NumPy rec_append_fields() vs. np.insert(): 構造化配列にフィールドを追加する最適な方法は?
NumPy の User Guide における numpy.lib.recfunctions.rec_append_fields() の解説
ここでは、rec_append_fields()
の使い方について、より分かりやすく解説します。
概要
rec_append_fields()
は、以下の引数を受け取ります。
arr
: フィールドを追加する構造化配列names
: 追加するフィールドの名前のリストdtypes
: 追加するフィールドのデータ型のリストdata
: 追加するフィールドのデータのリスト
names
、dtypes
、data
はすべて同じ長さである必要があります。
例
以下の例は、rec_append_fields()
を使って構造化配列に新しいフィールドを追加する方法を示しています。
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを追加
new_names = ['c', 'd']
new_dtypes = [float, str]
new_data = [[1.5, 'x'], [2.5, 'y']]
arr = np.lib.recfunctions.rec_append_fields(arr, new_names, new_dtypes, new_data)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 2, 1.5, 'x')
# (3, 4, 2.5, 'y')]
この例では、arr
という構造化配列に c
と d
という2つの新しいフィールドを追加しています。c
フィールドは浮動小数点数型、d
フィールドは文字列型です。
詳細
rec_append_fields()
は、以下の点に注意する必要があります。
- 追加するフィールドの名前は、既存のフィールド名と重複してはいけません。
- 追加するフィールドのデータ型は、
arr
のデータ型と互換性がある必要があります。 - 追加するフィールドのデータの長さは、
arr
の長さと同じである必要があります。
まとめ
rec_append_fields()
は、NumPyの構造化配列に新しいフィールドを追加するための便利な関数です。この関数の使い方を理解することで、NumPyで構造化配列をより柔軟に操作することができます。
NumPy の rec_append_fields() のサンプルコード
異なるデータ型のフィールドを追加
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2.5), (3, 4.5)], dtype=[('a', int), ('b', float)])
# 新しいフィールドを追加
new_names = ['c', 'd']
new_dtypes = [str, bool]
new_data = [['x', True], ['y', False]]
arr = np.lib.recfunctions.rec_append_fields(arr, new_names, new_dtypes, new_data)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 2.5, 'x', True)
# (3, 4.5, 'y', False)]
スカラー値を追加
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを追加
new_names = ['c']
new_dtypes = [float]
new_data = [3.14, 6.28]
arr = np.lib.recfunctions.rec_append_fields(arr, new_names, new_dtypes, new_data)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 2, 3.14)
# (3, 4, 6.28)]
NumPy 配列を追加
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを追加
new_names = ['c']
new_dtypes = [np.int32]
new_data = np.array([5, 6])
arr = np.lib.recfunctions.rec_append_fields(arr, new_names, new_dtypes, new_data)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 2, 5)
# (3, 4, 6)]
マスクを使って条件付きでフィールドを追加
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2, 'x'), (3, 4, 'y'), (5, 6, 'z')], dtype=[('a', int), ('b', int), ('c', 'S1')])
# 条件
mask = arr['a'] > 2
# マスクに基づいて新しいフィールドを追加
new_names = ['d']
new_dtypes = [bool]
new_data = [True, False, True]
arr = np.lib.recfunctions.rec_append_fields(arr, new_names, new_dtypes, new_data, usemask=mask)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(3, 4, 'y', False)
# (5, 6, 'z', True)]
NumPy の構造化配列に新しいフィールドを追加する他の方法
np.insert()
を使って、構造化配列の既存のフィールドの間に新しいフィールドを挿入することができます。
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを挿入
new_name = 'c'
new_data = [3.14, 6.28]
arr = np.insert(arr, 1, [(new_name, new_data)], axis=1)
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 3.14, 2)
# (3, 6.28, 4)]
np.column_stack()
を使って、構造化配列と新しいフィールドを結合することができます。
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを作成
new_name = 'c'
new_data = np.array([3.14, 6.28])
# 構造化配列と新しいフィールドを結合
arr = np.column_stack((arr, new_data.reshape(-1, 1)))
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [[1 2 3.14]
# [3 4 6.28]]
手動でフィールドを追加
構造化配列の dtype
属性を変更することで、手動で新しいフィールドを追加することができます。
import numpy as np
# 構造化配列を作成
arr = np.array([(1, 2), (3, 4)], dtype=[('a', int), ('b', int)])
# 新しいフィールドを追加
new_name = 'c'
new_dtype = float
arr.dtype.names = arr.dtype.names + (new_name,)
arr.dtype.fields[new_name] = new_dtype
# 新しいフィールドに値を設定
arr[new_name] = [3.14, 6.28]
# 結果を確認
print(arr)
# 出力
# [(1, 2, 3.14)
# (3, 4, 6.28)]
これらの方法はそれぞれ、異なる利点と欠点があります。
rec_append_fields()
は、最も簡単で使いやすい方法です。np.insert()
は、既存のフィールドの間に新しいフィールドを挿入したい場合に便利です。np.column_stack()
は、構造化配列と新しいフィールドを結合したい場合に便利です。- 手動でフィールドを追加する方法は、最も柔軟な方法ですが、最も複雑でもあります。
状況に応じて、最適な方法を選択してください。
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