QAbstractItemView::verticalOffset()を使ったアイテムの垂直方向オフセットの取得と調整
Qt WidgetsにおけるQAbstractItemView::verticalOffset()解説
QAbstractItemView::verticalOffset()
は、Qt Widgetsフレームワークにおける QAbstractItemView
クラスのメンバー関数です。この関数は、ビュー内のアイテムの垂直方向のオフセットを取得するために使用されます。
詳細:
QAbstractItemView
クラスは、モデル/ビューアーアーキテクチャに基づいて、アイテムのリストを表示するための抽象的な基底クラスです。verticalOffset()
関数は、ビュー内の最初のアイテムの上端とビューポートの上端の間の垂直方向の距離をピクセル単位で返します。- 正のオフセットは、最初のアイテムがビューポートの上端より下に表示されていることを意味します。
使用例:
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// 最初のアイテムの垂直方向のオフセットを取得
int offset = view.verticalOffset();
// オフセットを調整
view.setVerticalOffset(offset + 10);
view.show();
return app.exec();
}
この例では、QListView
を使用して QStandardItemModel
の内容を表示します。
- 最初のアイテムの垂直方向のオフセットを取得するために
verticalOffset()
関数が呼び出されます。 - オフセットが10ピクセルだけ調整されます。
- 調整されたオフセットが
setVerticalOffset()
関数を使用してビューに設定されます。
その他の関連関数:
horizontalOffset()
: ビュー内のアイテムの水平方向のオフセットを取得します。scrollToTop()
: ビューを最初のアイテムの先頭にスクロールします。
Qt WidgetsにおけるQAbstractItemView::verticalOffset()のサンプルコード
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// 最初のアイテムの垂直方向のオフセットを取得
int offset = view.verticalOffset();
// オフセットを出力
qDebug() << "Offset: " << offset;
return app.exec();
}
アイテムを垂直方向にスクロールする
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// アイテムを10ピクセル下にスクロール
view.verticalOffset(10);
return app.exec();
}
アイテムを中央にスクロールする
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// アイテムを中央にスクロール
view.scrollTo(model.index(5, 0), QAbstractItemView::ScrollHint::EnsureVisible);
return app.exec();
}
水平方向と垂直方向のオフセットを取得する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// 水平方向と垂直方向のオフセットを取得
int horizontalOffset = view.horizontalOffset();
int verticalOffset = view.verticalOffset();
// オフセットを出力
qDebug() << "Horizontal offset: " << horizontalOffset;
qDebug() << "Vertical offset: " << verticalOffset;
return app.exec();
}
これらのサンプルコードは、QAbstractItemView::verticalOffset()
関数の使い方を理解するのに役立つはずです。
Qt WidgetsにおけるQAbstractItemView::verticalOffset()の代替方法
QModelIndex::row()とQAbstractItemView::visualRect()` を使用する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// アイテムのインデックスを取得
QModelIndex index = model.index(5, 0);
// アイテムの視覚的な矩形を取得
QRect rect = view.visualRect(index);
// オフセットを計算
int offset = rect.y() - view.viewport().y();
// オフセットを出力
qDebug() << "Offset: " << offset;
return app.exec();
}
QAbstractItemView::itemAt()とQWidget::y()` を使用する
#include <QtWidgets>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// モデルの作成
QStandardItemModel model;
for (int i = 0; i < 10; ++i) {
model.appendRow(new QStandardItem(QString("Item %1").arg(i)));
}
// ビューの作成
QListView view;
view.setModel(&model);
// アイテムを取得
QWidget *item = view.itemAt(5, 0);
// アイテムのY座標を取得
int offset = item->y();
// オフセットを出力
qDebug() << "Offset: " << offset;
return app.exec();
}
これらの方法は、QAbstractItemView::verticalOffset()
関数よりも冗長ですが、より柔軟な場合があります。
その他の考慮事項
- 使用する方法は、特定のニーズによって異なります。
- パフォーマンスは、使用する Qt バージョンとプラットフォームによって異なる場合があります。
QAbstractItemView::verticalOffset()
関数は、ビュー内のアイテムの垂直方向のオフセットを取得するための便利な方法です。 ただし、他の方法も存在し、状況によってはより適切な場合があります。
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