QInputMethod::setVisible() 関数によるソフトウェアキーボードの制御
Qt GUI の QInputMethod::setVisible() 関数解説
QInputMethod::setVisible()
関数は、Qt GUI アプリケーションにおけるソフトウェアキーボードの表示状態を制御します。この関数は、ユーザー入力の利便性向上や、特定の状況におけるキーボード表示の抑制などに役立ちます。
機能
setVisible()
関数は、引数として受け取った visible
の値に基づいて、ソフトウェアキーボードの表示状態を切り替えます。
visible
がtrue
の場合:ソフトウェアキーボードを表示します。
コード例
// ソフトウェアキーボードを表示
QInputMethod::setVisible(true);
// ソフトウェアキーボードを非表示
QInputMethod::setVisible(false);
注意点
setVisible()
関数は、プラットフォーム固有のソフトウェアキーボードを制御します。そのため、実際の動作はプラットフォームによって異なる場合があります。- ソフトウェアキーボードの表示状態は、ウィジェットの状態やフォーカス状態によっても影響を受ける場合があります。
setVisible()
関数は、ソフトウェアキーボードの表示/非表示のみを制御します。キーボードのレイアウトや入力処理などは、他の API を使用して設定する必要があります。
関連 API
QInputMethod::show()
:ソフトウェアキーボードを表示します。QInputMethod::isVisible()
:ソフトウェアキーボードの表示状態を取得します。QInputMethod::setInputItemRectangle()
:ソフトウェアキーボードの表示位置を設定します。
補足
QInputMethod::setVisible()
関数は、Qt 5.0 以降で使用できます。- ソフトウェアキーボードの表示/非表示には、
QInputMethod::show()
やQInputMethod::hide()
関数を使用することもできます。 - ソフトウェアキーボードの表示状態は、ウィジェットの状態やフォーカス状態によっても影響を受ける場合があります。詳細は、Qt ドキュメントを参照してください。
応用例
- フォーカスが特定のウィジェットに移動した時にソフトウェアキーボードを表示する。
- ユーザー設定に基づいて、ソフトウェアキーボードの表示/非表示を切り替える。
- 特定の状況下ではソフトウェアキーボードの表示を抑制する。
以上、Qt GUI の QInputMethod::setVisible() 関数解説でした。
QInputMethod::setVisible() 関数のサンプルコード
class MyLineEdit : public QLineEdit {
Q_OBJECT
public:
MyLineEdit(QWidget *parent = nullptr) : QLineEdit(parent) {}
protected:
void focusInEvent(QFocusEvent *event) override {
QInputMethod::setVisible(true);
QLineEdit::focusInEvent(event);
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
MyLineEdit *lineEdit = new MyLineEdit();
lineEdit->show();
return app.exec();
}
ユーザー設定に基づいて、ソフトウェアキーボードの表示/非表示を切り替える
class SettingsDialog : public QDialog {
Q_OBJECT
public:
SettingsDialog(QWidget *parent = nullptr) : QDialog(parent) {
// 設定を読み込む
bool showKeyboard = ...;
// ソフトウェアキーボードの初期状態を設定
QInputMethod::setVisible(showKeyboard);
}
...
private:
QCheckBox *m_showKeyboardCheckBox;
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
SettingsDialog dialog;
dialog.exec();
return app.exec();
}
特定の状況下ではソフトウェアキーボードの表示を抑制する
class MyTextEdit : public QTextEdit {
Q_OBJECT
public:
MyTextEdit(QWidget *parent = nullptr) : QTextEdit(parent) {}
protected:
void keyPressEvent(QKeyEvent *event) override {
if (event->key() == Qt::Key_Enter) {
// Enter キー押下時はソフトウェアキーボードを非表示にする
QInputMethod::setVisible(false);
} else {
QTextEdit::keyPressEvent(event);
}
}
};
int main(int argc, char *argv[]) {
QApplication app(argc, argv);
MyTextEdit *textEdit = new MyTextEdit();
textEdit->show();
return app.exec();
}
以上、Qt GUI の QInputMethod::setVisible() 関数サンプルコードでした。
QInputMethod::setVisible() 関数 以外のソフトウェアキーボードの表示/非表示方法
方法
- QInputContext::reset() 関数
QInputContext::reset()
関数は、現在の入力コンテキストをリセットし、ソフトウェアキーボードを非表示にします。
QInputContext::reset();
- QWidget::setInputMethodHints() 関数
QWidget::setInputMethodHints()
関数は、ウィジェットの入力方法ヒントを設定します。このヒントには、ソフトウェアキーボードの表示/非表示に関する設定が含まれます。
widget->setInputMethodHints(Qt::ImhHidden); // ソフトウェアキーボードを非表示にする
widget->setInputMethodHints(Qt::ImhVisible); // ソフトウェアキーボードを表示する
- Qt::WA_InputMethodEnabled ウィジェット属性
Qt::WA_InputMethodEnabled
ウィジェット属性を設定することで、ウィジェットに対してソフトウェアキーボードの入力を有効/無効にできます。
widget->setAttribute(Qt::WA_InputMethodEnabled, false); // ソフトウェアキーボード入力を無効にする
widget->setAttribute(Qt::WA_InputMethodEnabled, true); // ソフトウェアキーボード入力を有効にする
どの方法を使用するかは、アプリケーションの要件によって異なります。
以下は、それぞれの方法の利点と欠点です。
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
QInputMethod::setVisible() | シンプルで使いやすい | プラットフォーム固有の動作をする |
QInputContext::reset() | ソフトウェアキーボードを強制的に非表示にできる | 現在の入力コンテキストをリセットしてしまう |
QWidget::setInputMethodHints() | ウィジェットごとに設定できる | 詳細な制御が必要 |
Qt::WA_InputMethodEnabled | ウィジェット属性なので簡単に設定できる | ソフトウェアキーボード以外の入力方法にも影響を与える |
以上の情報が、Qt GUI アプリケーションにおけるソフトウェアキーボードの表示/非表示の切り替えに役立つことを願っています。
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