Qt GUI アプリケーションにおける入力検証のトラブルシューティング
Qt GUI の QIntValidator::validate() の解説
QIntValidator::validate()
は、Qt GUI アプリケーションで整数値の入力検証を行うための関数です。この関数は、入力された文字列が指定された範囲内の整数値かどうかをチェックし、その結果に基づいて QValidator::State
型の値を返します。
使い方
QIntValidator::validate()
は、以下の2つの引数を受け取ります。
input
: 検証対象の文字列pos
: 入力カーソル位置
この関数は、input
文字列が以下の条件を満たすかどうかをチェックします。
- 空白文字のみではない
- 有効な整数値である
- 指定された範囲内である
すべての条件を満たす場合、QValidator::Acceptable
が返されます。条件を満たさない場合、QValidator::Invalid
または QValidator::Intermediate
が返されます。
例
以下のコードは、QLineEdit
ウィジェットに入力された値が10から100までの整数値であるかどうかをチェックする例です。
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
// 10から100までの範囲を指定
QIntValidator *validator = new QIntValidator(10, 100);
lineEdit->setValidator(validator);
詳細
QIntValidator::validate()
関数について、より詳細な情報は Qt ドキュメントを参照してください。
補足
QIntValidator
は、Qt GUI アプリケーションで整数値の入力検証を行うための便利なクラスです。QIntValidator::validate()
関数は、QLineEdit
ウィジェットなどの入力ウィジェットと組み合わせて使用できます。QIntValidator
クラスには、他にもさまざまな設定オプションがあります。詳細は Qt ドキュメントを参照してください。
用語解説
- Qt: クロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワーク
- Qt GUI: Qt のグラフィカルユーザーインターフェースモジュール
- QIntValidator: 整数値の入力検証を行うクラス
- QValidator::validate(): 入力された文字列の検証を行う関数
- QValidator::State: 入力検証結果を表す型
- QLineEdit: 一行のテキスト入力を受け付けるウィジェット
QIntValidator::validate() のサンプルコード
QIntValidator validator(10, 100); // 10から100までの範囲を指定
// 入力値が範囲内かどうかをチェック
if (validator.validate(input, pos) == QValidator::Acceptable) {
// 範囲内の場合の処理
} else {
// 範囲外のの場合の処理
}
最小値のみを指定する
QIntValidator validator(10, QIntValidator::Maximum); // 最小値のみを指定
// 入力値が最小値以上かどうかをチェック
if (validator.validate(input, pos) == QValidator::Acceptable) {
// 最小値以上の場合の処理
} else {
// 最小値未満の場合の処理
}
最大値のみを指定する
QIntValidator validator(QIntValidator::Minimum, 100); // 最大値のみを指定
// 入力値が最大値以下かどうかをチェック
if (validator.validate(input, pos) == QValidator::Acceptable) {
// 最大値以下の場合の処理
} else {
// 最大値を超えている場合の処理
}
入力値の桁数を制限する
QIntValidator validator(10, 100, 3); // 10から100までの範囲で、桁数は3桁まで
// 入力値が範囲内かつ桁数以内かどうかをチェック
if (validator.validate(input, pos) == QValidator::Acceptable) {
// 範囲内かつ桁数以内の場合の処理
} else {
// 範囲外または桁数超過の場合の処理
}
特定の文字列を許可する
QIntValidator validator(10, 100);
validator.setNotation(QIntValidator::NotationScientific); // 科学表記を許可
// 入力値が範囲内かつ科学表記かどうかをチェック
if (validator.validate(input, pos) == QValidator::Acceptable) {
// 範囲内かつ科学表記の場合の処理
} else {
// 範囲外または科学表記ではない場合の処理
}
これらのサンプルコードは、QIntValidator::validate()
関数のさまざまな使い方を示しています。これらのコードを参考に、ご自身のアプリケーションに合わせてカスタマイズしてください。
QIntValidator::validate() 以外の方法
QRegExpValidator
クラスは、正規表現を使用して入力値を検証することができます。正規表現は、より複雑な入力検証を行う場合に役立ちます。
例
以下のコードは、QLineEdit
ウィジェットに入力された値が3桁の整数値であるかどうかをチェックする例です。
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
// 3桁の整数値を許可する正規表現
QRegExp regExp("[0-9]{3}");
QRegExpValidator *validator = new QRegExpValidator(regExp);
lineEdit->setValidator(validator);
自作の検証関数を使用する
QValidator::validate()
関数や QRegExpValidator
クラスでは、希望通りの検証が行えない場合があります。そのような場合は、自作の検証関数を使用することができます。
例
以下のコードは、QLineEdit
ウィジェットに入力された値が偶数であるかどうかをチェックする自作の検証関数です。
bool isEven(const QString &input) {
return input.toInt() % 2 == 0;
}
// 自作の検証関数を設定
QLineEdit *lineEdit = new QLineEdit;
lineEdit->setValidator(new QValidator(isEven));
QInputDialog
クラスは、さまざまな種類の入力ダイアログを表示するためのクラスです。QInputDialog::getInt()
メソッドを使用して、整数値の入力ダイアログを表示することができます。
例
以下のコードは、QInputDialog
を使用して、10から100までの範囲の整数値を入力させる例です。
int value = QInputDialog::getInt(this, "整数値の入力", "10から100までの整数値を入力してください:", 10, 10, 100);
if (value != -1) {
// 入力された値の処理
}
- 簡単な検証であれば、
QIntValidator::validate()
関数を使用するのが最も簡単です。 - より複雑な検証を行う場合は、
QRegExpValidator
クラスまたは自作の検証関数を使用する必要があります。 - ユーザーにダイアログを表示して入力値を取得したい場合は、
QInputDialog
クラスを使用するのが便利です。
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