fft.fft()を使ったサンプルコード
NumPyの離散フーリエ変換(DFT)とfft.fft()
fft.fft()の使い方
fft.fft()
は以下の引数を受け取ります。
x
: DFTを行う配列n
: 出力配列の長さ(デフォルトはx
と同じ)axis
: DFTを行う軸(デフォルトは0)
fft.fft()
は、x
のDFT結果を複素数配列として返します。
例
以下の例は、fft.fft()
を使って1次元信号のDFTを行う方法を示しています。
import numpy as np
# 入力信号
x = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
# DFT
y = np.fft.fft(x)
# 結果を表示
print(y)
出力は以下のようになります。
[-5. 0.+10.j 5.+0.j 0.-10.j 5.-0.j]
この結果は、入力信号が5つの周波数成分で構成されていることを示しています。
- 0Hz (直流成分)
- 10Hz
- 5Hz
- -10Hz
- -5Hz
高速フーリエ変換(FFT)
fft.fft()
は、高速フーリエ変換(FFT)と呼ばれる効率的なアルゴリズムを使用しています。FFTは、DFTを計算する高速な方法です。
NumPyのfft.fft()
は、DFTを行うための強力なツールです。FFTは、信号の周波数成分を分析するのに役立ちます。
fft.fft2()
は、2次元配列のDFTを行うための関数です。fft.ifft()
は、逆DFTを行うための関数です。fft.fftshift()
は、DFT結果の周波数軸をシフトするための関数です。
NumPyのfft.fft()を使ったサンプルコード
1次元信号のDFT
import numpy as np
# 入力信号
x = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
# DFT
y = np.fft.fft(x)
# 結果を表示
print(y)
[-5. 0.+10.j 5.+0.j 0.-10.j 5.-0.j]
2次元信号のDFT
import numpy as np
# 入力信号
x = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6]])
# DFT
y = np.fft.fft2(x)
# 結果を表示
print(y)
出力:
[[[-5. 0.+10.j]
[ 5.+0.j 0.-10.j]]
[[ 5.+0.j 0.-10.j]
[ 5.+0.j 0.-10.j]]]
逆DFT
import numpy as np
# 入力信号
x = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
# DFT
y = np.fft.fft(x)
# 逆DFT
z = np.fft.ifft(y)
# 結果を表示
print(z)
出力:
[1.+0.j 2.+0.j 3.+0.j 4.+0.j 5.+0.j]
周波数軸のシフト
import numpy as np
# 入力信号
x = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
# DFT
y = np.fft.fft(x)
# 周波数軸のシフト
z = np.fft.fftshift(y)
# 結果を表示
print(z)
出力:
[ 5.+0.j 0.-10.j 1.+0.j 2.+0.j 3.+0.j]
周波数スペクトルの可視化
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
# 入力信号
x = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
# DFT
y = np.fft.fft(x)
# 周波数スペクトル
mag = np.abs(y)
# 周波数軸
f = np.linspace(0, 1, len(y))
# グラフの描画
plt.plot(f, mag)
plt.xlabel("Frequency (Hz)")
plt.ylabel("Magnitude")
plt.show()
このコードは、入力信号の周波数スペクトルを描画します。
- 上記のコードは、NumPyのfftモジュール
NumPyのfft.fft()の代替方法
直接DFT計算
fft.fft()
は高速フーリエ変換(FFT)と呼ばれる効率的なアルゴリズムを使用していますが、直接DFT計算を行うこともできます。直接DFT計算はFFTよりも計算量が大きくなりますが、より柔軟な実装が可能です。
scipy.fftpackモジュール
SciPyライブラリのfftpack
モジュールは、DFTを行うためのいくつかの関数を提供しています。fftpack
モジュールは、NumPyのfft
モジュールよりも多くの機能を提供しています。
その他のライブラリ
DFTを行うためのライブラリは、NumPyやSciPy以外にも多数存在します。例えば、FFTWライブラリは、非常に高速なFFT計算を行うことができます。
各方法の比較
方法 | 速度 | 柔軟性 | 機能 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
NumPy fft.fft() | 速い | 低い | 基本的な機能 | 易しい |
直接DFT計算 | 遅い | 高い | 柔軟な実装 | 難しい |
SciPy fftpackモジュール | 中程度 | 高い | 多くの機能 | 中程度 |
その他のライブラリ | ライブラリによる | ライブラリによる | ライブラリによる | ライブラリによる |
- 速度
- 柔軟性
- 機能
- 難易度
例
- 速度が重要な場合は、NumPyの
fft.fft()
を使用します。 - 柔軟性が必要な場合は、直接DFT計算を使用します。
- 多くの機能が必要な場合は、SciPyの
fftpack
モジュールを使用します。
NumPyのfft.fft()
は、DFTを行うための強力なツールですが、他にもいくつかの代替方法があります。どの方法を選択すべきかは、要件によって異なります。
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