Qt Widgets: QStatusBar::paintEvent()でステータスバーをカスタマイズ

Qt WidgetsにおけるQStatusBar::paintEvent()解説

概要

QStatusBar::paintEvent()は以下の役割を果たします。

• ステータスバーの背景を描画
• ステータスバーに配置されたウィジェットを描画
• 一時的なメッセージを描画

このイベントは、ステータスバーの状態が変化するたびに発生します。例えば、ウィジェットの追加・削除、メッセージの表示・非表示などです。

イベントハンドラの詳細

QStatusBar::paintEvent()は以下の引数を受け取ります。

• event: ペイントイベント情報を含むQPaintEventオブジェクト

イベントハンドラ内で以下の処理を行います。

1. QPainterオブジェクトの取得: ペイントイベントからQPainterオブジェクトを取得します。このオブジェクトを使用して、ステータスバーを描画します。
2. スタイルオプションの初期化: QStyleOptionオブジェクトを初期化し、ステータスバーのスタイル情報設定します。
3. 背景の描画: スタイルオブジェクトを使用して、ステータスバーの背景を描画します。
4. ウィジェットの描画: ステータスバーに配置されたウィジェットを順番に描画します。
5. 一時的なメッセージの描画: 一時的なメッセージが表示されている場合は、メッセージを描画します。

コード例

void QStatusBar::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  QStyleOption opt;
  opt.initFrom(this);

  // 背景の描画
  painter.drawPrimitive(QStyle::PE_PanelStatusBar, &opt, this);

  // ウィジェットの描画
  for (int i = 0; i < m_widgets.size(); ++i) {
    m_widgets[i]->paintEvent(&painter);
  }

  // 一時的なメッセージの描画
  if (!m_message.isEmpty()) {
    painter.drawText(rect(), Qt::AlignRight, m_message);
  }
}

カスタマイズと拡張

QStatusBar::paintEvent()をカスタマイズすることで、ステータスバーの外観や機能を拡張することができます。

• 背景の変更: スタイルシートを使用して、ステータスバーの背景色やグラデーションを設定できます。
• ウィジェットの追加: ステータスバーにボタン、ラベル、進捗バーなどのウィジェットを追加できます。
• カスタムメッセージ: 一時的なメッセージの代わりに、独自のメッセージを描画するコードを追加できます。

QStatusBar::paintEvent()は、ステータスバーのカスタマイズや拡張に役立つ重要なイベントハンドラです。上記の解説とコード例を参考に、ステータスバーを自由にカスタマイズしてみましょう。

Qt WidgetsにおけるQStatusBar::paintEvent()のサンプルコード

背景色の変更

void QStatusBar::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  QStyleOption opt;
  opt.initFrom(this);

  // 背景色を青色に設定
  painter.setBrush(QColor::blue());

  // 背景を描画
  painter.drawPrimitive(QStyle::PE_PanelStatusBar, &opt, this);

  // ウィジェットの描画
  for (int i = 0; i < m_widgets.size(); ++i) {
    m_widgets[i]->paintEvent(&painter);
  }

  // 一時的なメッセージの描画
  if (!m_message.isEmpty()) {
    painter.drawText(rect(), Qt::AlignRight, m_message);
  }
}

ウィジェットの追加

void QStatusBar::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  QStyleOption opt;
  opt.initFrom(this);

  // 背景の描画
  painter.drawPrimitive(QStyle::PE_PanelStatusBar, &opt, this);

  // プログレスバーの追加
  QProgressBar *progressBar = new QProgressBar(this);
  progressBar->setGeometry(QRect(10, 10, 100, 20));
  progressBar->show();

  // ラベルの追加
  QLabel *label = new QLabel(this);
  label->setText("メッセージ");
  label->setGeometry(QRect(120, 10, 100, 20));
  label->show();

  // ウィジェットの描画
  for (int i = 0; i < m_widgets.size(); ++i) {
    m_widgets[i]->paintEvent(&painter);
  }

  // 一時的なメッセージの描画
  if (!m_message.isEmpty()) {
    painter.drawText(rect(), Qt::AlignRight, m_message);
  }
}

カスタムメッセージ

void QStatusBar::paintEvent(QPaintEvent *event) {
  QPainter painter(this);
  QStyleOption opt;
  opt.initFrom(this);

  // 背景の描画
  painter.drawPrimitive(QStyle::PE_PanelStatusBar, &opt, this);

  // ウィジェットの描画
  for (int i = 0; i < m_widgets.size(); ++i) {
    m_widgets[i]->paintEvent(&painter);
  }

  // カスタムメッセージの描画
  if (!m_message.isEmpty()) {
    painter.setPen(QColor::red);
    painter.setFont(QFont("Arial", 12));
    painter.drawText(rect(), Qt::AlignCenter, m_message);
  }
}

QStatusBar::paintEvent() 以外の方法

スタイルシートを使用して、ステータスバーの外観を簡単に変更できます。例えば、以下のスタイルシートは、ステータスバーの背景色を青色に設定します。

QStatusBar {
  background-color: blue;
}

カスタムウィジェット

QStatusBar::addWidget() メソッドを使用して、ステータスバーにカスタムウィジェットを追加できます。カスタムウィジェットは、独自の描画処理を実装することで、ステータスバーにさまざまな機能を追加できます。

QStatusBar::showMessage() メソッドを使用して、ステータスバーに一時的なメッセージを表示できます。この方法は、簡単なメッセージを表示する場合に便利です。

QStatusBar::clearMessage() メソッドを使用して、ステータスバーに表示されているメッセージを消去できます。

QStatusBar::currentMessage() メソッドを使用して、ステータスバーに現在表示されているメッセージを取得できます。

QStatusBar::iconSize() メソッドを使用して、ステータスバーに表示されるアイコンのサイズを取得できます。

QStatusBar::setIconSize() メソッドを使用して、ステータスバーに表示されるアイコンのサイズを設定できます。

QStatusBar::minimumWidth() メソッドを使用して、ステータスバーの最小幅を取得できます。

QStatusBar::setMinimumWidth() メソッドを使用して、ステータスバーの最小幅を設定できます。

QStatusBar::maximumWidth() メソッドを使用して、ステータスバーの最大幅を取得できます。

QStatusBar::setMaximumWidth() メソッドを使用して、ステータスバーの最大幅を設定できます。

QStatusBar::paintEvent() 以外にも、ステータスバーをカスタマイズしたり拡張したりするには、さまざまな方法があります。これらの方法を組み合わせて、ニーズに合ったステータスバーを作成することができます。