threshold
: 画像を形状に切り抜く際の閾値を指定します。
基本的な形状の生成
shape-outside
プロパティを用いることで、以下の基本的な形状を生成できます。
circle
: 円形ellipse
: 楕円形inset
: 内側の余白を指定polygon
: 点の座標を指定して多角形
例:円形
.circle {
shape-outside: circle(50%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: red;
}
上記コードは、100px 四方の要素を、半径 50px の円形に切り抜きます。
画像の切り抜き
shape-image-threshold
プロパティを用いることで、画像を形状に切り抜くことができます。
例:画像を円形に切り抜く
.image-circle {
shape-outside: circle(50%);
width: 100px;
height: 100px;
background-image: url(image.jpg);
shape-image-threshold: 0.5;
}
上記コードは、image.jpg
を半径 50px の円形に切り抜き、shape-image-threshold
プロパティで閾値を 0.5 に設定することで、半透明な効果を適用します。
応用的な表現
shape-outside
と shape-image-threshold
プロパティを組み合わせることで、様々な形状を生成できます。
例:波形
.wave {
shape-outside: repeating-linear-gradient(
to right,
transparent 0%,
transparent 10%,
#000 10%,
#000 20%,
transparent 20%,
transparent 30%
);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: blue;
}
上記コードは、repeating-linear-gradient
を用いて波形を生成し、shape-outside
プロパティで要素に適用します。
ブラウザ対応状況
<basic-shape>
は比較的新しいプロパティであり、すべてのブラウザで対応しているわけではありません。最新の情報は、Can I Use: https://caniuse.com/ などのサイトで確認できます。
まとめ
CSS Miscellaneous の <basic-shape>
は、軽量で柔軟なデザインを実現できる強力なツールです。基本的な使い方から応用的な表現まで、理解を深めることで、Web デザインの可能性を広げることができます。
<basic-shape> サンプルコード
- 円形
.circle {
shape-outside: circle(50%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: red;
}
- 楕円形
.ellipse {
shape-outside: ellipse(50% 25%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: blue;
}
- 多角形
.polygon {
shape-outside: polygon(0% 0%, 100% 0%, 100% 100%, 0% 100%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: green;
}
画像の切り抜き
- 画像を円形に切り抜く
.image-circle {
shape-outside: circle(50%);
width: 100px;
height: 100px;
background-image: url(image.jpg);
shape-image-threshold: 0.5;
}
.image-star {
shape-outside: polygon(50% 0%, 62.5% 35.4%, 79.3% 35.4%, 68.8% 57.7%, 80% 100%, 50% 70.7%, 20% 100%, 31.2% 57.7%, 10.7% 35.4%, 37.5% 35.4%);
width: 100px;
height: 100px;
background-image: url(image.jpg);
shape-image-threshold: 0.5;
}
応用的な表現
- 波形
.wave {
shape-outside: repeating-linear-gradient(
to right,
transparent 0%,
transparent 10%,
#000 10%,
#000 20%,
transparent 20%,
transparent 30%
);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: blue;
}
- 三角形のマスク
.triangle-mask {
shape-outside: polygon(0% 0%, 100% 0%, 50% 100%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: red;
overflow: hidden;
}
.triangle-mask img {
width: 200px;
height: 200px;
}
- グラデーションと組み合わせた円形
.gradient-circle {
shape-outside: circle(50%);
width: 100px;
height: 100px;
background: radial-gradient(circle at center, red 0%, blue 100%);
}
これらのサンプルコードはあくまでも参考例です。<basic-shape>
の可能性は無限大です。ぜひ、様々なアイデアを試して、Web デザインの可能性を広げてください。
<basic-shape> 以外の方法
border-radius
プロパティは、要素の角丸半径を指定します。円形や楕円形に近い形状を生成できます。
例:円形
.circle {
border-radius: 50%;
width: 100px;
height: 100px;
background-color: red;
}
clip-path
プロパティは、要素の表示領域を指定します。SVG パスを用いて、様々な形状を生成できます。
例:三角形
.triangle {
clip-path: polygon(0% 0%, 100% 0%, 50% 100%);
width: 100px;
height: 100px;
background-color: red;
}
::before
/ ::after
疑似要素を用いて、コンテンツの後に別の要素を挿入できます。この要素に border-radius
や clip-path
を適用することで、形状を生成できます。
例:星形
.star::before {
content: "";
position: absolute;
top: 0;
left: 0;
width: 100px;
height: 100px;
border-radius: 50%;
clip-path: polygon(50% 0%, 62.5% 35.4%, 79.3% 35.4%, 68.8% 57.7%, 80% 100%, 50% 70.7%, 20% 100%, 31.2% 57.7%, 10.7% 35.4%, 37.5% 35.4%);
background-color: red;
}
画像
円形や四角形などの単純な形状であれば、画像を用いることもできます。
例:四角形
<img src="square.png" width="100" height="100">
比較
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
<basic-shape> | 軽量で柔軟 | ブラウザ対応状況が限定的 |
border-radius | 簡単で軽量 | 複雑な形状には不向き |
clip-path | 複雑な形状に対応 | コード量が多くなる |
::before / ::after | 疑似要素の機能を活用 | コード量が多くなる |
画像 | 簡単で汎用性が高い | ファイルサイズが大きくなる |
どの方法を選択するかは、形状の複雑さやブラウザ対応状況、ファイルサイズなどを考慮して決定する必要があります。
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