PyTorchのtorch.onnx.export()関数:詳細解説
PyTorch の ONNX と torch.onnx.export()
torch.onnx.export()
は、以下の引数を受け取ります。
- model: 変換したい PyTorch モデル
- file_path: 出力する ONNX ファイルのパス
- input_names: モデルの入力の名前のリスト
- dynamic_axes: 動的軸の名前のリスト (オプション)
- export_params: モデルのパラメータを含めるかどうか (デフォルト: True)
- opset_version: 使用する ONNX オペレータセットのバージョン (デフォルト: 13)
例:
import torch
model = torch.nn.Sequential(
torch.nn.Linear(10, 100),
torch.nn.ReLU(),
torch.nn.Linear(100, 10)
)
torch.onnx.export(
model,
"model.onnx",
input_names=["input"],
output_names=["output"],
)
このコードは、model
を model.onnx
という名前の ONNX ファイルに変換します。モデルの入力は input
という名前で、出力は output
という名前になります。
torch.onnx.export()
には、以下のオプションがあります。
- input_shape: 入力データの形状 (オプション)
input_shape オプションは、モデルの入力データの形状を指定するために使用されます。動的軸を使用する場合は、dynamic_axes オプションでその名前を指定する必要があります。
export_params オプションは、モデルのパラメータを ONNX ファイルに含めるかどうかを指定します。デフォルトでは True になっていますが、推論時にのみモデルを使用する場合は False に設定することができます。
opset_version オプションは、使用する ONNX オペレータセットのバージョンを指定します。使用可能なバージョンは、ONNX 公式ドキュメント: https://onnx.ai/ で確認することができます。
torch.onnx.export()
は、すべての PyTorch モデルを ONNX 形式に変換できるわけではありません。- 変換された ONNX モデルは、元の PyTorch モデルと同じ精度で動作するとは限りません。
まとめ
torch.onnx.export()
は、PyTorch モデルを ONNX 形式に変換するための便利な関数です。この関数を使って、PyTorch モデルを他のフレームワークで利用したり、推論速度を向上させたりすることができます。
- 上記の解説は、基本的な内容のみを記載しています。詳細については、上記の参考資料を参照してください。
- 問題が発生した場合は、PyTorch の公式ドキュメントやフォーラムなどで解決策を探してください。
PyTorch ONNX export サンプルコード
画像分類モデル
import torch
from torchvision import models
model = models.resnet18(pretrained=True)
# ダミーの入力データを作成
input_data = torch.randn(1, 3, 224, 224)
# モデルを ONNX 形式に変換
torch.onnx.export(
model,
"resnet18.onnx",
input_names=["input"],
output_names=["output"],
dynamic_axes={"input": {0: "batch_size"}, "output": {0: "batch_size"}},
)
自然言語処理モデル
import torch
from transformers import BertModel
model = BertModel.from_pretrained("bert-base-uncased")
# ダミーの入力データを作成
input_ids = torch.randint(0, 30000, (1, 128))
attention_masks = torch.ones((1, 128))
# モデルを ONNX 形式に変換
torch.onnx.export(
model,
"bert-base-uncased.onnx",
input_names=["input_ids", "attention_mask"],
output_names=["last_hidden_state"],
dynamic_axes={"input_ids": {0: "batch_size"}, "attention_mask": {0: "batch_size"}},
)
生成モデル
import torch
from torch.distributions import Normal
class Generator(torch.nn.Module):
def __init__(self):
super().__init__()
self.mu = torch.nn.Parameter(torch.zeros(10))
self.sigma = torch.nn.Parameter(torch.ones(10))
def forward(self):
return Normal(self.mu, self.sigma).rsample()
model = Generator()
# ダミーの入力データを作成
batch_size = 10
# モデルを ONNX 形式に変換
torch.onnx.export(
model,
"generator.onnx",
input_names=[],
output_names=["output"],
dynamic_axes={"output": {0: "batch_size"}},
)
- 上記のサンプルコードは、PyTorch 1.9.1 で動作確認しています。
PyTorch モデルを ONNX 形式に変換する他の方法
ONNX Runtime には、onnxruntime.convert.py
というスクリプトが付属しています。このスクリプトを使って、PyTorch モデルを ONNX 形式に変換することができます。
例:
python onnxruntime/convert/python/onnx_converter.py \
--model_path model.pt \
--output_path model.onnx \
--input_names input \
--output_names output
torch.onnx.export()
以外にも、PyTorch モデルを ONNX 形式に変換する方法はいくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、目的に合った方法を選択する必要があります。
パフォーマンス向上:PyTorch Dataset と DataLoader でデータローディングを最適化する
Datasetは、データセットを表す抽象クラスです。データセットは、画像、テキスト、音声など、機械学習モデルの学習に使用できるデータのコレクションです。Datasetクラスは、データセットを読み込み、処理するための基本的なインターフェースを提供します。
PyTorch Miscellaneous: torch.testing.assert_close() の詳細解説
torch. testing. assert_close() は、PyTorch テストモジュール内にある関数で、2つのテンソルの要素がほぼ等しいことを確認するために使用されます。これは、テストコードで計算結果の正確性を検証する際に役立ちます。
PyTorch C++ 拡張開発をレベルアップ! include パス取得の奥義をマスターしよう
torch. utils. cpp_extension. include_paths() は、PyTorch C++ 拡張をビルドするために必要なインクルードパスを取得するための関数です。 引数として cuda フラグを受け取り、True の場合、CUDA 固有のインクルードパスを追加します。 関数はインクルードパス文字列のリストを返します。
PyTorch Miscellaneous モジュール:ディープラーニング開発を効率化するユーティリティ
このモジュールは、以下のサブモジュールで構成されています。データ処理torch. utils. data:データセットの読み込み、バッチ化、シャッフルなど、データ処理のためのツールを提供します。 DataLoader:データセットを効率的に読み込み、イテレートするためのクラス Dataset:データセットを表す抽象クラス Sampler:データセットからサンプルを取得するためのクラス
PyTorch Miscellaneous: 隠れた機能 torch.overrides.wrap_torch_function()
PyTorchは、機械学習アプリケーション開発のためのオープンソースライブラリです。torch. overrides. wrap_torch_function() は、PyTorchの「Miscellaneous」カテゴリに属する関数で、既存のPyTorch関数をオーバーライドするための機能を提供します。
PyTorchのtorch.asin:チュートリアル
torch. asin の使い方torch. asin は、以下の引数を受け取ります。input (Tensor): 入力テンソル。要素は -1 から 1 までの範囲である必要があります。out (Tensor, optional): 出力テンソルを格納するためのオプションのテンソル。
確率分布の制約条件って? PyTorchで arg_constraints を使って多変量正規分布を理解しよう
arg_constraints は、以下の役割を果たします。パラメータの値が有効範囲内であることを保証するパラメータ推定アルゴリズムの安定性を向上させる確率分布の性質をより正確に表現するarg_constraints は、dict 型のオブジェクトとして設定されます。このオブジェクトには、以下のキーと値のペアが含まれます。
PyTorch「Miscellaneous」:torch.compiler.reset() を使いこなすためのチュートリアル
torch. compiler. reset は、PyTorch のコンパイルキャッシュをクリアし、システムを初期状態に戻す関数です。主に、torch. compile() などの操作を使用した後に、別の無関係なコンパイル前にクリーンな状態を確保するために呼び出されます。
PyTorchの torch.fake_quantize_per_channel_affine 関数:詳細解説とサンプルコード
torch. fake_quantize_per_channel_affine 関数は、以下の3つの引数を取ります。inputs: 入力テンソルscales: 各チャネルに対するスケーリング係数のテンソルoffsets: 各チャネルに対するバイアス値のテンソル
PyTorch Linear Algebra: torch.linalg.vander() の徹底解説
torch. linalg. vander は、Vandermonde行列を生成する関数です。Vandermonde行列は、ベクトルの各要素のべき乗を列ベクトルとして並べた行列です。この関数は、PyTorchの線形代数ライブラリ torch