PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う
PyTorch Tensor の hardshrink() メソッド
メソッドの概要
- 引数
self
: 入力テンソルlambd
: 閾値 (デフォルト: 0.5)
- 戻り値
例
import torch
# 入力テンソル
x = torch.tensor([-1.2, 0.5, 1.8, -0.3])
# 閾値0.5でhardshrink
y = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)
print(y)
出力:
tensor([-0.0000, 0.5000, 1.8000, 0.0000])
上記の例では、x
の要素のうち、絶対値が0.5を超える 0.5
と 1.8
はそのまま出力され、その他の要素は0になっています。
応用例
- 画像処理におけるノイズ除去
- スパース化
- 活性化関数の代替
lambd
を0に設定すると、すべての要素が0になります。lambd
を大きくすると、より多くの要素が0になります。- inplace=True オプションを指定すると、入力テンソル自体が書き換えられます。
補足
- hardshrink() メソッドは、勾配計算が可能です。
- hardshrink() メソッドは、量子化にも使用できます。
PyTorch Tensor の hardshrink() メソッド サンプルコード
画像処理におけるノイズ除去
import torch
import torchvision
# 画像の読み込み
image = torchvision.datasets.MNIST(
"./data",
download=True,
train=False,
).data[0]
# ノイズを加える
noise = torch.randn(image.size())
noisy_image = image + noise
# ハードシュリンクによるノイズ除去
denoised_image = torch.hardshrink(noisy_image, lambd=0.1)
# 画像の表示
import matplotlib.pyplot as plt
plt.subplot(131)
plt.imshow(image, cmap="gray")
plt.title("Original")
plt.subplot(132)
plt.imshow(noisy_image, cmap="gray")
plt.title("Noisy")
plt.subplot(133)
plt.imshow(denoised_image, cmap="gray")
plt.title("Denoised")
plt.show()
スパース化
import torch
# ランダムなテンソルの作成
x = torch.randn(10, 10)
# ハードシュリンクによるスパース化
y = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)
# スパース度
sparsity = 100. * (1 - y.nelement() / x.nelement())
print(f"スパース度: {sparsity:.2f}%")
活性化関数の代替
import torch
# シグモイド関数とハードシュリンク関数の比較
x = torch.linspace(-2, 2, 100)
y_sigmoid = torch.sigmoid(x)
y_hardshrink = torch.hardshrink(x, lambd=0.5)
import matplotlib.pyplot as plt
plt.plot(x, y_sigmoid, label="Sigmoid")
plt.plot(x, y_hardshrink, label="Hardshrink")
plt.legend()
plt.show()
- 上記のサンプルコードは、あくまでも参考です。
- 具体的な用途に合わせて、コードを修正する必要があります。
PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う他の方法
手動で実装する
def hardshrink(x, lambd):
"""
要素ごとにハードシュリンクを行う関数
Args:
x: 入力テンソル
lambd: 閾値
Returns:
出力テンソル
"""
y = torch.zeros_like(x)
for i in range(x.size(0)):
for j in range(x.size(1)):
if abs(x[i, j]) > lambd:
y[i, j] = x[i, j]
return y
torch.where() を使用する
def hardshrink(x, lambd):
"""
要素ごとにハードシュリンクを行う関数
Args:
x: 入力テンソル
lambd: 閾値
Returns:
出力テンソル
"""
return torch.where(torch.abs(x) > lambd, x, torch.zeros_like(x))
どの方法を選択するべきかは、以下の要素を考慮する必要があります。
-
処理速度
-
メモリ使用量
-
コードの簡潔性
-
処理速度が重要な場合は、手動で実装する方法が最も高速です。
-
メモリ使用量が重要な場合は、
torch.where()
を使用する方法は最もメモリ効率的です。 -
コードの簡潔性が重要な場合は、
torch.Tensor.hardshrink()
メソッドを使用するのが最も簡単です。
PyTorch Tensor の要素ごとに閾値処理を行う方法はいくつかあります。それぞれ
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