Qt Widgets: QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数の詳細解説

2024-04-02

Qt Widgets: QTreeWidgetItem::sortChildren() の詳細解説

概要

関数の使い方

QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数は以下のプロトタイプを持ちます。

void sortChildren(int column, Qt::SortOrder order = Qt::AscendingOrder, bool recursive = true);

引数

  • column: ソート対象となる列のインデックス。
  • order: ソート順序。Qt::AscendingOrder は昇順、Qt::DescendingOrder は降順を表します。
  • recursive: デフォルトで true に設定されており、子項目も再帰的にソートすることを意味します。false に設定すると、直接の子項目のみがソートされます。

以下のコードは、treeWidget 内のすべての項目を column 番号に基づいて昇順にソートします。

treeWidget->sortChildren(column, Qt::AscendingOrder);

詳細

  • ソート基準: デフォルトでは、項目のテキスト値に基づいてソートされます。Qt::ItemDelegate を使用して、カスタムのソート基準を実装することができます。
  • 複数列ソート: 複数の列に基づいてソートするには、Qt::SortOrder 型のフラグを組み合わせて使用します。例えば、column1 を昇順、column2 を降順にソートするには、以下のようにします。
treeWidget->sortChildren(column1, Qt::AscendingOrder | column2, Qt::DescendingOrder);
  • ソートインジケータ: ソート順序を視覚的に表示するために、ソートインジケータを使用することができます。QHeaderView::setSortIndicator 関数を使用して、ソートインジケータを設定します。

応用例

  • ファイルシステムブラウザ:ファイル名、ファイルサイズ、種類などによってファイルをソートする。
  • 連絡先リスト:名前、会社名、役職などによって連絡先をソートする。
  • タスクリスト:期限、優先順位、状態などによってタスクをソートする。

QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数は、Qt Widgets アプリケーションにおけるツリーウィジェットの機能を拡張する強力なツールです。この関数を理解することで、ユーザーインターフェースをより使いやすく、効率的にすることができます。



QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数のサンプルコード

// 列0に基づいて昇順にソート
treeWidget->sortChildren(0, Qt::AscendingOrder);

// 列1に基づいて降順にソート
treeWidget->sortChildren(1, Qt::DescendingOrder);

複数の列によるソート

// 列0を昇順、列1を降順にソート
treeWidget->sortChildren(0, Qt::AscendingOrder | 1, Qt::DescendingOrder);

カスタムソート基準

// ファイル名の拡張子に基づいてソートするカスタムデリゲート
class FileExtensionDelegate : public QItemDelegate
{
public:
    bool lessThan(const QModelIndex &left, const QModelIndex &right) const override
    {
        return left.data(Qt::DisplayRole).toString().split(".").last() <
               right.data(Qt::DisplayRole).toString().split(".").last();
    }
};

// デリゲートを設定して、列2に基づいてソート
FileExtensionDelegate delegate;
treeWidget->setItemDelegateForColumn(2, &delegate);
treeWidget->sortChildren(2, Qt::AscendingOrder);

ソートインジケータ

// ソートインジケータを有効にする
treeWidget->header()->setSortIndicatorShown(true);

// 列0に基づいて昇順にソートし、ソートインジケータを表示
treeWidget->sortChildren(0, Qt::AscendingOrder);

再帰的なソート

// 子項目も含めて列0に基づいて昇順にソート
treeWidget->sortChildren(0, Qt::AscendingOrder, true);

// 子項目のみソート
treeWidget->sortChildren(0, Qt::AscendingOrder, false);

これらのサンプルコードは、QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数のさまざまな使い方を示しています。これらのコードを参考に、アプリケーションのニーズに合わせてソート機能を実装することができます。



QTreeWidgetItem::sortChildren() 以外のソート方法

QSortFilterProxyModel

QSortFilterProxyModel クラスを使用すると、モデルデータをフィルタリングおよびソートすることができます。この方法は、モデルデータを直接変更せずにソートを行う場合に便利です。

// プロキシモデルを作成
QSortFilterProxyModel *proxyModel = new QSortFilterProxyModel(this);

// モデルをプロキシモデルに設定
proxyModel->setSourceModel(treeModel);

// 列0に基づいて昇順にソート
proxyModel->sort(0, Qt::AscendingOrder);

// プロキシモデルをツリーウィジェットに設定
treeWidget->setModel(proxyModel);

QStandardItemModel

QStandardItemModel クラスを使用すると、独自のソートロジックを実装することができます。この方法は、高度なソート機能が必要な場合に便利です。

// モデルを作成
QStandardItemModel *model = new QStandardItemModel(this);

// ソートロジックを実装する
bool sortByColumn1(const QStandardItem *left, const QStandardItem *right)
{
    return left->data(Qt::DisplayRole).toInt() < right->data(Qt::DisplayRole).toInt();
}

// モデルにソートロジックを設定
model->sort(1, sortByColumn1);

// モデルをツリーウィジェットに設定
treeWidget->setModel(model);

カスタムソートアルゴリズム

Qt は標準のソートアルゴリズムを提供していますが、独自のアルゴリズムを実装することもできます。この方法は、非常に特殊なソート要件がある場合に便利です。

// カスタムソートアルゴリズムを実装する
void customSort(QTreeWidgetItemList &items)
{
    // ...
}

// ソートアルゴリズムを使用して項目をソート
customSort(treeWidget->findItems("", Qt::MatchContains));

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。アプリケーションのニーズに最適な方法を選択する必要があります。

QTreeWidgetItem::sortChildren() 関数は、Qt Widgets でツリーウィジェットをソートする最も簡単な方法です。しかし、より高度なソート機能が必要な場合は、他の方法も検討する必要があります。




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