Qt GUIにおけるQAccessibleTableInterface::selectedCellCount()解説

2024-04-02

Qt GUIにおけるQAccessibleTableInterface::selectedCellCount()解説

QAccessibleTableInterface::selectedCellCount()は、Qt GUIのアクセシビリティ機能を提供するクラスQAccessibleTableInterfaceのメソッドです。このメソッドは、現在選択されているセルの数を返します。

詳細

QAccessibleTableInterfaceクラスは、視覚障碍者などのユーザーがテーブルを操作できるようにするためのインターフェースを提供します。このインターフェースは、テーブルの構造、セル内の内容、選択状態などの情報を提供します。

**selectedCellCount()**メソッドは、このインターフェースのメソッドの一つです。このメソッドは、テーブル内で現在選択されているセルの数を返します。

使用方法

このメソッドを使用するには、以下の手順が必要です。

  1. QAccessibleTableInterfaceオブジェクトを取得する。
  2. selectedCellCount()メソッドを呼び出す。

// QAccessibleTableInterfaceオブジェクトを取得する
QAccessibleTableInterface *table = accessibleTableAt(QPoint(x, y));

// 選択されているセルの数を取得する
int selectedCellCount = table->selectedCellCount();

戻り値

このメソッドは、テーブル内で現在選択されているセルの数を返します。

補足

  • このメソッドは、テーブル全体が選択されている場合でも、1を返します。
  • 個々のセルの選択状態を取得するには、isCellSelected()メソッドを使用する必要があります。


QAccessibleTableInterface::selectedCellCount() のサンプルコード

サンプルコード1: 選択されたセルの数を出力する

#include <QAccessible>
#include <QTableWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルウィジェットを作成
  QTableWidget tableWidget;
  tableWidget.resizeColumnsToContents();

  // テーブルにデータを追加
  for (int i = 0; i < 10; i++) {
    for (int j = 0; j < 5; j++) {
      tableWidget.setItem(i, j, new QTableWidgetItem(QString("(%1, %2)").arg(i).arg(j)));
    }
  }

  // テーブルウィジェットを表示
  tableWidget.show();

  // QAccessibleTableInterfaceオブジェクトを取得
  QAccessibleTableInterface *table = accessibleTableAt(tableWidget.mapToGlobal(QPoint(0, 0)));

  // 選択されたセルの数を取得
  int selectedCellCount = table->selectedCellCount();

  // 選択されたセルの数を標準出力に出力
  std::cout << "選択されたセルの数: " << selectedCellCount << std::endl;

  return 0;
}

サンプルコード2: 選択されたセルの行と列を取得する

#include <QAccessible>
#include <QTableWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルウィジェットを作成
  QTableWidget tableWidget;
  tableWidget.resizeColumnsToContents();

  // テーブルにデータを追加
  for (int i = 0; i < 10; i++) {
    for (int j = 0; j < 5; j++) {
      tableWidget.setItem(i, j, new QTableWidgetItem(QString("(%1, %2)").arg(i).arg(j)));
    }
  }

  // テーブルウィジェットを表示
  tableWidget.show();

  // QAccessibleTableInterfaceオブジェクトを取得
  QAccessibleTableInterface *table = accessibleTableAt(tableWidget.mapToGlobal(QPoint(0, 0)));

  // 選択されたセルの数を取得
  int selectedCellCount = table->selectedCellCount();

  // すべての選択されたセルをループ処理
  for (int i = 0; i < selectedCellCount; i++) {
    // 選択されたセルの行と列を取得
    int row = table->selectedCellRow(i);
    int column = table->selectedCellColumn(i);

    // 行と列を標準出力に出力
    std::cout << "選択されたセル: (" << row << ", " << column << ")" << std::endl;
  }

  return 0;
}

サンプルコード3: セルの選択状態を変更する

#include <QAccessible>
#include <QTableWidget>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  // テーブルウィジェットを作成
  QTableWidget tableWidget;
  tableWidget.resizeColumnsToContents();

  // テーブルにデータを追加
  for (int i = 0; i < 10; i++) {
    for (int j = 0; j < 5; j++) {
      tableWidget.setItem(i, j, new QTableWidgetItem(QString("(%1, %2)").arg(i).arg(j)));
    }
  }

  // テーブルウィジェットを表示
  tableWidget.show();

  // QAccessibleTableInterfaceオブジェクトを取得
  QAccessibleTableInterface *table = accessibleTableAt(tableWidget.mapToGlobal(QPoint(0, 0)));

  // セル(3, 2)を選択
  table->selectCell(3, 2);

  // セル(5, 4)を選択状態に追加
  table->addToSelection(5, 4);

  // セル(1, 0)の選択状態を解除
  table->removeFromSelection(1, 0);

  return 0;
}


QAccessibleTableInterface::selectedCellCount() 以外の方法

QTableWidget::selectedItems()

QTableWidget クラスの selectedItems() メソッドは、選択されているすべての QTableWidgetItem オブジェクトのリストを返します。このリストから、選択されているセルの数や、個々のセルの行と列を取得することができます。

// 選択されているすべてのアイテムを取得
QList<QTableWidgetItem *> selectedItems = tableWidget->selectedItems();

// 選択されているセルの数を取得
int selectedCellCount = selectedItems.size();

// すべての選択されたセルをループ処理
for (QTableWidgetItem *item : selectedItems) {
  // 選択されたセルの行と列を取得
  int row = item->row();
  int column = item->column();

  // 行と列を標準出力に出力
  std::cout << "選択されたセル: (" << row << ", " << column << ")" << std::endl;
}

QModelIndexList クラスは、モデルインデックスのリストを表します。QTableWidget クラスの selectionModel() メソッドは、選択されているすべてのモデルインデックスのリストを返します。このリストから、選択されているセルの数や、個々のセルの行と列を取得することができます。

// 選択されているすべてのモデルインデックスを取得
QModelIndexList selectedIndexes = tableWidget->selectionModel()->selectedIndexes();

// 選択されているセルの数を取得
int selectedCellCount = selectedIndexes.size();

// すべての選択されたセルをループ処理
for (QModelIndex index : selectedIndexes) {
  // 選択されたセルの行と列を取得
  int row = index.row();
  int column = index.column();

  // 行と列を標準出力に出力
  std::cout << "選択されたセル: (" << row << ", " << column << ")" << std::endl;
}

独自のコード

上記のいずれの方法も、特定のニーズに合わない場合は、独自のコードを書くことができます。Qt の QAccessible クラスは、テーブルの構造、セル内の内容、選択状態などの情報を取得するための API を提供します。

  • 選択されているセルの数だけを取得したい場合は、QAccessibleTableInterface::selectedCellCount() メソッドを使用するのが最も簡単です。
  • 個々のセルの行と列を取得したい場合は、QTableWidget::selectedItems() メソッドまたは QModelIndexList を使用することができます。
  • より複雑な処理が必要な場合は、独自のコードを書くことができます。



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