PyTorchの逆フーリエ変換:torch.fft.ihfftnとその他の方法
PyTorchの離散フーリエ変換:torch.fft.ihfftn
torch.fft.ihfftn
は、PyTorchにおける多次元逆離散フーリエ変換(IDFT)の実装です。これは、フーリエ変換によって周波数領域に変換されたデータを元の空間に戻すための関数です。
使い方
import torch
# 入力データ
input_data = torch.randn(2, 3, 4, dtype=torch.complex128)
# 逆フーリエ変換
output_data = torch.fft.ihfftn(input_data)
# 出力データの形状
print(output_data.shape) # torch.Size([2, 3, 4])
引数
input
: 入力テンソル。複素数型である必要があります。s
: 入力テンソルの各次元におけるフーリエ変換サイズ。デフォルトはNoneで、入力テンソルの形状と同じになります。norm
: 逆フーリエ変換の出力スケーリングを制御します。デフォルトはFalse
で、出力は入力と同じスケールになります。True
に設定すると、出力は入力のフーリエ変換と同じスケールになります。
出力
逆フーリエ変換の結果。入力テンソルと同じ形状と型になります。
応用例
- 画像処理:画像復元、ノイズ除去、フィルタリングなど
- 音声処理:音声復元、ノイズ除去、音声合成など
- 信号処理:信号復元、フィルタリング、スペクトル分析など
補足
torch.fft
モジュールには、torch.fft.fftn
など、他のフーリエ変換関連関数も含まれています。
PyTorchの離散フーリエ変換:torch.fft.ihfftn サンプルコード
1D 逆フーリエ変換
import torch
import matplotlib.pyplot as plt
# 入力データ
x = torch.linspace(-10, 10, 100)
y = torch.sin(2 * torch.pi * 3 * x) + torch.sin(2 * torch.pi * 7 * x)
# フーリエ変換
yf = torch.fft.fftn(y)
# 逆フーリエ変換
y_inv = torch.fft.ihfftn(yf)
# 結果の可視化
plt.plot(x, y.numpy(), label="Original")
plt.plot(x, y_inv.numpy(), label="Inverse Fourier Transform")
plt.legend()
plt.show()
2D 逆フーリエ変換
import torch
import matplotlib.pyplot as plt
# 入力データ
img = torch.randn(64, 64, dtype=torch.complex128)
# フーリエ変換
ft = torch.fft.fftn(img)
# 逆フーリエ変換
img_inv = torch.fft.ihfftn(ft)
# 結果の可視化
plt.subplot(121)
plt.imshow(img.abs().numpy(), cmap="gray")
plt.title("Original Image")
plt.subplot(122)
plt.imshow(img_inv.abs().numpy(), cmap="gray")
plt.title("Inverse Fourier Transform")
plt.show()
3D 逆フーリエ変換
import torch
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
# 入力データ
vol = torch.randn(32, 32, 32, dtype=torch.complex128)
# フーリエ変換
ft = torch.fft.fftn(vol)
# 逆フーリエ変換
vol_inv = torch.fft.ihfftn(ft)
# 結果の可視化
# 3Dボリュームの可視化は複雑なため、ここではスライスを表示します
slice = vol_inv.abs().numpy()[:, :, 16]
plt.imshow(slice, cmap="gray")
plt.title("Inverse Fourier Transform Slice")
plt.show()
応用
上記のサンプルコードは、画像処理、音声処理、信号処理などのさまざまな分野で応用することができます。
PyTorchの逆フーリエ変換:その他の方法
torch.ifft
は、1次元逆フーリエ変換を行う関数です。多次元逆フーリエ変換を行う場合は、ループ処理で各次元に対してtorch.ifft
を適用する必要があります。
import torch
# 入力データ
x = torch.randn(100, dtype=torch.complex128)
# 1次元逆フーリエ変換
y = torch.ifft(x)
# 結果の確認
print(y.shape) # torch.Size([100])
NumPyは、科学計算向けのPythonライブラリです。NumPyには、numpy.fft.ifftn
という逆フーリエ変換関数があります。
import numpy as np
# 入力データ
x = np.random.randn(100) + 1j * np.random.randn(100)
# 逆フーリエ変換
y = np.fft.ifftn(x)
# 結果の確認
print(y.shape) # (100,)
その他のライブラリ
SciPyやTensorFlowなどのライブラリにも、逆フーリエ変換を行う関数があります。
使用する方法は、データの形状や処理速度などの要件によって異なります。
- 1次元逆フーリエ変換の場合は、
torch.ifft
が最も効率的です。 - 多次元逆フーリエ変換の場合は、
torch.fft.ihfftn
が最も使いやすいです。 - 処理速度が重要な場合は、NumPyなどのC言語で実装されたライブラリを使うと良いでしょう。
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