Django 4.1の新機能 db.models.BaseConstraint.violation_error_message を使って制約違反時のエラーメッセージを分かりやすくカスタマイズする方法

Djangoにおける db.models.BaseConstraint.violation_error_message の解説

db.models.BaseConstraint.violation_error_message は、Djangoモデルでユニーク制約やチェック制約などの制約違反が発生した際に表示されるエラーメッセージをカスタマイズするための属性です。Django 4.1で導入されました。

従来のエラーメッセージ

Django 4.1以前では、制約違反が発生した場合、デフォルトで以下のようなエラーメッセージが表示されていました。

Constraint “%(name)s” is violated.

このメッセージは、どの制約が違反されたのかは分かりますが、ユーザーにとって分かりにくい場合があります。

violation_error_message を使用することで、制約違反時のエラーメッセージを自由にカスタマイズできます。

例

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=255, unique=True)

    class Meta:
        constraints = [
            models.UniqueConstraint(
                fields=["name"],
                name="unique_name_constraint",
                violation_error_message="この名前は既に使用されています。",
            ),
        ]

上記の例では、name フィールドにユニーク制約を定義し、違反時のエラーメッセージを "この名前は既に使用されています。" とカスタマイズしています。

violation_error_message 使用時の注意点

• violation_error_message は、Django 4.1以降でのみ使用できます。
• UniqueConstraint と CheckConstraint でのみ使用できます。
• フィールドレベルの unique 制約では使用できません。
• 条件付きの UniqueConstraint では使用できません。

補足

• db.models.BaseConstraint.violation_error_message は、エラーメッセージをカスタマイズするだけでなく、ユーザーにとってより分かりやすく、丁寧なエラーメッセージを提供することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
• エラーメッセージの内容は、アプリケーションの用途やユーザーに合わせて調整することが重要です。

db.models.BaseConstraint.violation_error_message サンプルコード

ユニーク制約

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=255, unique=True)

    class Meta:
        constraints = [
            models.UniqueConstraint(
                fields=["name"],
                name="unique_name_constraint",
                violation_error_message="この名前は既に使用されています。",
            ),
        ]

• name フィールドにユニーク制約を定義し、違反時のエラーメッセージを "この名前は既に使用されています。" とカスタマイズしています。

チェック制約

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    age = models.IntegerField()

    class Meta:
        constraints = [
            models.CheckConstraint(
                check=models.Q(age__gte=18),
                name="age_gte_18_constraint",
                violation_error_message="年齢は18歳以上である必要があります。",
            ),
        ]

説明:

• age フィールドが18歳以上であることをチェックする制約を定義し、違反時のエラーメッセージを "年齢は18歳以上である必要があります。" とカスタマイズしています。

複数フィールドの制約

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=255)
    email = models.EmailField()

    class Meta:
        constraints = [
            models.UniqueConstraint(
                fields=["name", "email"],
                name="unique_name_email_constraint",
                violation_error_message="この名前とメールアドレスの組み合わせは既に使用されています。",
            ),
        ]

説明:

• name フィールドと email フィールドの組み合わせがユニークであることをチェックする制約を定義し、違反時のエラーメッセージを "この名前とメールアドレスの組み合わせは既に使用されています。" とカスタマイズしています。

条件付き制約

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    is_active = models.BooleanField()
    email = models.EmailField()

    class Meta:
        constraints = [
            models.CheckConstraint(
                check=models.Q(is_active=True, email__isnull=False),
                name="is_active_email_not_null_constraint",
                violation_error_message="アクティブなユーザーはメールアドレスが必要です。",
            ),
        ]

説明:

• is_active フィールドが True である場合、email フィールドが NULL であってはならないことをチェックする制約を定義し、違反時のエラーメッセージを "アクティブなユーザーはメールアドレスが必要です。" とカスタマイズしています。

db.models.BaseConstraint.violation_error_message 以外の方法

clean() メソッド

モデルクラスの clean() メソッドをオーバーライドすることで、制約違反時のエラーメッセージをカスタマイズできます。

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=255, unique=True)

    def clean(self):
        super().clean()

        if MyModel.objects.filter(name=self.name).exists():
            raise ValidationError({"name": ["この名前は既に使用されています。"]})

説明:

• clean() メソッド内で、name フィールドがユニークであることをチェックし、違反した場合に "この名前は既に使用されています。" というエラーメッセージを発生させています。

シグナル

django.db.models.signals.pre_save シグナルを受け取ることで、モデル保存前に制約違反をチェックし、エラーメッセージをカスタマイズできます。

from django.db import models
from django.db.models.signals import pre_save

def my_pre_save_handler(sender, instance, **kwargs):
    if MyModel.objects.filter(name=instance.name).exists():
        raise ValidationError({"name": ["この名前は既に使用されています。"]})

pre_save.connect(my_pre_save_handler, sender=MyModel)

説明:

• my_pre_save_handler シグナルハンドラ内で、name フィールドがユニークであることをチェックし、違反した場合に "この名前は既に使用されています。" というエラーメッセージを発生させています。

カスタムバリデーションクラスを作成することで、独自の制約チェックとエラーメッセージのカスタマイズを行うことができます。

from django.core.exceptions import ValidationError

class UniqueNameValidator:
    def validate(self, value):
        if MyModel.objects.filter(name=value).exists():
            raise ValidationError("この名前は既に使用されています。")

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=255, validators=[UniqueNameValidator()])

説明:

• UniqueNameValidator クラスで、name フィールドがユニークであることをチェックし、違反した場合に "この名前は既に使用されています。" というエラーメッセージを発生させています。

これらの方法のいずれかを選択することで、アプリケーションの要件に合致した制約違反時のエラーメッセージを提供することができます。

• db.models.BaseConstraint.violation_error_message は、Django 4.1以降で利用可能な、制約違反時のエラーメッセージをカスタマイズするための属性です。
• clean() メソッド、シグナル、カスタムバリデーションなどの方法も、制約違反時のエラーメッセージをカスタマイズするために利用可能です。
• どの方法を選択するかは、アプリケーションの要件や開発者の好みによって異なります。