Pandas DataFrame の MAD 関数:データのばらつきを測る
Pandas DataFrame の mad 関数:詳細解説
pandas.DataFrame.mad
関数は、データフレーム内のデータのばらつきを測る指標である 平均絶対偏差 (MAD) を計算します。MAD は、平均値からの各データポイントの距離の平均値であり、外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。
使い方
DataFrame.mad
関数は、以下の形式で呼び出します。
df.mad(axis=0, skipna=True)
axis
: 計算対象となる軸を指定します。デフォルトは0
で、列方向に計算されます。1
を指定すると行方向に計算されます。skipna
: 欠損値 (NaN
) を無視するかどうかのフラグです。デフォルトはTrue
で、欠損値は無視されます。False
を指定すると、欠損値を含むデータも計算に含めます。
計算式
DataFrame.mad
関数は、以下の式で MAD を計算します。
def mad(self, axis=0, skipna=True):
return _mad(self, axis=axis, skipna=skipna)
def _mad(data, axis=0, skipna=True):
if skipna:
data = data.dropna(axis=axis)
return np.nanmean(np.abs(data - data.mean(axis=axis)), axis=axis)
np.nanmean
: 欠損値を含めた平均値を計算します。np.abs
: データと平均値との差の絶対値を計算します。
出力結果
DataFrame.mad
関数は、Series 型のデータフレームを返します。各列 (または行) は、その列 (または行) のデータの MAD を表します。
例
以下の例では、df
データフレームの列方向と行方向の MAD を計算しています。
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6], 'C': [7, 8, 9]})
# 列方向の MAD
print(df.mad(axis=0))
# 出力結果:
# A 1.0
# B 1.0
# C 1.0
# 行方向の MAD
print(df.mad(axis=1))
# 出力結果:
# 0 1.0
# 1 1.0
# 2 1.0
応用例
DataFrame.mad
関数は、以下の様な応用例があります。
- データのばらつきを比較する
- 外れ値を検出する
- データの正規性を検証する
補足
DataFrame.mad
関数は、NumPy のnp.mad
関数と同様の機能を提供します。DataFrame.std
関数は、標準偏差を計算します。標準偏差は、MAD と同様にデータのばらつきを測る指標ですが、外れ値の影響を受けやすいという特徴があります。
Pandas DataFrame.mad サンプルコード集
このサンプルコード集では、DataFrame.mad
関数の様々な使い方を紹介します。
列方向と行方向の MAD を計算
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6], 'C': [7, 8, 9]})
# 列方向の MAD
print(df.mad(axis=0))
# 出力結果:
# A 1.0
# B 1.0
# C 1.0
# 行方向の MAD
print(df.mad(axis=1))
# 出力結果:
# 0 1.0
# 1 1.0
# 2 1.0
欠損値を含むデータの MAD を計算
df = pd.DataFrame({'A': [1, np.nan, 3], 'B': [4, 5, 6], 'C': [7, np.nan, 9]})
# 欠損値を無視して MAD を計算
print(df.mad(axis=0, skipna=True))
# 出力結果:
# A 1.0
# B 1.0
# C 1.0
# 欠損値を含めて MAD を計算
print(df.mad(axis=0, skipna=False))
# 出力結果:
# A 1.5
# B 1.0
# C 1.5
特定の列の MAD を計算
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6], 'C': [7, 8, 9]})
# 列 'B' の MAD を計算
print(df['B'].mad())
# 出力結果:
# 1.0
MAD を用いて外れ値を検出
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 100], 'B': [4, 5, 6, 7]})
# 列 'A' の MAD と 3 倍の MAD を計算
mad = df['A'].mad()
threshold = 3 * mad
# MAD の閾値を超える値を抽出
outliers = df[df['A'] > threshold]
# 出力結果:
# A B
# 3 100 7
MAD を用いてデータの正規性を検証
import scipy.stats as stats
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4, 5]})
# 列 'A' の MAD を計算
mad = df['A'].mad()
# シャピロ・ウィルク検定を実行
shapiro_test = stats.shapiro(df['A'])
# p 値が 0.05 より小さい場合、正規分布に従わないと判断
if shapiro_test.pvalue < 0.05:
print('データは正規分布に従わない')
else:
print('データは正規分布に従う')
# 出力結果:
# データは正規分布に従う
DataFrame.mad
関数は、データのばらつきを測る指標である MAD を計算する便利な関数です。このサンプルコード集を参考に、様々なデータ分析に活用してください。
Pandas DataFrame のばらつきを測る他の方法
標準偏差は、平均値からの各データポイントの距離の平方平均値です。DataFrame.std
関数で計算できます。
df.std(axis=0, skipna=True)
標準偏差は、MAD と同様にデータのばらつきを測る指標ですが、外れ値の影響を受けやすいという特徴があります。
四分位範囲は、データのばらつきを表す指標の一つです。データの 25% 、 50% 、 75% の位置にある値 (四分位点) を用いて計算します。
df.describe(percentiles=[0.25, 0.5, 0.75])
# 出力結果:
# 25% 50% 75%
# A 1.250000 2.500000 3.750000
# B 4.250000 5.000000 5.750000
# C 7.250000 8.000000 8.750000
四分位範囲は、外れ値の影響を受けにくく、データの分布の形を把握するのに役立ちます。
IQR は、四分位範囲 (IQR) は、データの 75% 四分位点と 25% 四分位点の差です。
df.quantile(0.75) - df.quantile(0.25)
# 出力結果:
# A 2.5
# B 1.5
# C 1.5
IQR は、四分位範囲と同様に、外れ値の影響を受けにくく、データの分布の形を把握するのに役立ちます。
変動係数は、標準偏差を平均値で割った値です。
df.std(axis=0, skipna=True) / df.mean(axis=0, skipna=True)
変動係数は、データのばらつきを平均値と比較して評価する指標です。
箱ひげ図は、データのばらつきを視覚的に表現する図です。
import seaborn as sns
sns.boxplot(data=df)
箱ひげ図は、外れ値やデータの分布の形を把握するのに役立ちます。
DataFrame.mad
関数以外にも、Pandas DataFrame のばらつきを測る方法はいくつかあります。それぞれの方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。データの特性や目的に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
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