Django update_or_create() メソッド vs get_or_create() メソッド:徹底比較

2024-04-09

この解説では、QuerySet.update_or_create()メソッドの仕組み、使い方、注意点、そして実践的なコード例まで詳しく説明していきます。

update_or_create() メソッドの概要

QuerySet.update_or_create()メソッドは、レコードの存在確認と更新・作成を1つの処理で実行できる便利なメソッドです。

主な機能

  • 指定された条件に合致するレコードが存在するかどうかを検索します。
  • レコードが存在する場合は、指定されたフィールドを更新します。
  • レコードが存在しない場合は、新しいレコードを作成します。

メリット

  • コード量が少なく、処理がシンプル
  • 存在確認と更新・作成を1つの処理で実行できるため、効率的
  • データベースへのアクセス回数を減らせる

メソッドの使い方

QuerySet.update_or_create()メソッドは、以下の形式で呼び出します。

# オブジェクトが存在するかどうかを検索する条件を指定
queryset.update_or_create(**defaults)

引数

  • defaults: 更新または作成時に設定するフィールドと値の辞書
    • 存在するレコードを更新する場合、指定されたフィールドのみ更新されます。
    • 存在しないレコードを作成する場合、指定されたフィールドが初期値として設定されます。

戻り値

  • タプル(obj, created)
    • obj: 更新または作成されたオブジェクト
    • created: レコードが作成されたかどうかを示すフラグ (True: 作成された、False: 更新された)

実践的なコード例

例1:レコードが存在するかどうかを条件に更新

# ユーザー名からユーザーを取得
user = User.objects.get(username='taro')

# ユーザーが存在する場合は年齢を更新
user.update_or_create(age=20)

例2:レコードが存在しない場合は作成

# メールアドレスからユーザーを取得
user, created = User.objects.update_or_create(email='[email protected]', defaults={'username': 'taro', 'age': 20})

# 作成された場合はTrue、更新された場合はFalse
if created:
    print('ユーザーを作成しました')
else:
    print('ユーザーを更新しました')

update_or_create() メソッドの注意点

  • 存在確認条件: update_or_create()メソッドは、指定された条件に基づいてレコードの存在確認を行います。そのため、条件が適切に設定されていないと、意図しないレコードが更新されたり、作成されたりしてしまう可能性があります。
  • 競合条件: 複数のユーザーが同時にupdate_or_create()メソッドを実行した場合、競合条件が発生する可能性があります。競合条件を防ぐためには、適切なロック機構などを利用する必要があります。

QuerySet.update_or_create()メソッドは、レコードの更新と作成をまとめて処理できる便利な機能です。上記の解説を参考に、コードを効率化し、データベース操作をスマートに行いましょう。



Django QuerySet.update_or_create() メソッドのサンプルコード集

基本的な使い方

# ユーザー名からユーザーを取得
user = User.objects.get(username='taro')

# ユーザーが存在する場合は年齢を更新
user.update_or_create(age=20)

# メールアドレスからユーザーを取得
user, created = User.objects.update_or_create(email='[email protected]', defaults={'username': 'taro', 'age': 20})

# 作成された場合はTrue、更新された場合はFalse
if created:
    print('ユーザーを作成しました')
else:
    print('ユーザーを更新しました')

複合条件による存在確認

# ユーザー名とメールアドレスからユーザーを取得
user, created = User.objects.update_or_create(username='taro', email='[email protected]', defaults={'age': 20})

# ユーザー名とメールアドレスが一致するレコードが存在する場合は更新、存在しない場合は作成
if created:
    print('ユーザーを作成しました')
else:
    print('ユーザーを更新しました')

関連モデルの更新

# ブログ記事とコメント
class BlogPost(models.Model):
    title = models.CharField(max_length=255)

class Comment(models.Model):
    blog_post = models.ForeignKey(BlogPost, on_delete=models.CASCADE)
    author = models.CharField(max_length=255)
    text = models.TextField()

# ブログ記事を取得
blog_post = BlogPost.objects.get(pk=1)

# コメントが存在するかどうかを条件に更新
comment, created = Comment.objects.update_or_create(blog_post=blog_post, author='taro', defaults={'text': 'これはコメントです'})

# 作成された場合はTrue、更新された場合はFalse
if created:
    print('コメントを作成しました')
else:
    print('コメントを更新しました')

排他制御

from django.db import transaction

# トランザクション開始
with transaction.atomic():
    # ユーザー名からユーザーを取得
    user = User.objects.get(username='taro')

    # ユーザーが存在する場合は年齢を更新
    user.update_or_create(age=20)

# トランザクションコミット

その他

  • defaults引数には、モデルフィールドの値だけでなく、関数や式を指定することもできます。
  • update_or_create()メソッドは、DoesNotExist例外を発生させることはありません。レコードが存在しない場合は、createdフラグがTrueになり、objにはデフォルト値で作成された新しいオブジェクトが返されます。



Djangoでレコードを更新・作成する他の方法

get_or_create()メソッドは、update_or_create()メソッドと似ていますが、レコードが存在する場合は更新せず、新しいレコードを作成します。

# メールアドレスからユーザーを取得
user, created = User.objects.get_or_create(email='[email protected]')

# 作成された場合はTrue、更新された場合はFalse
if created:
    print('ユーザーを作成しました')
else:
    print('ユーザーが存在するため、作成しませんでした')

手動で更新・作成

get()メソッドでレコードを取得し、save()メソッドで更新・作成する方法もあります。

# メールアドレスからユーザーを取得
user = User.objects.get(email='[email protected]')

# ユーザーが存在する場合は年齢を更新
user.age = 20
user.save()

# 存在しない場合は新規作成
if not user.exists():
    user = User(email='[email protected]', age=20)
    user.save()

バルク更新・作成

bulk_create()メソッドやupdate()メソッドを使用すると、複数のレコードをまとめて更新・作成することができます。

# ユーザーリスト
users = [
    User(username='taro', email='[email protected]'),
    User(username='jiro', email='[email protected]'),
]

# ユーザーをまとめて作成
User.objects.bulk_create(users)

# ユーザーの年齢をまとめて更新
User.objects.filter(username__in=['taro', 'jiro']).update(age=20)

シグナル

pre_savepost_saveなどのシグナルを利用して、レコード更新・作成時の処理をカスタマイズすることができます。

from django.db.models.signals import pre_save

def my_pre_save_handler(sender, instance, **kwargs):
    # レコード更新前に処理を行う

pre_save.connect(my_pre_save_handler, sender=User)

update_or_create()メソッド以外にも、レコード更新・作成には様々な方法があります。状況に応じて最適な方法を選択しましょう。




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