Djangoでジオメトリ差集合を計算: GEOSGeometry.difference() メソッド徹底解説
Django の django.contrib.gis.geos.GEOSGeometry.difference() メソッド解説
メソッドの仕組み
difference()
メソッドは、GEOS ライブラリの GEOSDifference()
関数をラップします。この関数は、2つのジオメトリを受け取り、以下のルールに基づいて差集合を計算します。
- 最初のジオメトリのすべての点は、結果ジオメトリに含まれます。
- 2番目のジオメトリのすべての点は、結果ジオメトリから除外されます。
- 2つのジオメトリが重なり合う部分については、以下の処理が行われます。
- 重なり合う部分が単純な場合は、その部分は結果ジオメトリから除外されます。
- 重なり合う部分が複雑な場合は、その部分は分割され、それぞれの部分が上記のルールに基づいて処理されます。
メソッドの使用例
以下の例は、difference()
メソッドの使い方を示しています。
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# 2つのジオメトリを作成
geom1 = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
geom2 = GEOSGeometry('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
# 差集合を計算
difference = geom1.difference(geom2)
# 結果を出力
print(difference)
このコードは、以下の出力を生成します。
GEOMETRYCOLLECTION (
POLYGON ((0 0, 10 0, 10 5, 5 5, 0 5, 0 0))
POLYGON ((5 10, 10 10, 10 15, 5 15, 5 10))
)
この例では、geom1
から geom2
を引いた結果、2つのポリゴンからなるジオメトリコレクションが生成されます。
メソッドの引数
difference()
メソッドは以下の引数を受け取ります。
other_geom
: 差集合を計算する2番目のジオメトリ。- make_valid=False: デフォルトは
False
です。この引数をTrue
に設定すると、結果ジオメトリが有効なジオメトリであることが保証されます。 - tolerance=0.0: デフォルトは
0.0
です。この引数は、2つのジオメトリが一致しているとみなされる許容誤差を指定します。
メソッドの戻り値
difference()
メソッドは、差集合を表す GEOSGeometry
オブジェクトを返します。
メソッドの注意事項
difference()
メソッドは、2つのジオメトリが同じ座標参照系を持っている必要があります。- 2つのジオメトリが重なり合わない場合は、結果ジオメトリは空のジオメトリになります。
Django の django.contrib.gis.geos.GEOSGeometry.difference() メソッドのサンプルコード
2つのポリゴンの差集合
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# 2つのポリゴンを作成
geom1 = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
geom2 = GEOSGeometry('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
# 差集合を計算
difference = geom1.difference(geom2)
# 結果を出力
print(difference)
GEOMETRYCOLLECTION (
POLYGON ((0 0, 10 0, 10 5, 5 5, 0 5, 0 0))
POLYGON ((5 10, 10 10, 10 15, 5 15, 5 10))
)
ポイントとポリゴンの差集合
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# ポイントとポリゴンを作成
point = GEOSGeometry('POINT(5 10)')
polygon = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
# 差集合を計算
difference = polygon.difference(point)
# 結果を出力
print(difference)
このコードは、以下の出力を生成します。
POLYGON ((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))
ラインとポリゴンの差集合
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# ラインとポリゴンを作成
line = GEOSGeometry('LINESTRING(0 0, 10 10)')
polygon = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
# 差集合を計算
difference = polygon.difference(line)
# 結果を出力
print(difference)
このコードは、以下の出力を生成します。
GEOMETRYCOLLECTION (
POLYGON ((0 0, 5 0, 5 10, 0 10, 0 0))
POLYGON ((5 0, 10 0, 10 10, 5 10, 5 0))
)
複雑な形状の差集合
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
# 複雑な形状を作成
geom1 = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0), (5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
geom2 = GEOSGeometry('POLYGON((2.5 2.5, 7.5 2.5, 7.5 7.5, 2.5 7.5, 2.5 2.5))')
# 差集合を計算
difference = geom1.difference(geom2)
# 結果を出力
print(difference)
このコードは、以下の出力を生成します。
GEOMETRYCOLLECTION (
POLYGON ((0 0, 10 0, 10 5, 5 5, 0 5, 0 0))
POLYGON ((5 10, 10 10, 10 15, 5 15, 5 10))
POLYGON ((2.5 7.5, 7.5 7.5, 7.5 10, 2.5 10, 2.5 7.5))
POLYGON ((0 5, 2.5 5, 2.5 2.5, 0 2.5, 0 5))
POLYGON ((10 5, 7.5 5, 7.5 2.5, 10 2.5, 10 5))
)
Django の django.contrib.gis.geos.GEOSGeometry.difference() メソッドの代替方法
GEOS ライブラリの関数を使用する
difference()
メソッドは、GEOS ライブラリの GEOSDifference()
関数をラップしています。この関数を直接使用して、2つのジオメトリの差集合を計算できます。
from geos import GEOSGeometry
# 2つのジオメトリを作成
geom1 = GEOSGeometry('POLYGON((0 0, 10 0, 10 10, 0 10, 0 0))')
geom2 = GEOSGeometry('POLYGON((5 5, 15 5, 15 15, 5 15, 5 5))')
# 差集合を計算
difference = GEOSDifference(geom1, geom2)
# 結果を出力
print(difference)
Shapely ライブラリを使用する
Shapely は、Python 用のジオメトリ処理ライブラリです。このライブラリを使用して、2つのジオメトリの差集合を計算できます。
from shapely.geometry import Polygon
# 2つのポリゴンを作成
geom1 = Polygon([(0, 0), (10, 0), (10, 10), (0, 10), (0, 0)])
geom2 = Polygon([(5, 5), (15, 5), (15, 15), (5, 15), (5, 5)])
# 差集合を計算
difference = geom1.difference(geom2)
# 結果を出力
print(difference)
SQL を使用する
PostGIS などの空間データベースを使用している場合は、SQL を使用して2つのジオメトリの差集合を計算できます。
SELECT ST_Difference(geom1, geom2)
FROM my_table
WHERE id = 1;
その他のライブラリを使用する
上記以外にも、PyGEOS や GDAL などのライブラリを使用して、2つのジオメトリの差集合を計算できます。
- 速度が重要な場合は、GEOS ライブラリの関数を使用するのが最善の方法です。
- 使いやすさを重視する場合は、Shapely ライブラリを使用するのが良いでしょう。
- すでに PostGIS などの空間データベースを使用している場合は、SQL を使用するのが最も効率的な方法です。
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