Qt Widgetsでマウスホイールの回転量を取得する方法 - QGraphicsSceneWheelEvent::delta()徹底解説

2024-04-02

Qt WidgetsにおけるQGraphicsSceneWheelEvent::delta()の解説

概要:

  • クラス: QGraphicsSceneWheelEvent
  • 関数: delta()
  • 役割: マウスホイールの回転量を取得する
  • 戻り値: 整数
    • 正の値: ホイールを前方に回転
  • 引数: なし

詳細:

QGraphicsSceneWheelEvent::delta()は、マウスホイールの回転量をピクセル単位で取得します。この値は、イベントが発生した時点におけるマウスカーソル位置に基づいて計算されます。

例:

void MyGraphicsView::mouseWheelEvent(QGraphicsSceneWheelEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // 回転量に応じて処理を行う
    if (delta > 0) {
        // ホイールを前方に回転
        // ...
    } else if (delta < 0) {
        // ホイールを後方に回転
        // ...
    }
}

補足:

  • QGraphicsSceneWheelEvent::delta()は、QGraphicsViewクラスで発生するマウスホイールイベントに対してのみ使用できます。
  • マウスホイールの回転量を度単位で取得したい場合は、QGraphicsSceneWheelEvent::deltaDegrees()を使用します。
  • マウスホイールの回転速度を取得したい場合は、QGraphicsSceneWheelEvent::pixelDelta()を使用します。

用語集:

  • マウスホイールイベント: マウスホイールの回転を検知するイベント
  • ピクセル: 画面上の最小単位
  • 度: 角度の単位


QGraphicsSceneWheelEvent::delta()を使用したサンプルコード

画像の拡大・縮小

void MyGraphicsView::mouseWheelEvent(QGraphicsSceneWheelEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // 画像を拡大・縮小する
    QGraphicsItem *item = scene()->itemAt(event->scenePos());
    if (item && item->type() == QGraphicsItem::UserType + 1) {
        QGraphicsPixmapItem *pixmapItem = static_cast<QGraphicsPixmapItem*>(item);
        qreal scaleFactor = 1.0 + delta / 120.0;
        pixmapItem->setScale(scaleFactor);
    }
}

スクロールの速度変更

void MyGraphicsView::mouseWheelEvent(QGraphicsSceneWheelEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // スクロールの速度を変更する
    setScrollRate(delta / 10.0);
}

このコードでは、マウスホイールを回転させると、スクロールの速度が変化します。

アイテムの回転

void MyGraphicsView::mouseWheelEvent(QGraphicsSceneWheelEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // アイテムを回転する
    QGraphicsItem *item = scene()->itemAt(event->scenePos());
    if (item && item->type() == QGraphicsItem::UserType + 1) {
        QGraphicsRotationItem *rotationItem = static_cast<QGraphicsRotationItem*>(item);
        rotationItem->setRotation(rotationItem->rotation() + delta);
    }
}

このコードでは、マウスホイールを回転させると、アイテムが回転します。

その他

上記以外にも、QGraphicsSceneWheelEvent::delta()を使用して、さまざまな処理を行うことができます。

  • リストのスクロール
  • ページをめくる
  • 音量の調整
  • ブラシの太さの変更

これらのサンプルコードは、QGraphicsSceneWheelEvent::delta()の使い方を理解するための参考として使用できます。

注意

これらのサンプルコードは、あくまでも参考として使用してください。実際のアプリケーションでは、必要に応じてコードを変更する必要があります。

補足

  • マウスホイールの回転量を取得する方法は、他にもいくつかあります。
  • QGraphicsSceneWheelEventクラスには、他にもさまざまな関数があります。詳細は、Qtドキュメントを参照してください。


マウスホイールの回転量を取得する他の方法

QMouseEvent::wheel()

QMouseEventクラスのwheel()関数を使用する方法です。この関数は、マウスホイールイベントが発生した際に、ホイールの回転量をピクセル単位で取得します。

void MyWidget::mouseMoveEvent(QMouseEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->wheel();

    // ...
}

QWheelEvent::delta()

QWheelEventクラスのdelta()関数を使用する方法です。この関数は、マウスホイールイベントが発生した際に、ホイールの回転量を度単位で取得します。

void MyWidget::wheelEvent(QWheelEvent *event)
{
    // ホイール回転量を取得
    int delta = event->delta();

    // ...
}

Win32 APIを使用する方法です。この方法は、Windowsプラットフォームでのみ使用できます。

LRESULT CALLBACK MyWndProc(HWND hWnd, UINT message, WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    switch (message) {
    case WM_MOUSEWHEEL:
        // ホイール回転量を取得
        int delta = GET_WHEEL_DELTA_WPARAM(wParam);

        // ...
        break;
    }

    return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam);
}

各方法の比較

方法优点缺点
QGraphicsSceneWheelEvent::delta()Qtフレームワーク内で使いやすいQGraphicsViewクラスでのみ使用できる
QMouseEvent::wheel()汎用性が高いイベントの種類によって取得できる値が異なる
QWheelEvent::delta()度単位で取得できるQt 5.14以降でのみ使用できる
Win32 API高度な制御が可能Windowsプラットフォームでのみ使用できる

どの方法を使用するべきかは、アプリケーションの要件によって異なります。

  • Qtフレームワーク内で簡単にマウスホイールの回転量を取得したい場合は、QGraphicsSceneWheelEvent::delta()を使用するのがおすすめです。
  • より汎用的な方法でマウスホイールの回転量を取得したい場合は、QMouseEvent::wheel()を使用するのがおすすめです。
  • マウスホイールの回転量を度単位で取得したい場合は、QWheelEvent::delta()を使用するのがおすすめです。
  • Windowsプラットフォームで高度な制御を行いたい場合は、Win32 APIを使用するのがおすすめです。

補足

  • 各方法の詳細については、QtドキュメントやWin32 APIドキュメントを参照してください。



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