統計的推定に役立つ!NumPy random.noncentral_f()による非中心F分布からの乱数生成
NumPyのRandom Samplingにおけるrandom.noncentral_f()解説
非中心F分布とは
F分布は、2つの独立したカイ二乗分布の比から得られる確率分布です。一方、非中心F分布は、F分布に非中心性パラメータλ
を加えたものです。
random.noncentral_f()の引数と返り値
df1
: 自由度1 (正の整数)noncent
: 非中心性パラメータ (非負の実数)- 返り値: 非中心F分布に従う乱数 (形状はdf1とdf2)
例:非中心F分布からの乱数生成
import numpy as np
# 自由度と非中心性パラメータの設定
df1 = 5
df2 = 10
noncent = 2.0
# 非中心F分布からの乱数生成
rv = np.random.noncentral_f(df1, df2, noncent)
# 結果の出力
print(rv)
補足
random.noncentral_f()
は、比較的複雑な分布からの乱数を生成するため、他の関数と比べて処理速度が遅くなる場合があります。- 非中心F分布は、様々な統計的推定問題で利用されます。
NumPy random.noncentral_f() のサンプルコード
非中心F分布の確率密度関数 (PDF) の可視化
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
# パラメータの設定
df1 = 5
df2 = 10
noncent = 2.0
# 非中心F分布からの乱数生成
x = np.linspace(0, 10, 100)
y = np.random.noncentral_f(df1, df2, noncent, size=len(x))
# PDFの可視化
plt.plot(x, y)
plt.xlabel("x")
plt.ylabel("PDF")
plt.title("Noncentral F distribution (df1=%d, df2=%d, noncent=%f)" % (df1, df2, noncent))
plt.show()
非中心F分布に基づく仮説検定
import numpy as np
# パラメータの設定
df1 = 5
df2 = 10
noncent = 2.0
# サンプルデータの生成
data1 = np.random.normal(0, 1, size=10)
data2 = np.random.noncentral_f(df1, df2, noncent, size=10)
# t検定による仮説検定
t_stat, p_val = stats.ttest_ind(data1, data2)
# 結果の出力
print("t-statistic:", t_stat)
print("p-value:", p_val)
# 結論
if p_val < 0.05:
print("データ間に有意差がある")
else:
print("データ間に有意差がない")
非中心F分布に基づく信頼区間
import numpy as np
from scipy import stats
# パラメータの設定
df1 = 5
df2 = 10
noncent = 2.0
# サンプルデータの生成
data = np.random.noncentral_f(df1, df2, noncent, size=100)
# 信頼区間の計算
confidence_interval = stats.noncentral_f_interval(0.95, df1, df2, noncent, data.mean())
# 結果の出力
print("信頼区間:", confidence_interval)
その他のサンプルコード
- 異なる非中心性パラメータにおけるPDFの比較
- 自由度を変えた場合のPDFの変化
- 非中心F分布に基づくシミュレーション
非中心F分布からの乱数を生成する他の方法
逆分布法は、確率分布の逆関数を用いて乱数を生成する方法です。非中心F分布の場合、逆分布関数は解析的に求めることができないため、数値的に解く必要があります。
棄却サンプリングは、ある分布からの乱数を生成し、それを別の分布に合うように調整する方法です。非中心F分布の場合、ガンマ分布とカイ二乗分布を用いて棄却サンプリングを行うことができます。
メトロポリス・ヘイスティングス法は、マルコフ連鎖モンテカルロ法の一種で、標本空間をランダムに探索し、平衡分布に従う乱数を生成する方法です。
それぞれの方法の利点と欠点
- 逆分布法: 計算速度が速い
- 数値解法が必要
- 棄却サンプリング: 汎用性が高い
- 受け入れ率が低く、計算速度が遅い場合がある
- メトロポリス・ヘイスティングス法: 複雑な分布にも適用できる
- チューニングが難しい
具体的な状況によって、どの方法を選択するのが最適かが変わってきます。
- 計算速度が重要な場合は、逆分布法が適しています。
- 汎用性の高い方法が必要な場合は、棄却サンプリングが適しています。
- 複雑な分布からの乱数を生成する必要がある場合は、メトロポリス・ヘイスティングス法が適しています。
- Numerical Recipes in C++: The Art of Scientific Computing, 3rd Edition by William H. Press, Saul A. Teukolsky, William T. Vetterling, and Brian P. Flannery
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