QGraphicsRectItem デストラクタとは?
Qt Widgets の QGraphicsRectItem::~QGraphicsRectItem() 解説
デストラクタとは、オブジェクトが破棄される際に自動的に呼び出される関数です。~QGraphicsRectItem()
は、QGraphicsRectItem
オブジェクトが破棄される際に呼び出され、以下の処理を行います。
- 関連するリソースを解放する:
QGraphicsRectItem
オブジェクトが保持しているメモリやその他の資源は、デストラクタによって解放されます。 - 基底クラスのデストラクタを呼び出す:
QGraphicsRectItem
はQAbstractGraphicsShapeItem
クラスを継承しているので、デストラクタ内でQAbstractGraphicsShapeItem
のデストラクタを呼び出す必要があります。
コード例:
class MyRectItem : public QGraphicsRectItem {
public:
MyRectItem() {
// ...
}
~MyRectItem() {
// 独自の処理
// ...
// 基底クラスのデストラクタを呼び出す
QAbstractGraphicsShapeItem::destructor();
}
};
デストラクタを明示的に呼び出す必要はありません。Qt はオブジェクトのスコープが終了した際に自動的にデストラクタを呼び出します。
デストラクタで処理すべきこと
- オブジェクトが保持しているメモリやその他の資源を解放する
- 他のオブジェクトへの参照を解除する
- 終了処理に必要なその他の処理を行う
デストラクタに関する注意点
- デストラクタは仮想関数であるため、派生クラスでオーバーライドすることができます。
- デストラクタは、オブジェクトの状態を変更したり、他のオブジェクトとやり取りしたりすることはできません。
- デストラクタは、例外をスローすることはできません。
補足
QGraphicsRectItem
は、矩形だけでなく、角丸矩形や楕円なども描画できます。QGraphicsRectItem
の外観は、ペン、ブラシ、その他の属性によってカスタマイズできます。QGraphicsRectItem
は、マウスイベントやその他のイベントを処理することができます。
Qt Widgets の QGraphicsRectItem サンプルコード
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QGraphicsView>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsRectItem>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// シーンを作成
QGraphicsScene scene;
// 矩形アイテムを作成
QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 50);
// シーンに追加
scene.addItem(rectItem);
// ビューを作成
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
角丸矩形を描画する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QGraphicsView>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsRectItem>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// シーンを作成
QGraphicsScene scene;
// 角丸矩形アイテムを作成
QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 50);
rectItem->setRect(QRectF(0, 0, 100, 50), 10, 10);
// シーンに追加
scene.addItem(rectItem);
// ビューを作成
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
塗りつぶされた矩形を描画する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QGraphicsView>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsRectItem>
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// シーンを作成
QGraphicsScene scene;
// 塗りつぶされた矩形アイテムを作成
QGraphicsRectItem *rectItem = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 50);
rectItem->setBrush(Qt::red);
// シーンに追加
scene.addItem(rectItem);
// ビューを作成
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
マウスイベントを処理する
#include <QtWidgets/QApplication>
#include <QtWidgets/QGraphicsView>
#include <QtWidgets/QGraphicsScene>
#include <QtWidgets/QGraphicsRectItem>
class MyRectItem : public QGraphicsRectItem {
public:
MyRectItem() {
// マウスプレスイベントを処理
setAcceptHoverEvents(true);
}
void mousePressEvent(QGraphicsSceneMouseEvent *event) override {
// マウスボタンが押されたら、矩形の色を変える
setBrush(Qt::green);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
// シーンを作成
QGraphicsScene scene;
// 矩形アイテムを作成
MyRectItem *rectItem = new MyRectItem(0, 0, 100, 50);
// シーンに追加
scene.addItem(rectItem);
// ビューを作成
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
これらのサンプルコードは、Qt Widgets の QGraphicsRectItem の基本的な使い方を理解するのに役立ちます。
QGraphicsRectItem を使用するその他の方法
QGraphicsRectItem
は、矩形を描画するための便利なクラスですが、独自のグラフィックスアイテムを作成することもできます。
独自のグラフィックスアイテムを作成するには、以下の手順が必要です。
QGraphicsItem
クラスを継承するクラスを作成するboundingRect()
とpaint()
という 2 つの仮想関数をオーバーライドする- 必要に応じて、他の仮想関数をオーバーライドする
QGraphicsItem の子クラスを使用する
QGraphicsRectItem
以外にも、QGraphicsEllipseItem
や QGraphicsLineItem
などのいくつかの便利な子クラスが用意されています。
QGraphicsPathItem
を使用すると、任意の形のパスを描画することができます。
QGraphicsPixmapItem
を使用すると、ピクセルマップ画像を表示することができます。
QGraphicsTextItem
を使用すると、テキストを表示することができます。
これらの方法は、さまざまな形状や画像を描画するために使用できます。
具体的な例
- 独自のグラフィックスアイテムを作成して、星形を描画する
class StarItem : public QGraphicsItem {
public:
StarItem() {
// ...
}
boundingRect() const override {
// 星形の境界矩形を返す
// ...
}
paint(QPainter *painter, const QStyleOptionGraphicsItem *option, QWidget *widget) override {
// 星形を描画
// ...
}
};
- QGraphicsPathItem を使用して、曲線を描画する
QGraphicsPathItem *pathItem = new QGraphicsPathItem;
QPainterPath path;
path.moveTo(0, 0);
path.lineTo(100, 100);
path.cubicTo(150, 150, 200, 200, 250, 250);
pathItem->setPath(path);
- QGraphicsPixmapItem を使用して、画像を表示する
QGraphicsPixmapItem *pixmapItem = new QGraphicsPixmapItem;
QPixmap pixmap("image.png");
pixmapItem->setPixmap(pixmap);
これらの例は、QGraphicsRectItem 以外にもさまざまな方法で使用できることを示しています。
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