Qt GUI アプリケーション開発者必見！ソフトウェアキーボード関連関数まとめ

Qt GUIにおける QInputMethod::show() の役割と使い方

この解説では、以下の内容について詳しく説明します:

• QInputMethod::show() の役割: ソフトウェアキーボードの表示
• QInputMethod::show() の使い方: 関数の詳細と使用例
• QInputMethod::show() と関連する関数: 入力パネルの制御
• QInputMethod::show() の注意点: 実装時の考慮事項

QInputMethod::show() は、Qt GUI アプリケーションでソフトウェアキーボードなどの入力パネルを表示するために使用されます。この関数は、以下の機能を提供します。

• プラットフォーム固有の入力パネルの表示: Windows では IME、Mac では Touch Bar、Android ではソフトウェアキーボードなど、プラットフォームに応じて適切な入力パネルが表示されます。
• 入力パネルの位置とサイズの調整: 入力パネルは、フォーカスのあるウィジェットの近くに表示されます。必要に応じて、開発者は位置とサイズを調整することができます。
• 入力パネルの表示状態の取得: QInputMethod::isVisible() 関数を使用して、入力パネルが表示されているかどうかを確認することができます。

QInputMethod::show() は、QInputMethod クラスのメンバー関数です。この関数は、以下の引数を受け取ります。

• visible (bool): 入力パネルを表示するかどうかを指定します。true を指定すると入力パネルが表示され、false を指定すると入力パネルが非表示になります。

例:

// ソフトウェアキーボードを表示
QInputMethod::show(true);

// ソフトウェアキーボードを非表示
QInputMethod::show(false);

QInputMethod::show() は、以下の状況で使用することができます:

• テキスト入力フィールドにフォーカスが当たったとき
• ユーザーがテキスト入力操作を開始したとき
• アプリケーションがソフトウェアキーボードの表示を必要とするとき

QInputMethod::show() と関連する関数として、以下の関数が存在します。

• QInputMethod::hide(): 入力パネルを非表示にします。
• QInputMethod::isVisible(): 入力パネルが表示されているかどうかを確認します。
• QInputMethod::inputItemRect(): 入力パネルが表示される矩形を取得します。

これらの関数を使用して、入力パネルの表示状態を制御することができます。

QInputMethod::show() を使用する場合、以下の点に注意する必要があります。

• プラットフォーム依存性: 入力パネルの表示方法は、プラットフォームによって異なります。
• ウィジェットのフォーカス: 入力パネルは、フォーカスのあるウィジェットの近くに表示されます。
• マルチスレッド: マルチスレッド環境では、QInputMethod::show() を安全に呼び出すために、適切な同期機構を使用する必要があります。

まとめ

QInputMethod::show() は、Qt GUI アプリケーションでソフトウェアキーボードなどの入力パネルを表示するための重要な関数です。この関数を理解することで、ユーザーにとってより快適で効率的なテキスト入力環境を提供することができます。

QInputMethod::show() のサンプルコード

void MainWindow::on_lineEdit_focusIn()
{
  // ソフトウェアキーボードを表示
  QInputMethod::show(true);
}

ソフトウェアキーボードを非表示にする

void MainWindow::on_lineEdit_focusOut()
{
  // ソフトウェアキーボードを非表示
  QInputMethod::show(false);
}

入力パネルの表示状態を取得する

bool isVisible = QInputMethod::isVisible();

if (isVisible) {
  // 入力パネルが表示されている
} else {
  // 入力パネルが表示されていない
}

入力パネルの位置とサイズを調整する

QRect rect = QInputMethod::inputItemRect();

// 入力パネルの位置とサイズを調整
...

QInputMethod::setInputItemRect(rect);

プラットフォーム固有の入力パネルを表示する

#ifdef Q_OS_WIN
  // Windows では IME を表示
  QInputMethod::showInputPanel(QInputMethod::InputPanelIME);
#elif Q_OS_MAC
  // Mac では Touch Bar を表示
  QInputMethod::showInputPanel(QInputMethod::InputPanelTouchBar);
#elif Q_OS_ANDROID
  // Android ではソフトウェアキーボードを表示
  QInputMethod::showInputPanel(QInputMethod::InputPanelKeyboard);
#endif

これらのサンプルコードは、QInputMethod::show() 関数の使い方を理解するのに役立ちます。

QInputMethod::show() 以外のソフトウェアキーボード表示方法

QInputContext::showInputPanel()

QInputContext クラスの showInputPanel() 関数は、QInputMethod::show() と同様にソフトウェアキーボードを表示することができます。この関数は、以下の引数を受け取ります。

• panel (QInputMethod::InputPanel): 表示する入力パネルの種類を指定します。

例:

// ソフトウェアキーボードを表示
QInputContext::showInputPanel(QInputMethod::InputPanelKeyboard);

ウィジェット固有の関数

QWidget クラスには、ソフトウェアキーボードを表示するための関数があります。例えば、QLineEdit クラスには以下の関数があります。

• selectAll(): テキストを全て選択し、ソフトウェアキーボードを表示します。
• setKeyboardInputEnabled(bool): ソフトウェアキーボードの入力を受け付けるかどうかを設定します。

例:

// ソフトウェアキーボードを表示
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->selectAll();

// ソフトウェアキーボードの入力を許可
lineEdit->setKeyboardInputEnabled(true);

プラットフォーム固有の API を使用して、ソフトウェアキーボードを表示することもできます。例えば、Windows では ImmShowIME() 関数を使用することができます。

例:

#ifdef Q_OS_WIN
  // Windows では IME を表示
  ImmShowIME(hwnd);
#endif

まとめ

QInputMethod::show() 以外にも、ソフトウェアキーボードを表示する方法はいくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。