Qt GUI アプリケーション開発者必見！QTextBlockUserData クラスを使いこなしてテキスト処理を効率化

Qt GUI の QTextBlockUserData クラス

概要

QTextDocument は、テキストをフォーマットして表示するためのクラスです。テキスト文書は、段落、行、文字などの要素で構成されます。QTextBlockUserData クラスは、これらの要素の一つである テキストブロック に、アプリケーション固有のデータを関連付けるために使用されます。

主な機能

• テキストブロックに任意のデータを保存する
• 保存されたデータを取得する
• 特定の条件に基づいてテキストブロックをフィルタリングする
• テキストブロックの表示をカスタマイズする

使用例

• 特定の単語にハイライトを付ける
• 箇条書きや番号付きリストを作成する
• 画像やその他のメディアをテキストに埋め込む
• 複雑な文書レイアウトを構築する

コード例

class MyUserData : public QTextBlockUserData {
public:
  MyUserData(const QString& text) : m_text(text) {}

  QString text() const { return m_text; }

private:
  QString m_text;
};

void setTextBlockUserData(QTextBlock& block, const QString& text) {
  MyUserData* data = new MyUserData(text);
  block.setUserData(data);
}

QString getTextBlockUserData(const QTextBlock& block) {
  MyUserData* data = static_cast<MyUserData*>(block.userData());
  if (data) {
    return data->text();
  }
  return QString();
}

// テキストブロックをフィルタリングする例
void filterBlocks(QTextDocument* document) {
  QTextBlock block = document->begin();
  while (block.isValid()) {
    MyUserData* data = static_cast<MyUserData*>(block.userData());
    if (data && data->text().contains("重要")) {
      // 重要なブロックを処理
    }
    block = block.next();
  }
}

上記のコード例では、MyUserData クラスは、テキストブロックに関連付けるカスタムデータを表します。このクラスには、テキストデータを保存する text() メソッドがあります。

setTextBlockUserData() 関数は、テキストブロックに MyUserData オブジェクトを関連付けます。getTextBlockUserData() 関数は、テキストブロックから MyUserData オブジェクトを取得します。

filterBlocks() 関数は、MyUserData オブジェクトの text() メソッドを使用して、テキストブロックをフィルタリングします。

QTextBlockUserData クラスは、Qt GUI アプリケーションでテキスト処理を行う際に、柔軟性と拡張性を提供します。このクラスを使用して、テキストブロックに任意のデータを関連付け、さまざまな処理を行うことができます。

QTextBlockUserData クラスのサンプルコード

テキストブロックにハイライトを付ける

void highlightImportantWords(QTextDocument* document) {
  QTextBlock block = document->begin();
  while (block.isValid()) {
    QString text = block.text();
    if (text.contains("重要")) {
      QTextCharFormat format;
      format.setBackground(Qt::yellow);
      block.setCharFormat(format);
    }
    block = block.next();
  }
}

箇条書きリストを作成する

void createBulletedList(QTextDocument* document) {
  QTextBlock block = document->begin();
  while (block.isValid()) {
    if (block.text().startsWith("*")) {
      QTextListFormat format;
      format.setStyle(QTextListFormat::ListDisc);
      block.setListFormat(format);
    }
    block = block.next();
  }
}

このコードは、"*" で始まるすべてのテキストブロックを箇条書きリストに変換します。

画像をテキストに埋め込む

void insertImage(QTextDocument* document, const QImage& image) {
  QTextCursor cursor = document->textCursor();
  cursor.insertImage(image);
}

このコードは、テキストカーソルがある位置に画像を挿入します。

テキストブロックの表示をカスタマイズする

void customizeTextBlockAppearance(QTextBlock block) {
  QTextCharFormat format;
  format.setFontFamily("Arial");
  format.setFontPointSize(12);
  block.setCharFormat(format);
}

このコードは、テキストブロックのフォントファミリーとフォントサイズを設定します。

これらのサンプルコードは、QTextBlockUserData クラスの使い方を理解するのに役立ちます。

QTextBlockUserData クラスの代替方法

• 複雑なデータ構造を保存するには不十分な場合があります。
• テキストブロックの検索やフィルタリングに効率的ではない場合があります。

以下の代替方法を検討することができます。

QTextCharFormat クラスは、テキストの書式設定情報を保存するために使用できます。このクラスを使用して、テキストブロックの色、フォント、サイズなどの属性を設定することができます。

QTextCharFormat format;
format.setFontFamily("Arial");
format.setFontPointSize(12);
block.setCharFormat(format);

QTextObject クラスは、テキスト文書内の任意の位置に配置できるオブジェクトを表します。画像、表、フレームなどの複雑なコンテンツをテキストに埋め込むために使用できます。

QTextImage image;
image.setSource("image.png");
block.insertObject(image);

カスタムデータ構造

アプリケーション固有のデータ構造を作成して、テキストブロックに関連付けることができます。この方法は、複雑なデータや、テキストブロックの検索やフィルタリングが必要な場合に便利です。

struct MyData {
  QString text;
  int number;
};

MyData* data = new MyData;
data->text = "This is some text";
data->number = 123;
block.setUserData(data);

Qt のその他の機能

Qt は、テキスト処理のための豊富な機能を提供しています。これらの機能を使用して、さまざまな要件を満たすことができます。

• QTextDocument::find() メソッドを使用して、テキスト文書内のテキストを検索できます。
• QTextDocument::filter() メソッドを使用して、特定の条件に基づいてテキストブロックをフィルタリングできます。
• QTextDocument::setDocumentLayout() メソッドを使用して、テキスト文書のレイアウトをカスタマイズできます。

QTextBlockUserData クラスは、テキストブロックにカスタムデータを関連付けるための便利な方法ですが、すべての状況に適しているわけではありません。上記の代替方法を検討することで、アプリケーションの要件に最適な方法を見つけることができます。