Qt GUI で QStandardItem::setRowCount() を使ってアイテムビューの行数を設定する
Qt GUI における QStandardItem::setRowCount() の詳細解説
関数の概要
QStandardItem::setRowCount() は、以下の引数を受け取ります。
- rows: 設定する子アイテムの行数
この関数は、以下の処理を行います。
- 現在の行数と設定された行数を比較します。
- 行数が少ない場合は、末尾に新しい行を追加します。
- 行数が多い場合は、不要な行を削除します。
例:
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 行数を 3 行に減らす
item->setRowCount(3);
// アイテムビューを更新
// ...
注意事項:
- 設定された行数よりも子アイテムが多い場合、余分なアイテムは削除されます。
- 設定された行数よりも子アイテムが少ない場合、新しいアイテムは追加されません。
- アイテムビューに表示されているデータは、dataChanged() 信号によって更新されます。
詳細解説
QStandardItem::setRowCount() は、Qt のモデル/ビュー アーキテクチャにおける重要な役割を果たします。この関数を使用することで、アイテムビューに表示されるデータの行数を動的に変更することができます。
モデル/ビュー アーキテクチャ
Qt のモデル/ビュー アーキテクチャは、データとデータの表示を分離する設計パターンです。モデルはデータを表すオブジェクトであり、ビューはデータをユーザーに表示するオブジェクトです。
QStandardItem は、モデルを表すオブジェクトの一種です。QStandardItem::setRowCount() は、モデル内のデータの行数を変更するために使用されます。
アイテムビュー
QTreeView や QTableView などのアイテムビューは、モデルのデータを視覚的に表示するオブジェクトです。アイテムビューは、dataChanged() 信号によってモデルの変更を検知し、表示を更新します。
QStandardItem::setRowCount() は、Qt GUI でアイテムビューに表示されるデータの行数を動的に変更するために使用される重要な関数です。この関数を理解することで、Qt のモデル/ビュー アーキテクチャに基づいてより高度なアプリケーションを開発することができます。
QStandardItem::setRowCount() のサンプルコード
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 行数を 3 行に減らす
item->setRowCount(3);
// アイテムビューを更新
// ...
アイテムの追加
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 末尾に 2 行追加
item->setRowCount(item->rowCount() + 2);
// 新しいアイテムを追加
for (int i = 0; i < 2; ++i) {
QStandardItem *childItem = new QStandardItem();
childItem->setText(QString("Item %1").arg(i));
item->appendRow(childItem);
}
// アイテムビューを更新
// ...
アイテムの削除
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 最初の 2 行を削除
item->setRowCount(item->rowCount() - 2);
// アイテムを削除
for (int i = 0; i < 2; ++i) {
item->removeRow(0);
}
// アイテムビューを更新
// ...
条件付きの行数の設定
// データのリストを取得
QList<QString> data = ...;
// データの個数に基づいて行数を設定
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(data.size());
// 各データに対してアイテムを追加
for (int i = 0; i < data.size(); ++i) {
QStandardItem *childItem = new QStandardItem();
childItem->setText(data[i]);
item->appendRow(childItem);
}
// アイテムビューを更新
// ...
これらのサンプルコードは、QStandardItem::setRowCount() 関数の使用方法を示しています。これらのコードを参考に、さまざまな状況でこの関数を活用することができます。
QStandardItem::setRowCount() 以外の方法
appendRow() と removeRow()
QStandardItem クラスには、**appendRow()と **removeRow()
というメソッドがあります。これらのメソッドを使用して、個別にアイテムを追加・削除することで、間接的に行数を変更することができます。
例:
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 末尾に 2 行追加
item->appendRow(new QStandardItem());
item->appendRow(new QStandardItem());
// 最初の 2 行を削除
item->removeRow(0);
item->removeRow(0);
// アイテムビューを更新
// ...
insertRows() と removeRows()
QAbstractItemModel クラスには、**insertRows()と **removeRows()
というメソッドがあります。これらのメソッドを使用して、まとめてアイテムを追加・削除することで、間接的に行数を変更することができます。
例:
// 5行のアイテムを持つ QStandardItem を作成
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setRowCount(5);
// 3行目に 2 行挿入
item->insertRows(3, 2);
// 最初の 2 行を削除
item->removeRows(0, 2);
// アイテムビューを更新
// ...
モデルを再設定することで、行数を変更することができます。ただし、この方法はすべての状況で適切とは限りません。
例:
// データのリストを取得
QList<QString> data = ...;
// モデルを再設定
QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel();
for (int i = 0; i < data.size(); ++i) {
QStandardItem *item = new QStandardItem();
item->setText(data[i]);
model->appendRow(item);
}
// アイテムビューにモデルを設定
QTreeView *view = new QTreeView();
view->setModel(model);
- 個別にアイテムを追加・削除する場合:
appendRow()
とremoveRow()
- まとめてアイテムを追加・削除する場合:
insertRows()
とremoveRows()
- モデルを完全に変更する場合: モデルの再設定
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