Qt Widgets: シーンサイズ変更イベントで過去の情報を利用する!QGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数の徹底解説
Qt WidgetsにおけるQGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()の解説
QGraphicsSceneResizeEventとは?
QGraphicsSceneResizeEventは、QGraphicsSceneのサイズが変更されたときに発生するイベントです。このイベントは、**QGraphicsScene::resize()**関数によってシーンのサイズが変更されたとき、またはユーザーがウィンドウのサイズを変更したときに発生します。
oldSize()関数
QGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数は、イベント発生前のシーンのサイズを返します。このサイズは、QSizeF型で表されます。
oldSize()関数は、**QGraphicsScene::resizeEvent()**イベントハンドラ内で使用されます。このイベントハンドラは、シーンのサイズ変更イベントが発生したときに呼び出されます。
void MyGraphicsScene::resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event)
{
// イベント発生前のシーンのサイズを取得
QSizeF oldSize = event->oldSize();
// 新しいサイズに合わせてシーン内のアイテムを調整
...
// ユーザーにサイズ変更前の状態を伝える
...
}
oldSize()関数の使用例
以下は、oldSize()関数を使用して、シーン内のアイテムを新しいサイズに合わせて調整する例です。
void MyGraphicsScene::resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event)
{
// イベント発生前のシーンのサイズを取得
QSizeF oldSize = event->oldSize();
// シーン内のすべてのアイテムをループ処理
foreach (QGraphicsItem *item, items()) {
// アイテムの位置とサイズを新しいサイズに合わせて調整
item->setPos(item->pos() * event->newSize() / oldSize);
item->setSize(item->size() * event->newSize() / oldSize);
}
}
QGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数は、QGraphicsSceneのサイズ変更イベント発生時に、変更前のサイズを取得するために使用されます。これは、シーン内のアイテムを新しいサイズに合わせて調整したり、ユーザーにサイズ変更前の状態を伝える必要がある場合に役立ちます。
補足
- QGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数と合わせて、**QGraphicsSceneResizeEvent::newSize()**関数を使用することで、イベント発生後のシーンのサイズを取得することができます。
- QGraphicsScene::resizeEvent()イベントハンドラ内で、**event->accept()**関数を呼び出すことで、イベントを受け入れることができます。イベントを受け入れなかった場合、シーンのサイズは変更されません。
Qt WidgetsにおけるQGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数のサンプルコード
サンプルコード1:シーン内のアイテムを新しいサイズに合わせて調整
#include <QtWidgets>
#include <QtGraphics>
class MyGraphicsScene : public QGraphicsScene
{
public:
MyGraphicsScene()
{
// シーンに矩形アイテムを追加
QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100);
item->setBrush(Qt::red);
addItem(item);
}
protected:
void resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event) override
{
// イベント発生前のシーンのサイズを取得
QSizeF oldSize = event->oldSize();
// アイテムの位置とサイズを新しいサイズに合わせて調整
QGraphicsItem *item = items()[0];
item->setPos(item->pos() * event->newSize() / oldSize);
item->setSize(item->size() * event->newSize() / oldSize);
}
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// シーンとビューを作成
MyGraphicsScene scene;
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
サンプルコード2:ユーザーにサイズ変更前の状態を伝える
#include <QtWidgets>
#include <QtGraphics>
class MyGraphicsScene : public QGraphicsScene
{
public:
MyGraphicsScene()
{
// シーンに矩形アイテムを追加
QGraphicsRectItem *item = new QGraphicsRectItem(0, 0, 100, 100);
item->setBrush(Qt::red);
addItem(item);
}
protected:
void resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event) override
{
// イベント発生前のシーンのサイズを取得
QSizeF oldSize = event->oldSize();
// ユーザーにサイズ変更前の状態を伝える
QMessageBox::information(nullptr, "サイズ変更",
QString("シーンのサイズは %1 x %2 から %3 x %4 に変更されました")
.arg(oldSize.width())
.arg(oldSize.height())
.arg(event->newSize().width())
.arg(event->newSize().height()));
}
};
int main(int argc, char *argv[])
{
QApplication app(argc, argv);
// シーンとビューを作成
MyGraphicsScene scene;
QGraphicsView view(&scene);
view.show();
return app.exec();
}
このコードは、ユーザーにサイズ変更前の状態を伝えます。シーンのサイズが変更されると、resizeEvent()
イベントハンドラが呼び出されます。このイベントハンドラ内で、oldSize()
関数を使用してイベント発生前のシーンのサイズを取得し、newSize()
関数を使用してイベント発生後のシーンのサイズを取得します。その後、QMessageBox
を使用してユーザーにサイズ変更前の状態を伝えます。
- シーン内のすべてのアイテムをループ処理し、それぞれのアイテムの位置とサイズを新しいサイズに合わせて調整するコード
- シーン内の特定のアイテムのみを新しいサイズに合わせて調整するコード
- シーンのサイズ変更を制限するコード
これらのサンプルコードは、Qtの公式ドキュメントやチュートリアルで参照することができます。
QGraphicsSceneResizeEvent::oldSize()関数の代替方法
QGraphicsScene::sceneRect()関数
QGraphicsScene::sceneRect()関数を使用して、現在のシーンの矩形を取得することができます。この矩形から、イベント発生前のシーンのサイズを計算することができます。
void MyGraphicsScene::resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event)
{
// 現在のシーンの矩形を取得
QRectF currentRect = sceneRect();
// イベント発生前のシーンのサイズを計算
QSizeF oldSize = currentRect.size() - event->newSize();
// ...
}
QGraphicsScene::items()関数
QGraphicsScene::items()関数を使用して、シーン内のすべてのアイテムを取得することができます。これらのアイテムのそれぞれについて、boundingRect()
関数を使用して、アイテムの境界矩形を取得することができます。これらの境界矩形から、イベント発生前のシーンのサイズを計算することができます。
void MyGraphicsScene::resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event)
{
// シーン内のすべてのアイテムを取得
QList<QGraphicsItem *> items = items();
// イベント発生前のシーンのサイズを計算
QSizeF oldSize;
for (QGraphicsItem *item : items) {
oldSize = oldSize.expandedTo(item->boundingRect().toRect().bottomRight());
}
// ...
}
自身の変数を使用する
シーンのサイズ変更イベントが発生するたびに、自身の変数を使用して、イベント発生前のシーンのサイズを保存することができます。
void MyGraphicsScene::resizeEvent(QGraphicsSceneResizeEvent *event)
{
// イベント発生前のシーンのサイズを保存
m_oldSize = sceneRect().size();
// ...
}
各方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
QGraphicsScene::oldSize()関数 | シンプルで使いやすい | イベント発生前にのみ使用可能 |
QGraphicsScene::sceneRect()関数 | いつでも使用可能 | 計算が必要 |
QGraphicsScene::items()関数 | 複雑な形状のシーンにも対応可能 | 計算量が大きくなる可能性がある |
自身の変数を使用する | 効率的 | コードが煩雑になる可能性がある |
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