警告メッセージの原因は? CMakeポリシー「CMP0050」の動作と設定方法を完全理解
CMakeポリシー「CMP0050」は、プロジェクトのソースディレクトリを変更する際の動作を制御します。このポリシーは、CMake 3.13で導入され、デフォルトで有効になっています。
影響を受けるユーザー
以下のいずれかに該当する場合は、このポリシーの影響を受けます。
- CMake 3.13以降を使用している
- プロジェクトのソースディレクトリを変更するCMakeコードを使用している
ポリシーの動作
このポリシーが有効な場合、CMakeはソースディレクトリを変更する前に警告を発します。警告メッセージには、変更されるソースディレクトリと、変更の影響を受ける可能性のあるファイルやターゲットの情報が含まれます。
設定方法
このポリシーの動作は、以下の方法で設定できます。
- CMakeLists.txtファイルで
cmake_policy()
コマンドを使用する CMAKE_POLICY_CMP0050
環境変数を設定する
設定例
# CMakeLists.txtファイル
cmake_policy(CMP0050 NEW) # ポリシーを新しい動作に設定
# 環境変数の設定
set CMAKE_POLICY_CMP0050=NEW # ポリシーを新しい動作に設定
ポリシーの変更による影響
このポリシーの動作を変更すると、プロジェクトのビルドに影響を与える可能性があります。
- ポリシーを新しい動作に変更すると、ソースディレクトリを変更する前に警告が表示されるようになります。
- ポリシーを古い動作に変更すると、警告が表示されずにソースディレクトリが変更されます。
ポリシー変更時の注意点
このポリシーの動作を変更する前に、以下の点に注意してください。
- プロジェクトのソースディレクトリを変更するCMakeコードをすべて確認する必要があります。
- 警告メッセージの内容をよく確認し、必要に応じて対応する必要があります。
CMakeポリシー「CMP0050」のサンプルコード
サンプルコード1: ソースディレクトリ変更
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/source")
# ソースディレクトリを変更
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/new/source")
add_executable(my_app main.cpp)
このコードは、最初に CMAKE_SOURCE_DIR
を /path/to/source
に設定し、その後 /path/to/new/source
に変更します。
出力結果
-- The source directory has changed:
-- Old: /path/to/source
-- New: /path/to/new/source
--
-- This warning is for project 'my_app'.
--
-- Call Stack (most recent call first):
-- CMakeLists.txt:2 (set)
--
-- Configuring done
-- Generating done
-- Build files have been written to: /path/to/build
サンプルコード2: ポリシー設定
# CMakeLists.txtファイル
cmake_policy(CMP0050 NEW) # ポリシーを新しい動作に設定
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/source")
# ソースディレクトリを変更
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/new/source")
add_executable(my_app main.cpp)
このコードは、最初に cmake_policy()
コマンドを使用して、ポリシー「CMP0050」を新しい動作に設定します。その後、ソースディレクトリを変更します。
出力結果
-- The source directory has changed:
-- Old: /path/to/source
-- New: /path/to/new/source
--
-- This warning is for project 'my_app'.
--
-- Call Stack (most recent call first):
-- CMakeLists.txt:4 (set)
--
-- Configuring done
-- Generating done
-- Build files have been written to: /path/to/build
サンプルコード3: 環境変数設定
# 環境変数の設定
set CMAKE_POLICY_CMP0050=NEW # ポリシーを新しい動作に設定
# CMakeLists.txtファイル
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/source")
# ソースディレクトリを変更
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/new/source")
add_executable(my_app main.cpp)
このコードは、CMAKE_POLICY_CMP0050
環境変数を設定して、ポリシー「CMP0050」を新しい動作に設定します。その後、ソースディレクトリを変更します。
出力結果
-- The source directory has changed:
-- Old: /path/to/source
-- New: /path/to/new/source
--
-- This warning is for project 'my_app'.
--
-- Call Stack (most recent call first):
-- CMakeLists.txt:4 (set)
--
-- Configuring done
-- Generating done
-- Build files have been written to: /path/to/build
CMakeでプロジェクトのソースディレクトリを変更する他の方法
CMAKE_SOURCE_DIR 変数を設定する
これは、ソースディレクトリを変更する最も一般的な方法です。CMAKE_SOURCE_DIR
変数は、プロジェクトのソースコードを含むディレクトリを指定します。
set(CMAKE_SOURCE_DIR "/path/to/source")
add_subdirectory()
コマンドは、サブディレクトリをプロジェクトに追加するために使用されます。このコマンドを使用して、サブディレクトリをソースディレクトリとして指定することができます。
add_subdirectory("/path/to/subdirectory")
CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR
変数は、現在処理中の CMakeLists.txt ファイルがあるディレクトリを指定します。この変数を使用して、相対パスでソースディレクトリを指定することができます。
set(SOURCE_DIR "${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/subdirectory")
add_executable(my_app main.cpp)
CMAKE_MODULE_PATH
変数は、CMake モジュールを探すためのパスを指定します。この変数を使用して、ソースディレクトリに配置された CMake モジュールを読み込むことができます。
set(CMAKE_MODULE_PATH "${CMAKE_SOURCE_DIR}/modules")
find_package(MyModule)
どの方法を使用するべきかは、プロジェクトの構成によって異なります。一般的には、CMAKE_SOURCE_DIR
変数を設定する方法が最も簡単で汎用性があります。
その他の注意事項
- ソースディレクトリを変更すると、プロジェクトのビルドに影響を与える可能性があります。
- ソースディレクトリを変更する前に、プロジェクトのすべての CMakeLists.txt ファイルを確認する必要があります。
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