Qt GUI プログラミング:QPaintDevice::metric() 関数の詳細解説
Qt GUIにおけるQPaintDevice::metric()の詳細解説
QPaintDevice::metric() は、Qt GUIフレームワークで使用される重要な関数です。これは、ペイントデバイスに関するさまざまな情報を取得するために使用されます。ペイントデバイスとは、Qtで描画するために使用される抽象的なオブジェクトです。
機能
QPaintDevice::metric() は、以下の情報を取得するために使用できます。
- デバイスの解像度:デバイスピクセル密度(デバイスピクセル/インチ)
- デバイスの色深度:デバイスの色数を表すビット数
- デバイスの物理寸法:デバイスの幅と高さ(ミリメートル単位)
- デバイスの向き:ポートレートまたはランドスケープ
- その他:アンチエイリアシングのサポート、テキスト描画の品質など
引数
QPaintDevice::metric() は、以下の引数を受け取ります。
- metric:取得したい情報のタイプを表すQPaintDevice::PaintDeviceMetric型の列挙値
- defaultValue:必要な情報が取得できない場合に返されるデフォルト値
戻り値
QPaintDevice::metric() は、取得した情報(成功した場合)またはdefaultValue(失敗した場合)を返します。
使用例
以下のコードは、QPaintDevice::metric() を使用してデバイスの解像度を取得する例です。
QPaintDevice *device;
int resolution = device->metric(QPaintDevice::PdmDevicePixelRatio);
QPaintDevice::metric() 関数について詳しくは、以下の Qt ドキュメントを参照してください。
補足
- QPaintDevice::metric() は、サブクラスによってオーバーライドされる可能性があります。
- デバイスに情報がない場合、QPaintDevice::metric() は defaultValue を返します。
- デバイスの情報を取得する前に、デバイスが有効であることを確認する必要があります。
用語集
- ペイントデバイス:Qtで描画するために使用される抽象的なオブジェクト
- 色深度:デバイスの色数を表すビット数
- アンチエイリアシング:ギザギザを滑らかにする描画技術
- 列挙体:一連の関連する値を定義するデータ型
QPaintDevice::metric() 関数のサンプルコード
デバイスの解像度を取得する
QPaintDevice *device;
// デバイスピクセル密度を取得
int resolution = device->metric(QPaintDevice::PdmDevicePixelRatio);
// DPI を計算
qreal dpi = resolution * 25.4;
// DPI を表示
qDebug() << "デバイスの DPI は " << dpi << " です";
デバイスの色深度を取得する
QPaintDevice *device;
// 色深度を取得
int colorDepth = device->metric(QPaintDevice::PdmColorDepth);
// 色深度を表示
qDebug() << "デバイスの色深度は " << colorDepth << " ビットです";
デバイスの物理寸法を取得する
QPaintDevice *device;
// 幅と高さを取得
qreal width = device->metric(QPaintDevice::PdmWidth);
qreal height = device->metric(QPaintDevice::PdmHeight);
// 物理寸法を表示
qDebug() << "デバイスの幅は " << width << " mm です";
qDebug() << "デバイスの高さは " << height << " mm です";
デバイスの向きを取得する
QPaintDevice *device;
// 向きを取得
QPaintDevice::PaintDeviceMetric orientation = device->metric(QPaintDevice::PdmDeviceOrientation);
// 向きを表示
if (orientation == QPaintDevice::PdmPortrait) {
qDebug() << "デバイスの向きはポートレートです";
} else if (orientation == QPaintDevice::PdmLandscape) {
qDebug() << "デバイスの向きはランドスケープです";
}
補足
- 上記のサンプルコードは、Qt 5.15 以降で使用できます。
QPaintDevice::metric() 以外の方法
QPaintInfo クラスは、ペイントに関する情報を格納するオブジェクトです。QPainter::begin() 関数によって作成され、ペイントイベントハンドラ内で使用できます。
void MyWidget::paintEvent(QPaintEvent *event) {
QPainter painter(this);
QPaintInfo info = painter.paintInfo();
// デバイスの解像度を取得
int resolution = info.devicePixelRatio();
// DPI を計算
qreal dpi = resolution * 25.4;
// DPI を表示
qDebug() << "デバイスの DPI は " << dpi << " です";
}
QDeviceInfo クラスは、デバイスに関する情報を提供します。
QDeviceInfo deviceInfo;
// デバイスの解像度を取得
int resolution = deviceInfo.pixelDensity();
// DPI を計算
qreal dpi = resolution * 25.4;
// DPI を表示
qDebug() << "デバイスの DPI は " << dpi << " です";
プラットフォーム固有の API を使用して、デバイスに関する情報を取得することもできます。
QPaintDevice::metric() は、Qt GUIフレームワークで使用される重要な関数です。しかし、ペイントデバイスに関する情報を取得する方法は他にもいくつかあります。状況に応じて最適な方法を選択してください。
補足
- 上記の方法の詳細は、Qt ドキュメントを参照してください。
- プラットフォーム固有の API を使用するには、プラットフォーム固有のドキュメントを参照する必要があります。
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