上三角行列や転置行列も対応:PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド
PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド解説
概要
使用例
import torch
# 三角行列とベクトルを定義
A = torch.tril(torch.randn(3, 3))
b = torch.randn(3)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
引数
A
(torch.Tensor
): 三角行列 (正方行列)。b
(torch.Tensor
): ベクトル。upper
(bool, オプション): デフォルトはFalse
。True
の場合、A
は上三角行列とみなされます。
詳細
torch.triangular_solve
メソッドは、LU分解やQR分解などのアルゴリズムに基づいています。- 行列
A
が正則行列でない場合、解は存在しないか、一意でない可能性があります。
補足
torch.triangular_solve
メソッドは、バッチ処理にも対応しています。- 解の精度を向上させるために、
torch.float64
などの高精度データ型を使用することができます。
例題
連立方程式を解く
# 連立方程式を定義
A = torch.tensor([[2, 1], [4, 3]])
b = torch.tensor([5, 14])
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)
# 結果を確認
print(x) # tensor([ 1., 2.])
逆行列を計算する
# 逆行列を計算
A_inv = torch.triangular_solve(torch.eye(3), torch.eye(3), upper=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A_inv @ A, torch.eye(3))) # True
PyTorch Tensor の triangular_solve メソッドのサンプルコード
連立方程式を解く
import torch
# 連立方程式を定義
A = torch.tensor([[2, 1], [4, 3]])
b = torch.tensor([5, 14])
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)
# 結果を確認
print(x) # tensor([ 1., 2.])
逆行列を計算する
# 逆行列を計算
A_inv = torch.triangular_solve(torch.eye(3), torch.eye(3), upper=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A_inv @ A, torch.eye(3))) # True
バッチ処理
# バッチサイズ
batch_size = 10
# ランダムな三角行列とベクトルを生成
A = torch.tril(torch.randn(batch_size, 3, 3))
b = torch.randn(batch_size, 3)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
高精度データ型
# 高精度データ型を使用
A = torch.tril(torch.randn(3, 3, dtype=torch.float64))
b = torch.randn(3, dtype=torch.float64)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
上三角行列
# 上三角行列を使用
A = torch.triu(torch.randn(3, 3))
b = torch.randn(3)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, upper=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
転置行列
# 転置行列を使用
A = torch.randn(3, 3).t()
b = torch.randn(3)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, transpose=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
単位三角行列
# 単位三角行列を使用
A = torch.eye(3)
b = torch.randn(3)
# 解を計算
x = torch.triangular_solve(A, b, unitriangular=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
PyTorch Tensor の triangular_solve メソッド以外の方法
LU分解は、行列を下三角行列と上三角行列の積に分解する方法です。この方法を用いると、線形方程式系を効率的に解くことができます。
import torch
# LU分解
P, L, U = torch.lu(A)
# 解を計算
y = torch.triangular_solve(L, b)
x = torch.triangular_solve(U, y, upper=True)
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
QR分解は、行列を直交行列と上三角行列の積に分解する方法です。LU分解と同様に、線形方程式系を効率的に解くことができます。
import torch
# QR分解
Q, R = torch.qr(A)
# 解を計算
y = torch.triangular_solve(R, b)
x = Q @ y
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
共役勾配法は、対称行列の線形方程式系を解くための反復法です。LU分解やQR分解よりも効率的な場合があり、特に大規模な行列に対して有効です。
import torch
# 共役勾配法
x = torch.linalg.solve_triangular(A, b, method="cg")
# 結果を確認
print(torch.allclose(A @ x, b)) # True
その他のライブラリ
SciPyなどのライブラリには、線形方程式系を解くための様々なツールが含まれています。
from scipy.linalg import solve
# 解を計算
x = solve(A, b)
# 結果を確認
print(np.allclose(A @ x, b)) # True
これらの方法はそれぞれ、異なる利点と欠点があります。最適な方法は、問題の規模と構造によって異なります。
torch.Tensor.triangular_solve
メソッドは、線形方程式系を解くための強力なツールです。しかし、他にもいくつかの方法があります。最適な方法は、問題の規模と構造によって異なります。
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