【初心者向け】PyTorch Tensor の fmod メソッド:剰余算を計算する便利な関数
PyTorch Tensor の torch.Tensor.fmod メソッド解説
メソッドの概要
*torch.Tensor.fmod(divisor, , out=None)
引数
divisor
: 割り算の相手となるテンソルまたは数値out
(省略可): 出力テンソルを格納するテンソル (デフォルト: None)
戻り値
入力テンソルと divisor
の要素ごとの剰余算を計算したテンソル
詳細
torch.Tensor.fmod
メソッドは、Python の %
演算子と同様の動作をします。ただし、%
演算子は整数同士の剰余算のみを計算できる一方、torch.Tensor.fmod
メソッドは、浮動小数点数の剰余算も計算できます。
また、torch.Tensor.fmod
メソッドは、テンソル同士の剰余算 も計算できます。
例
import torch
# 2つのテンソルの要素ごとの剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
# テンソルと数値の剰余算を計算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
torch.Tensor.fmod
メソッドと torch.Tensor.__mod__
演算子は、どちらも要素ごとの剰余算を計算します。しかし、以下の点で違いがあります。
torch.Tensor.fmod
メソッドは、浮動小数点数の剰余算 を計算できます。一方、torch.Tensor.__mod__
演算子は、整数同士の剰余算のみ を計算できます。
例
# 浮動小数点数の剰余算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0
c = a % b
print(c)
# 出力:
# RuntimeError: result type Float can't be cast to the desired output type Int
d = torch.fmod(a, b)
print(d)
# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
# テンソル同士の剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])
c = a % b
print(c)
# 出力:
# RuntimeError: unsupported type: torch.Tensor
d = torch.fmod(a, b)
print(d)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
torch.Tensor.fmod
メソッドは、テンソルの要素ごとの剰余算を計算する便利な関数です。浮動小数点数やテンソル同士の剰余算も計算できるので、幅広い場面で活用できます。
torch.Tensor.__mod__
演算子と比較して、torch.Tensor.fmod
メソッドは以下の利点があります。
- 浮動小数点数の剰余算を計算できる
- テンソル同士の剰余算を計算できる
これらの利点を活かして、剰余算が必要な場面で torch.Tensor.fmod
メソッドを利用しましょう。
torch.Tensor.fmod メソッドのサンプルコード
基本的な剰余算
import torch
# テンソルと数値の剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
# テンソルとテンソルの剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([4, 5, 6])
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
浮動小数点数の剰余算
# 浮動小数点数の剰余算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
out 引数の使用
# out引数を使用して出力テンソルを指定
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4
out = torch.empty_like(a)
c = torch.fmod(a, b, out=out)
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
ブロードキャスト
# ブロードキャストによる剰余算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([2, 3, 4])
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 1, 3])
その他の例
- 特定の条件に基づいて剰余算を計算
# 特定の条件に基づいて剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3, 4, 5])
b = 2
c = torch.where(a % b == 0, a, torch.fmod(a, b))
print(c)
# 出力:
# tensor([2, 4, 1, 3, 5])
- 剰余算を使用して小数点以下の桁数を丸める
# 剰余算を使用して小数点以下の桁数を丸める
a = torch.tensor([1.2345, 2.3456, 3.4567])
b = 0.1
c = torch.fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([0.0345, 0.3456, 0.4567])
torch.Tensor.fmod メソッド以外の剰余算の計算方法
% 演算子
Python の %
演算子を使用して、テンソルの要素ごとの剰余算を計算できます。ただし、この方法は 整数同士の剰余算のみ を計算できます。
# %演算子を使用して剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = 4
c = a % b
print(c)
# 出力:
# tensor([1, 2, 3])
torch.remainder 関数
torch.remainder
関数は、torch.Tensor.fmod
メソッドと同様の動作をします。ただし、torch.remainder
関数は、ゼロ除算が発生した場合にエラーを出力する 点が異なります。
# torch.remainder関数を使用して剰余算を計算
a = torch.tensor([1, 2, 3])
b = torch.tensor([0, 0, 0])
c = torch.remainder(a, b)
print(c)
# 出力:
# RuntimeError: division by zero encountered in element 0
手動による剰余算の計算
以下の式を使用して、手動で剰余算を計算することもできます。
def my_fmod(a, b):
"""
手動で剰余算を計算する関数
Args:
a: 入力テンソル
b: 割り算の相手となるテンソルまたは数値
Returns:
剰余算を計算したテンソル
"""
c = torch.div(a, b)
d = torch.floor(c)
e = torch.mul(d, b)
f = torch.sub(a, e)
return f
# 手動による剰余算の計算
a = torch.tensor([1.5, 2.5, 3.5])
b = 2.0
c = my_fmod(a, b)
print(c)
# 出力:
# tensor([0.5, 0.5, 0.5])
- 速度が重要な場合は、
%
演算子を使用するのが最速です。 - ゼロ除算が発生する可能性がある場合は、
torch.remainder
関数を使用する必要があります。 - 浮動小数点数の剰余算を計算する場合は、
torch.Tensor.fmod
メソッドまたは手動による計算が必要です。
PyTorch で剰余算を計算するには、さまざまな方法があります。それぞれの方法には長所と短所があるので、状況に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
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