QHeaderView::maximumSectionSize プロパティを使いこなす
Qt WidgetsにおけるQHeaderView::maximumSectionSizeの解説
概要
設定方法
maximumSectionSize
は、ヘッダービューオブジェクトに対して以下の方法で設定できます。
- コードによる設定:
QHeaderView headerView;
headerView.setMaximumSectionSize(100); // セクションの最大幅を100ピクセルに設定
- Qt Designerによる設定:
- Qt Designerでヘッダービューオブジェクトを選択します。
- プロパティエディタを開きます。
maximumSectionSize
プロパティを見つけ、希望する値を入力します。
影響
maximumSectionSize
は、以下の要素に影響を与えます。
- セクションの幅: 各セクションの幅は、
maximumSectionSize
とコンテンツの幅の小さい方に設定されます。 - 水平スクロールバー: セクションの合計幅がヘッダービューの幅を超えると、水平スクロールバーが表示されます。
- ヘッダービューのレイアウト:
maximumSectionSize
は、ヘッダービュー内のセクションの配置に影響を与える可能性があります。
使用例
maximumSectionSize
は、以下の様な状況で役立ちます。
- 列幅の制限: 列幅が大きくなりすぎないように制限したい場合。
- ヘッダービューの整列: セクションを均等な幅に配置したい場合。
- 水平スクロールバーの回避: 水平スクロールバーを表示せずに、すべてのセクションを表示したい場合。
注意点
maximumSectionSize
は、最小幅 (minimumSectionSize
) よりも大きい値に設定する必要があります。maximumSectionSize
は、コンテンツの幅よりも小さい値に設定すると、コンテンツが一部隠れてしまう可能性があります。
補足
- 上記の説明は、Qt 5.15に基づいています。他のバージョンでは、プロパティの動作やデフォルト値が異なる場合があります。
- コード例は、説明を簡潔にするために簡略化されています。実際の使用例では、必要に応じてエラー処理やその他のコードを追加する必要があります。
Qt WidgetsにおけるQHeaderView::maximumSectionSizeのサンプルコード
セクションの最大幅を100ピクセルに設定
QHeaderView headerView;
headerView.setMaximumSectionSize(100);
// ヘッダービューをテーブルビューに設定
QTableView tableView;
tableView.setHeaderView(headerView);
// テーブルビューにデータモデルを設定
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age" << "City");
tableView.setModel(&model);
// ウィンドウを表示
QWidget window;
window.show();
// レイアウトにテーブルビューを追加
QVBoxLayout layout(&window);
layout.addWidget(&tableView);
セクション幅をコンテンツの幅に合わせる
QHeaderView headerView;
headerView.setSectionResizeMode(QHeaderView::ResizeToContents);
// ヘッダービューをテーブルビューに設定
QTableView tableView;
tableView.setHeaderView(headerView);
// テーブルビューにデータモデルを設定
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age" << "City");
tableView.setModel(&model);
// ウィンドウを表示
QWidget window;
window.show();
// レイアウトにテーブルビューを追加
QVBoxLayout layout(&window);
layout.addWidget(&tableView);
セクションを均等な幅に配置
QHeaderView headerView;
headerView.setSectionResizeMode(QHeaderView::Stretch);
// ヘッダービューをテーブルビューに設定
QTableView tableView;
tableView.setHeaderView(headerView);
// テーブルビューにデータモデルを設定
QStandardItemModel model;
model.setHorizontalHeaderLabels(QStringList() << "Name" << "Age" << "City");
tableView.setModel(&model);
// ウィンドウを表示
QWidget window;
window.show();
// レイアウトにテーブルビューを追加
QVBoxLayout layout(&window);
layout.addWidget(&tableView);
QHeaderView::maximumSectionSizeを設定する他の方法
QHeaderView::setDefaultSectionSize()
QHeaderView headerView;
headerView.setDefaultSectionSize(100);
// ヘッダービューをテーブルビューに設定
QTableView tableView;
tableView.setHeaderView(headerView);
// ...
QHeaderView::sectionSizeHint()
メソッドを使用して、各セクションのヒント幅を取得できます。このヒント幅は、maximumSectionSize
を設定する際の参考値として使用できます。
QHeaderView headerView;
int sectionSizeHint = headerView.sectionSizeHint(0); // 最初のセクションのヒント幅を取得
// ...
headerView.setMaximumSectionSize(sectionSizeHint * 2); // ヒント幅の2倍を最大幅に設定
QHeaderView::setSectionResizeMode()
メソッドを使用して、個々のセクションのサイズ変更モードを設定できます。この方法は、特定のセクションのみ最大幅を設定したい場合に便利です。
QHeaderView headerView;
// 最初のセクションの最大幅を100ピクセルに設定
headerView.setMaximumSectionSize(0, 100);
// 2番目のセクションはコンテンツ幅に合わせる
headerView.setSectionResizeMode(1, QHeaderView::ResizeToContents);
// ...
QSS (Qt Style Sheets)
QSSを使用して、ヘッダービューのセクションのスタイルをカスタマイズできます。maximum-width
プロパティを使用して、個々のセクションまたはすべてのセクションの最大幅を設定できます。
QHeaderView::section {
maximum-width: 100px;
}
// 最初のセクションのみ最大幅を200ピクセルに設定
QHeaderView::section:first-of-type {
maximum-width: 200px;
}
これらの方法は、maximumSectionSize
プロパティをより柔軟に設定するのに役立ちます。実際の使用例では、必要に応じて方法を組み合わせて、要件に合わせてください。
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