PyTorch DE vs Horovod: どっちを選ぶべきか?
PyTorch Distributed Elasticにおけるtorch.distributed.elastic.agent.server.SimpleElasticAgent._assign_worker_ranks()解説
PyTorch DEは、分散環境でPyTorchモデルの訓練を可能にするライブラリです。複数のワーカーノードでモデルの訓練を並列実行することで、訓練時間を大幅に短縮することができます。
PyTorch DEには、いくつかの重要な概念があります。
- ワーカーノード: モデル訓練に参加する個々のコンピュータ
- グローバルランク: ワーカノード全体で一意に識別される番号
- ローカルランク: ワーカグループ内でのみ一意に識別される番号
- ワーカグループ: 同じ訓練ジョブに参加するワーカーノードの集合
_assign_worker_ranks()
は、ワーカーノードにグローバルランクとローカルランクを割り当てる関数です。この関数は、以下の手順で実行されます。
- ワーカノードから送信された接続要求を処理します。
- ワーカグループIDに基づいて、ワーカーノードをグループに分類します。
- 各ワーカーグループ内のワーカーノードに、ローカルランクを割り当てます。
- すべてのワーカーノードに、グローバルランクとローカルランクを通知します。
コード解説
def _assign_worker_ranks(self, worker_group, world_size):
"""
Assigns ranks to workers in the given worker group.
Args:
worker_group: The worker group to assign ranks to.
world_size: The total number of workers in the global job.
Returns:
A dictionary mapping worker names to their assigned ranks.
"""
# 1. ワーカグループ内のワーカーノードのリストを取得
worker_names = list(worker_group.workers.keys())
# 2. ランダムにシャッフル
random.shuffle(worker_names)
# 3. ローカルランクを割り当て
local_ranks = list(range(len(worker_names)))
# 4. グローバルランクを計算
global_ranks = [
self._global_rank_base + local_rank for local_rank in local_ranks
]
# 5. ワーカノードにランクを通知
for worker_name, global_rank, local_rank in zip(
worker_names, global_ranks, local_ranks
):
worker_group.workers[worker_name].send_rank(global_rank, local_rank)
# 6. ランク情報を含む辞書を返却
return dict(zip(worker_names, global_ranks))
まとめ
_assign_worker_ranks()
は、PyTorch DEにおける重要な関数です。この関数は、ワーカーノードにランクを割り当てることで、分散訓練を効率的に実行することができます。
PyTorch Distributed Elastic サンプルコード
ここでは、PyTorch DE を使用した様々なサンプルコードを紹介します。
MNIST データセットを用いたシンプルな分類タスクのサンプルコードです。
import torch
import torch.distributed as dist
import torch.distributed.elastic as elastic
# ワーカノードの初期化
dist.init_process_group(backend="nccl")
# モデル定義
model = torch.nn.Sequential(
torch.nn.Flatten(),
torch.nn.Linear(784, 10),
)
# 訓練データの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
MNIST("data", train=True, download=True),
batch_size=64,
shuffle=True,
)
# 訓練ループ
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
# モデルの推論
output = model(data)
# 損失関数の計算
loss = torch.nn.CrossEntropyLoss()(output, target)
# バックプロパゲーション
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
# モデルの保存
torch.save(model.state_dict(), "mnist.ckpt")
画像分類
ImageNet データセットを用いた画像分類タスクのサンプルコードです。
import torch
import torchvision
import torch.distributed as dist
import torch.distributed.elastic as elastic
# ワーカノードの初期化
dist.init_process_group(backend="nccl")
# モデル定義
model = torchvision.models.resnet18(pretrained=True)
# 訓練データの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
ImageNet("data", train=True, download=True),
batch_size=64,
shuffle=True,
)
# 訓練ループ
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
# モデルの推論
output = model(data)
# 損失関数の計算
loss = torch.nn.CrossEntropyLoss()(output, target)
# バックプロパゲーション
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
# モデルの保存
torch.save(model.state_dict(), "imagenet.ckpt")
カスタムモデル
上記以外にも、PyTorch DE は様々なモデルやデータセットに対応しています。カスタムモデルを使用する場合は、以下のコードを参考にすれば、簡単に分散訓練を行うことができます。
import torch
import torch.distributed as dist
import torch.distributed.elastic as elastic
# ワーカノードの初期化
dist.init_process_group(backend="nccl")
# モデル定義
class MyModel(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
# モデルのアーキテクチャを定義
# 訓練データの読み込み
train_loader = torch.utils.data.DataLoader(
# 訓練データセットを定義
)
# モデルのインスタンス化
model = MyModel()
# 訓練ループ
for epoch in range(10):
for batch_idx, (data, target) in enumerate(train_loader):
# モデルの推論
output = model(data)
# 損失関数の計算
loss = torch.nn.CrossEntropyLoss()(output, target)
# バックプロパゲーション
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータの更新
optimizer.step()
# モデルの保存
torch.save(model.state_dict(), "my_model.ckpt")
PyTorch DE は、PyTorch モデルの分散訓練を簡単に行えるライブラリです。様々なサンプルコード
PyTorch Distributed Elastic 以外の分散訓練方法
- スケーラビリティ: PyTorch DE は、大規模な分散訓練には対応していない可能性があります。
- 柔軟性: PyTorch DE は、特定の訓練ユースケースに適していない可能性があります。
以下は、PyTorch DE 以外の分散訓練方法です。
Horovod は、OpenAI によって開発されたオープンソースの分散訓練ライブラリです。PyTorch を含む様々なフレームワークに対応しており、大規模な分散訓練を効率的に実行することができます。
TensorFlow Distributed Training
TensorFlow には、分散訓練機能が標準で搭載されています。TensorFlow の API を使用して、簡単に分散訓練を行うことができます。
Ray は、分散アプリケーション開発のためのオープンソースプラットフォームです。Ray を使用して、PyTorch モデルの分散訓練を行うことができます。
Kubernetes は、コンテナオーケストレーションプラットフォームです。Kubernetes を使用して、PyTorch モデルの分散訓練を行うことができます。
選択のポイント
PyTorch DE 以外の分散訓練方法を選択する場合は、以下のポイントを考慮する必要があります。
- スケーラビリティ: 訓練ジョブの規模を考慮する必要があります。
- 柔軟性: 訓練ユースケースの要件を満たす必要があります。
- 使いやすさ: 開発者のスキルレベルを考慮する必要があります。
PyTorch DE は、PyTorch モデルの分散訓練を簡単に行えるライブラリですが、いくつかの制限があります。訓練ジョブの規模や要件によっては、PyTorch DE 以外の分散訓練方法を選択する必要があります。
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